2023年04月15日

正ヶ洞スキー場[その2] (岐阜県郡上市)

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正ヶ洞スキー場の写真。(左)昭和40(1965)年(高鷲振興事務所)。(右)2013年訪問時の写真。

本ブログがいつもお世話になっている西濃にお住いのKさん。そのKさんの同級生だったというHさんから、岐阜方面のスキー場の古い写真などをお送りいただいた。その中で正ヶ洞スキー場の昔の写真(左上)を紹介したいと思う。右上は以前(2013年)に本ブログで現地を訪問した際に撮った写真。鉄塔の位置がほぼ同じと思われる。

この方面も高平・平家平・油坂・数河・飛騨ハイランド・新穂高ロープウェイ・原山・ロッセなど多くのスキー場が閉鎖されている。鬼谷スキー場についても同氏からいろいろな資料をお寄せいただいたので、もう少し調査したうえで掲載する機会を考えたいと思う。

2023年02月28日

飛騨舟山スノーリゾート アルコピア 【ラストシーズン】(岐阜県高山市)

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(左)アクセス道にある看板。(右)第1ゲレンデ下から見上げる。

岐阜県高山市内には現在、3箇所のスキー場がある。飛騨高山スキー場・モンデウス飛騨位山・飛騨舟山アルコピア。このうち、モンデウスとアルコピアのいずれかを廃止するという高山市の方向性が示されたのが2020年3月のこと。「スキー人口の減少や近年の雪不足による営業日の短縮で、厳しい経営が続いたため」と報じられた(岐阜新聞)。

両スキー場とも過去に1回しか滑ったことがなかったけれど、個人的にはアルコピアの方が楽しかった記憶があった。上部のペアリフト沿いの斜面が気持ちよかった。しかし期待は裏切られ、2022年4月には「岐阜県高山市は市営スキー場のひだ舟山スノーリゾートアルコピアを来期限りで廃止する方針を明らかにした」と報じられた(岐阜新聞)。

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(左)時間がたつとピーチライナーにリフト待ちが。(右)第1ゲレンデ上部から見おろす。

「アルコピアの方が相対的にゲレンデなどが狭く、施設が古いため廃止とした」また「(モンデウスは)全てが市有地であることや、耐用年数が24年残るセンターハウス機能が中長期的に使用が可能である」ということである。

スキー場ガイドには以下のように紹介されていた。「飛騨地区のスキー場の中では中京地方からはもっとも近い。飛騨の中心にある久々野を舞台に広大なスロープが展開。『アルコピア』はイタリア語のアルク:箱舟とユートピア:理想郷からの造語。別名・飛騨の桃源郷と呼ばれ、自然休養村としての設備も万全だ(オールスキー場完全ガイド2000、立風書房)」最大斜度38度、最長滑走距離2,900m、最盛期にはリフト6本。

2022-23のラストシーズンにアルコピアに滑りにいかなければと思っていたが、安房峠を越えて飛騨まで出かけるのが億劫だった。しかし、本ブログでよくお世話になっている西濃にお住いのKさんから「早く行かないと雪がなくなっちゃいますよ あそこは…」といわれ、あわてて出かけた。

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(左)第1ゲレンデ上部から見たリーゼンコース。(右)ペアライナー乗場。

飛騨高山からはすぐ先だという記憶があったが、かなりの距離を南下せねばならず、モンデウスの方が位置的にも有利だったことを知らされる。アクセス道路の入口には派手な看板があり、ラストシーズンの平日1日券1,000円をアピールとしていた。訪れたのは休日だったけれど、リフト運転開始直後にもかかわらず、駐車場に多くの車があるのに驚いた。シニアの午前券(1,880円)で滑りはじめる。

朝のうちはまずまずの人出だったが、だんだん下部のピーチライナーはリフト待ちが出るほどの賑わいになった。緩斜面の第1ゲレンデは家族連れも多く、とても今シーズンが最後のスキー場とは思えない。それからはもっぱら上部のペアライナーを使って滑った。きょう稼働しているリフトはこの2本のみ。上部もチャンピオンコースは滑ることができず、もっぱらリーゼンコースで楽しんだ。

