2018年07月20日

池のくるみスキー場(諏訪市)

現在、霧ヶ峰といってイメージされるのは車山周辺や八島湿原であったり、強清水あたりだろうか。池のくるみ(踊場湿原)はやや忘れ去られた場所になっているような気がする。車山や八島湿原は多くのハイカーで賑わうけれど、過去数回、踊場湿原の周回路ではほとんど人の姿を見た記憶がない。湿原の雰囲気は悪くないと思うのだけれど。

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(左)西端(最下部)から踊場湿原を見上げる。(右)トロイカが設置されていたと思われる湿原南側の斜面。

霧ヶ峰インター交差点から南下すれば、数軒のロッヂが建つ踊場湿原の西端を車道はかすめる。駐車スペースの傍らに「霧ヶ峰湿原植物群落」の説明板がある。東の方角を眺めれば、左右の緩やかな丘陵地に囲まれて前方に細長く湿原が広がっている。前方に見えるはずの車山やガボッチョという、ユーモラスな名前のピークは霧に隠れている。

この場所にスキー場があったことを知ったのは「長野県スキー史」の記載による。『池のくるみスキー場』には昭和7年(1932)にシャンツェを完成。昭和31年(1956)にスキーリフトが建設されたが利用客が少なく、33年取り外し、霧ヶ峰強清水へ第2リフトとして移設。こうして、池のくるみから強清水へと霧ヶ峰のスキーの中心地は移行していったと書かれている。

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(左)湿原南側上部からロッヂなどかある最下部を見おろす。(右)湿原周回路の東端付近から南側の丘陵を見る。

池のくるみがスキー場として隆盛であったのは、昭和7年から33年の間ということだろうか。その間に休憩所や山小屋も整備されるようになったようだ。昭和12年(1937)上諏訪駅から途中までバスも運行されるようになったが、バスを降りてもなお1時間歩かなければならなかった。

また、「冬の信州'76」には「ロープトロイカ 150m 30円」という記載があり、その後もスキー場として存続していた様子がうかがえる。湿原上部に向かって右手の小ピークに小屋があり、トロイカの機器が納められていたようだ。つまり湿原南側の北斜面がトロイカのあるゲレンデだったということのようだ。その斜面はゲレンデとして草刈りが続けられてきたらしい。

今回の訪問は、このトロイカ小屋が残っているか確かめる目的が大きかったが、残念ながら取り壊されてしまったようだ。その跡形もわからなかった。湿原南側の斜面は、やや距離は短いものの滑走には適度な斜面に見えた。しかし、静かな湿原を見ていると、多くのスキーヤーでこの地が賑わったことがいまではとても信じられなかった。(現地訪問:2018年7月)

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(左)強清水の霧ヶ峰スキー場。現在も営業を続けている。

2018年06月28日

野沢温泉スキー場のリフト改廃(その4 山頂部)(野沢温泉村)

野沢温泉スキー場の廃止リフトについて、山麓部・中間部の稚拙なレポートを掲載したのは2月のこと。案の定、事情に詳しい方々からのご指摘をいろいろいただいた。山頂部については、さらに正確さを欠く話になりそうで躊躇していた。

雪解けを待って車で上ノ平まで上がってみたが、新たな発見はほとんどなかった。推測の域を出ないレポートだけれど、詳しい方々からのご指摘をいただく契機にでもなればと思う。

■第20ペアリフト
日影ゴンドラ上ノ平駅駅付近から、上ノ平ゲレンデ上部に向けてに掛けられていたリフト。現在の上ノ平ゲレンデの最下部をカバーしていたと思われる。

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(左)日影ゴンドラ上ノ平駅前。このあたりから前方に架けられていたのではないだろうか。(右)上ノ平フォーリフトから上ノ平駅付近を見おろす。
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■上ノ平第1リフト
チャレンジリフトから接続して、その上部に架けられていたリフト。当時のチャレンジリフトは現在のチャレンジペアよりも少し短かったのではなかろうか。現在の呼び方では、パラダイスゲレンデ下部左側ということになる。正確な位置はわからないが、左手にロッヂなどが立ち並ぶあたりを横切っていたのだろうか。

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(左)現在のチャレンジペア降場。この付近を通り上部に向かって架けられていたはず。(右)左手にはロッヂなどが立ち並ぶ。
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■上ノ平ロマンスリフト
上記の上ノ平第1の中間点あたりから上部に向かっていたリフト。終点は現在の上ノ平フォー乗場あたりか。付近はパラダイス上部の快適な斜面である。