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(左)ペアライナー上部からジャイアントコース(本日滑走不可)を見おろす。

残念ながら雪質は良いとはいえない。固い人工雪がベースにあって、その上にやや重い新雪が数センチのっている感じ。足を取られたり、何本か滑っていると脚に疲れがくる雪質である。しかし、リーゼンコースはなかなか楽しく滑ることができた。今日の賑わいを見ると、これがラストシーズンとは思えなかった。(現地訪問:2023年2月)

【追記】2023年3月12日(日)が最終営業日とのことである。

2023年01月31日

和田峠スキー場(その3)(長和町)

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(左)ビーナスライン和田峠付近から山腹を見上げる。(右)スキー学校の建物は以前のまま残っていた。

先日、中山道の旧和田峠経由で三峰山までのスノーシューハイクを楽しんだ。その行程の最初の部分では、和田峠スキー場の脇を登ることになる。その後のゲレンデ跡がどうなっているかを見る機会にもなると考えていた。和田峠スキー場は本ブログで過去2回掲載しているが、冬季の記録がないのも気になっていた。しかし、スキー学校の建物も以前のまま、廃墟となって残っていたし、大きな変化は見られなかった。

一方、斜面に植林されたカラマツが生長して、ちょっと見ただけではここにスキー場があったとは思えない状態になっていた。ゲレンデ脇についたBCスキーのトレースをたどって標高を上げると、左手にゲレンデ上部の斜面が見えてきた。リフト直下の場所だったと思われるこのあたりは植林もされていないので、かつてのゲレンデの雰囲気を残しているように感じられた。

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ゲレンデ上部の様子。

こちらもご覧ください → 「和田峠スキー場(その1)」
             「和田峠スキー場(その2)」

2022年12月19日

北竜温泉ファミリースキー場(その2) (飯山市)

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(左)第1ゲレンデ・アクセス道への案内板。(右)ペアリフト下から見上げる。

野沢温泉にほど近い北竜温泉ファミリースキー場(北竜湖)は、2016年に第2ゲレンデが、2018年に第1ゲレンデがそれぞれ営業休止となった。飯山方面にでかけたついでに、いまはどうなっているのか再訪してみた。飯山付近もまだ雪は少なく、路面にも雪は見られない。

野沢温泉に向かう県道から第1ゲレンデに右折する箇所には、まだ案内看板が残ったままだった。狭い舗装車道をセンターハウスの脇まで進んでみる。白いセンターハウスも営業時と同様のたたずまいそのまま。そういえば、当初はセンターハウス脇にロープトウが設置され、練習用コースがあったはずだが、いまは野沢菜の畑になっているあたりだろうか。

予想に反して、正面に見えるペアリフトはまだ撤去されておらず、搬器も脇に重ねられていた。まだ、何らかの機会に動かすことを想定しているのだろうか。リフト乗場に掲げられている料金表や注意文言が郷愁を誘う。リフト脇のゲレンデはなかなかの斜度を見せている。

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(左)センターハウス。(右)リフト乗場の掲示。

細い山間の道を車で進み、少し離れた第2ゲレンデに向かう。いいやま北竜温泉・文化北竜館の脇にあるスロープが第2ゲレンデ跡。こちらはずっと前にリフトは撤去されている。気持ちよい斜面が山麓まで下っている。正面には関田山脈と戸狩温泉スキー場が見える。その山並にもまだ雪はさほど多くはなかった。

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(左)文化北竜館の脇から第2ゲレンデを見おろす。(右)第2ゲレンデ下から見上げる。

スキー場ガイドには以下のように紹介されていた。「(北竜湖スキー場)千曲川のゆるやかな流れを眼下に見おろす標高600~400mに15haが2つのゲレンデと、上級者向き1、中上級者向き1、中級者向き2、中初級者向き1、初級者向き1の6本のコースとなって展開する。」

「スリバチ状で底部も広く、初心者コース、講習ゲレンデが滑走コースと分離された安全性は、ファミリー、講習会に最適。標高が低いので気象の激変もなく、野沢温泉スキー場が近くにあるせいか混雑もなく、気楽に気安く滑れる穴場。スキー場開設は昭和37年。」(SKI GUIDE'86、山と溪谷社) (現地訪問:2022年12月)

こちらもご覧ください → 「北竜温泉ファミリースキー場(2018年5月16日)」

2022年10月27日

エコーバレースキー場(その2) (長和町)[2021~2023営業休止]

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(左)スキー場入口。(右)アンデルマットゲレンデ中腹から見下ろす。

エコーバレースキー場のホームページに2023シーズンも営業休止である旨、告知がなされている。これで2021シーズンから3シーズン連続での営業休止である。「弊社は2022-2023シーズンのエコーバレースキー場営業再開に向けて準備を進めて参りましたが、昨今の社会情勢の中、運営内容の見直しが困難と考え、この度エコーバレースキー場の営業を休止する運びとなりました」

「皆様の長年にわたるご支援ご芳情に心から感謝いたしますと共に、今シーズンも引き続き休業でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」前半の文章を読むと、もう復活の目はないかのような雰囲気も感じられてしまう。

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(左)アンデルマット上部は急斜面。(右)第1・第2リフト乗継ぎ場所。

秋晴れの1日。エコーバレースキー場の様子はどうか見たいと思い出かけた。ゲレンデ最下部には「今シーズンは休止しております。スキー場内への立ち入りはお断り」という掲示。しかし、幸いなことにスキー場の周囲を回るように「姫木平ハイキングコース」が整備されている。この登山道を歩きながら、ゲレンデの様子を見てみたいと思う。

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(左)第2リフト沿いに上部を見る。(右)スキー場上部は4つにセパレート。

レストハウス「ピステ」の前にある広い駐車場に車をとめる。バブル期にはこのだだっ広い駐車場も満車になったのだろうか。片隅にはハイキングコースの案内地図。林道がアンデルマットのゲレンデとリフト2本を横切るようにつけられている。その先では、第1・第2リフトの乗り継ぎ場所が林道脇にみられる。リフトの搬器は外されているが、準備すれば今冬の営業もできそうに感じられる。

スキーとは関係ないと思うが、その先では唐松の伐採作業が進められていた。大笹峰まで登り、北の耳、南の耳へとスキー場上辺の縁を南へ歩いていく。前方左手にはスキー場最上部の様子が見える。樹林によって4本にセパレートされたゲレンデとその上に第4・第6リフトの降場が見える。改めてスキー場の規模が意外と大きいことを知らされる。

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(左)第4リフトの真上から見下ろす。(右)登山道左下がスキー場最上部。第4・第6リフトの降場が見える。

最上部まで行くのにはリフト3~4本を乗り継がねばならず、いまとなってはそれが面倒にも見える。どこかの時点で長い高速クワッドなどに架け替えるなどということは考えられなかったものか。スキー場上部からは蓼科山や八ヶ岳連峰の姿を展望することができた。

スキー場ガイドには以下のように紹介されていた。「日本では珍しい谷間のスキー場。北向きの急斜面のアンデルマット第1ゲレンデからなる下部ゲレンデと、幅の広い変化に富んだ上部ゲレンデで構成されている。晴天率は80%で、標高が高いため、サラサラのパウダースノーが魅力。(以下略)」(「オールスキー場完全ガイド2000」立風書房)

最大斜度35度、最長滑走距離2,500m。直近のリフト本数は、クワッド1、トリプル3、ペア3。かなりの規模であった。10年程前だろうか、上田市在住の知人が「仕事が終わってから、よくエコーバレーのナイターを滑りに行く」といっていたのを思い出した。

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(左)第4リフト降場。(右)入口脇のゲレンデマップ。

こちらもご覧ください→「2020年12月03日 エコーバレースキー場」

2022年09月01日

緑の村御前荘スキー場(石川県白山市)