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(左)上ノ平フォーリフト乗場付近。(右)パラダイス上部の快適な斜面を上から見おろす。
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■第21・22ペアリフト
現在の上ノ平フォーリフトでカバーされる位置にペアリフトが2基あったと思われるが、上ノ平フォーより東側に位置したのではないだろうか。第22は山頂部に向かってやや左の斜面に架かり、第21との接点は巣鷹湖への道が分岐するあたりだったのではないか。

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(左)第22が架かっていたと推測する斜面を見上げる。(右)第21は少し東側のこのあたりに架かっていたか。

■上ノ平第2リフトA・B線
現在のパラダイスフォーでカバーされる場所にあったと思われる。

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(現地訪問:2018年2月・6月)

こちらもご覧ください → 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その1)  野沢温泉スキー場のリフト改廃(その2) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その3)
posted by 急行野沢 at 20:03| Comment(0) | 飯山線沿線 営業休止のスキー場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月07日

西霧野スキー場(岐阜県飛騨市)

本ブログで何回もお世話になっているKさんから、黒内にあるスキー場のことを聞いていた。飛騨市古川町の「桃源郷温泉すぱーふる」のすぐ近く。現在は黒内果樹園になっている場所だという。温泉スタッフのおばさんに聞いたところ、小さい頃行ったことがあるけれど、リフトもなくスキー場というよりスキーができる場所だったとのこと。

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(左)桃源郷温泉の案内板と黒内果樹園の建物。(左)黒内果樹園内の小道から斜面上部を見る。

調べてみたところ「西霧野スキー場」と呼ばれていて、昭和初期にはスキー大会が開かれていたようだ。飛騨市の広報紙「広報ひだ」(2013年12月号)に古川町史編纂室による記事「飛騨市歴史探訪 西霧野スキー場から黒内果樹園へ」が掲載されている。それによれば、昭和17年(1942)の小鷹利村々勢要覧の添付地図で、現在の黒内果樹園の位置に西霧野スキー場を確認することができるという。

この要覧には「約1キロメートルのスロープにヒュッテが二棟あり、雪質は良好で冬季は大変賑わっており、定期自動車の便がある」と記されている。その後、同地では果樹園開墾の計画が進められ、昭和34年(1959)、西霧野スキー場は果樹園と桑園に開墾されてスキー場としての歴史を閉じたようだ。

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(左)黒内果樹園内の小道から下部を見おろす。

飛騨方面に出かけた際に立ち寄ってみた。桃源郷温泉の案内標識に従って進み、その手前左手にあるフルーツパーク黒内果樹園の建物手前を左折、川を渡れば果樹園内の小道に入り込む。一面の果樹園は雪に埋もれている。見たところ果樹園は緩やかな斜面に立地していて、スキーで滑るのにはちょうどよい傾斜のように思えた。当然ながらスキーに関係する痕跡は見られなかった。

訪問時には果樹園は一面の雪に覆われていたが、季節がよければ、果樹狩りと温泉施設が隣接していて休日を楽しむのによい場所ではないだろうか。しかし、いまとなっては、ここでスキーが行われていた頃を想像するのは難しかった。(現地訪問:2018年3月)
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2018年05月16日

北竜温泉ファミリースキー場(飯山市)

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(左)センターハウス前にあったゲレンデマップ。文化北竜館に隣接していた第2ゲレンデの表記はすでにない。(右)2年前に廃止された第2ゲレンデ(2016年2月撮影)。

2017年秋に同スキー場のHP上に以下のような告知がされた。「いいやま北竜温泉スキー場は2017-2018シーズンをもちまして営業を終了いたします。昭和37年から55年間にわたりご愛顧いただきありがとうございました。『シニアもキッズもみんなのプライベートゲレンデ』のラストシーズンをお楽しみください。」

本ブログでも取り上げた通り、2年前には少し離れた場所にあった第2ゲレンデが営業休止となっていて、スキー場の存続は厳しいなかなという気がしていた。位置的には野沢温泉の手前にあり、バブル期あたりにはエスケープゲレンデという位置づけもあったのだろうか。いまではまったく客層の違うゲレンデと考えた方がいいだろう。

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(左)駐車場付近から見たスキー場全体。リフトの左右に数本のコースがある。(右)ゲレンデ下にあるセンターハウス。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「北竜湖スキー場」として、以下のように紹介されている。「野沢温泉の麓、北竜湖畔に広がるゲレンデ。文化北竜湖山荘を中心にしたファミリースキー場。ビッグゲレンデをもつ野沢温泉スキー場とはまたひと味違う環境。最大40度の斜度をもつチャンピオンコースあり。」リフトは第1ゲレンデにペア1基、第2ゲレンデ(2年前に廃止済)にシングル1基。