このスキー場のことを知ったのはスキー場ガイドに載っていたから(全国スキー場ガイド'92(山と渓谷社))。そこには「シングル1基(172m)、1コース、最大20度。白峰温泉の御前荘の前に位置するプライベートゲレンデ。リフトは1基と小規模ながら、じっくり滑りたいスキーヤーにはうってつけだ。1周7.5kmのクロスカントリーコースもある」と記載されていた。ナイター設備もあったようだ。開業・休業時期はわからない。

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(左)緑の村案内板。右上あたりに「リフト」の文字。(右)休業中の御前荘。

白山市の中心部から手取川沿いに遡った山奥の白峰にあり、以前本ブログで取り上げた白山白峰温泉スキー場とは至近距離。しかし、あらためこのスキー場のために出かけるには遠すぎる。と思っていたら白山に登山する機会があり、その帰路に立ち寄ることができた。

国道157号の白峰信号から県道33号に分岐。しばらく進むと、右手に「御前荘」「天望の湯」の入口を示す看板がある。いったんそれを通り過ぎた道の右側に「白峰村緑の村案内板」があった。よく見るとその地図の中に「リフト」の文字を発見。御前荘の奥あたりの斜面がスキー場だったことがわかった。

先程の分岐に戻り、一段上の各施設へと上って行く。しかし天望の湯の入口には「営業を終了させていただきました」という掲示があり、その上の御前荘も使われている様子がない。調べてみると御前荘、展望の湯、緑の村キャンプ場とも2019年4月より休業となってしまったようだ。かつてはこの地域を担う集客の中心地だったのではなかろうか。

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(左)放置されていた圧雪車。(右)ゲレンデと思われる斜面を見上げる。前方左にナイター照明が見える。

御前荘の上部(南側)の斜面がどうやらゲレンデだったらしい。脇の空地には「白峰高原上原スキー場」という文字のある壊れかけた圧雪車が放置されていた。斜面にはナイター照明もそびえていた。リフトが正確にどこにあったか、痕跡はよくわからなかった。各施設とも休業になっていて寂しい限り。この小さなゲレンデが賑わっていた時代を想像するのは、いまではなかなか難しかった。
posted by 急行野沢 at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 石川県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする

2022年08月20日

御嶽スキー場 チャンピオンゲレンデ復活(王滝村)

以前、本ブログでもレポートした御嶽スキー場のチャンピオンゲレンデが、来シーズンから復活するという。復活したら、滑りに行かねば。
 → https://www.snownavi.com/topics/news/news_220818/

以前のレポートはこちら
 → 「おんたけスキー場 チャンピオンゲレンデ」

2022年08月08日

霧ヶ峰沢渡スキー場(諏訪市)(その2)

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(左)前方木立あたりが斜面最上部。(右)リフト降場の跡地。

霧ヶ峰沢渡スキー場について、本ブログで取り上げたのはもう13年前のこと。そのときはリフトの残骸もしっかり残っていた。その後、軽い山歩きに霧ヶ峰には何回も訪れているが、いつの頃からかリフトが見えなくなっているような気がしていた。自信がなかったので、あらためて霧ヶ峰を訪問してみた。やはり、リフトは撤去され、スキー場の痕跡は感じられなくなっていた。

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(左)リフト上部から見下ろす。(右)沢渡への登山道から。斜面を横から見る。

車山肩から西方向の緩やかな丘に登って行く。前方の木立の脇にリフト降場があったはずだが、撤去されて何もなくなっていた。見おろす斜面は適度な斜度の草地である。いまでも降雪さえあれば快適な滑走ができそうだ。車山肩から沢渡へ下る登山道に入れば、左手にゲレンデ斜面を横から眺めるかたちとなる。電柱が続いているあたりが、リフトが架けられていた場所だと見当がつく。

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(左)斜面下部のユートピア山荘の横から。(右)下部から斜面を見上げる。

沢渡まで下り、草を掻き分けながら斜面の下部へと進む。「ユートピアハウス」という建物は、いまは使われているのかどうか、わからない。その近くにリフト乗場があったはず。しかし、リフト乗場もすべて撤去され、どこにあったかもよくわからない。見上げると快適な中斜面が広がっていた。夏休み中とあって、霧ヶ峰の広々とした景観の中、登山道を行きかうハイカーの姿も多かった。(現地訪問:2022年8月)

こちらもご覧ください → 「霧ヶ峰沢渡スキー場(2009年6月21日)」

2022年06月26日

鹿沢スキー場[その3](群馬県嬬恋村)

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(左)「鹿澤スキー場」の石碑。(右)第1ゲレンデ下。草木が茂っている。

久しぶりに角間山へ登山した。その途中に、鹿沢スキー場の跡地を通るので、現在のようすを知ることができた。以前の本ブログでも触れた通り、30年ほど前にホームゲレンデのようにして使っていたスキー場である。全体に草木が生い茂り、かつてここにスキー場があったことを示すものはほとんどなくなっていた。ただ、自然に帰って行くのなら、それはそれでいいように思えた。

県道74号線脇の駐車スペースに車をとめる。道の西側には「鹿澤スキー場」と書かれた石碑が健在。群馬県出身の当時の首相・福田赳夫の名前がある。少し登るとゲレンデの最下部に出るのだが、リフト乗場やその傍らにあった小屋の痕跡はまったくなくなっている。第1リフトの切り開きやゲレンデの跡も、草木に覆われて、もうわからない。

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(左)第1ゲレンデの痕跡?(右)第1リフト終点があった場所。

ゲレンデやや左に付けられた登山道を登ると第1リフトの終点だった場所に出る。かつては食堂などが入ったロッヂがあったけれど、いまはあずまやが建てられている。右手には角間山の山容が見える。正面の斜面が第3ゲレンデだった場所。第3リフトの切り開きの跡は、はっきり見ることができた。

右手の林道は第2ゲレンデを結ぶ連絡コースになっていたところ。進んだ先は第2ゲレンデの下部のはずだが、そのあたりもスキー場の痕跡はなく、レンゲツツジの花が咲き誇っているだけだった。(現地訪問:2022年6月)

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(左)あずまやから正面に第3ゲレンデ。(右)第2ゲレンデ下部付近。

こちらもご覧ください→「鹿沢スキー場(2009年3月22日)」

2022年05月26日

那須温泉ファミリースキー場(栃木県那須町) 

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(左)ゲレンデ下から第1ペアと茶臼岳を見上げる。(右)路側にある駐車場。

本年1月の新聞報道で、那須温泉ファミリースキー場の営業が休止されることがわかった。「那須町は27日の定例記者会見で、湯本の町営スキー場『那須温泉ファミリースキー場』の営業を3月末で休止すると発表した。老朽化したリフトなどの修繕費が確保できないと判断した。今後は年間を通した誘客施設への転換に向け、跡地の活用法を検討する」とのこと(下野新聞)。

1961年に町営のスキー場として開業。1970~80のピーク時には毎年5万人ほどの利用者がいたが、近年は客足が減少。小雪だった2019年には1日もリフト運行ができなかった。今年3月にはリフト券とソリパークが無料となり、抽選会もある大感謝祭が開催された。

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(左)休暇村。(右)休暇村からゲレンデへの砂利道。駐車場は右側階段下。

私は1994年1月に一度だけ滑りに訪れたことがある。職場の仲間と東京から出かけ、1日目は羽鳥湖で滑って那須国民休暇村で宿泊。2日目は赤面山(白河高原)あたりに行く予定だったが、ひとりが体調を崩してしまい近場で軽く滑って帰ることになった。

休暇村のすぐ目の前にあり、当時は那須岳スキー場という名だったのではないだろうか。そのときはあまり積雪が多くなくて、雪質はあまり楽しめるようなものではなかった。緩斜面中心のリフト2本のコンパクトなファミリースキー場であり、じっくり滑るというよりは仲間で雪遊びするような感じで半日を過ごした。茶臼岳を間近に眺める素晴らしい景観が