第1ゲレンデには、四半世紀ほど前に一度滑りに来たことがあるだけ。ペアリフトの両側にさまざまなレベルに応じたコースがあって、規模から感じるよりは楽しめるスキー場だった記憶がある。宿泊施設である文化北竜館は少し離れた北竜湖畔にあり、そのあたりの不便さもあったと思う。しかし、大きなゲレンデでガンガン滑るのとは違った、静かな冬の休日を過ごすにはよいところではなかったかと思う。

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(左)ペアリフトとそれに沿ったAコース。(右)ペアリフト降場からAコースと山麓部のセンターハウス、駐車場をみおろす。

せっかくなので、営業終了まで1ヶ月を切った3月の平日に最後の滑りに出かけた。センターハウスで尋ねると、確かに今シーズン限りの営業ということだった。ポール練習をしている20人ほどのグループがいたが、それを除くと一般客は私ひとり。「ファミリースキー場」と称しているけれど、平日だったせいか、山麓部のキッズランドなどにもファミリーの姿はなかった。

ペアリフト両側のA・Bコースはポール練習の人たちが滑っていたのでそれなりのゲレンデ状態であったが、それ以外はゲレンデ整備も万全とは思えず寂しさも感じた。リフト上部からは関田山脈の山並を、意外な美しさで眺めることができた。

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(左)ペアリフト降場からBコースを見おろす。前方に関田山脈の山並を望む。(右)営業終了後の様子(2018年5月)。

営業終了から1か月ほど経過した5月初旬、再び同スキー場を訪ねた。まだ、リフト施設やセンターハウスなどそのままの状態。リフトは搬器を外してあるが、解体撤去などはこれから行われるのだろうか。(現地訪問:2018年3月・5月)

posted by 急行野沢 at 20:00| Comment(0) | 飯山線沿線 営業休止のスキー場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月26日

草津国際スキー場 本白根ゲレンデ・白根火山ロープウェー(群馬県草津町)

本年1月23日、本白根山鏡池付近が噴火。草津国際スキー場で自衛隊員1名が亡くなり、大勢が負傷するなどの被害が発生した。営業ゲレンデの目の前での噴火に衝撃を受けた。火口周囲2kmが立入規制区域となり白根火山ロープウェイと振子沢・清水沢コース、本白根ゲレンデとペアリフト2本が閉鎖となった。なお立入規制区域は3月16日に1kmに縮小されたが、4月22日には火山性地震により、今度は草津白根山湯釜火口付近が半径1kmで立入禁止規制。国道292号も一部通行止めとなっている。

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(左)殺生クワッドから見た山頂方面と右手に青葉山ゲレンデ。(右)ロープウェイ乗場。これより上部は閉鎖中。

最初の噴火の後、草津村長により上記ゲレンデを廃止する方針が明らかになった。1月24日には山麓部の天狗山・御成山・青葉山ゲレンデは営業再開していたが、上部ゲレンデはしばらく状況を見ることもなく廃止方針となったことに驚いた。安全を優先させるべきではあるが、スキー場規模のスリム化をはかりたい判断もあったのかもしれない。

草津国際スキー場は縦長のスキー場である分、運営の負担が大きかったのだろうか。「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「なかでもいちばん人気はロングダウンヒル。山頂の本白根から最下部の天狗山ゲレンデまで。ノンストップで標高差は926m、全長8kmのロングコースがとれる」とある。この滑り方はもうできない。

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(左)清水沢コースを見上げる。「閉鎖中」(右)青葉山ゲレンデからロープウェイ駅を見おろす。

噴火から2ヶ月弱が過ぎた3月の晴天の土曜日、草津国際に滑りに出かけた。混雑しているとはいえないが、思ったよりも賑わっていて少し安心。ファミリー層が多く、これなら上部ゲレンデは不要かもしれない、と思われた。さっそく天狗山クワッド・殺生クワッドを乗り継いで、青葉山の下のロープウエイ駅まで行ってみる。途中、硫黄の匂いが強くなる。

ロープウェイ駅はシャッターが閉まり、「白根火山ロープウエイは本白根山噴火のため暫くの間運休といたします。(後略)」と貼紙があった。破損したものも多いと思われる搬器は取り外されている。上部のコースに向けては、「閉鎖中」と掲示されネットが張られていた。見渡す範囲では、噴石や降灰の形跡はわからない。本白根ゲレンデの様子も不明。山頂部に噴煙などは見られず、山容が青空に映えていた。(現地訪問:2018年3月)

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(左)天狗山クワッドからゲレンデ最下部を見おろす。思ったよりも賑わっていた。
posted by 急行野沢 at 18:47| Comment(1) | 群馬県 営業休止のスキー場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする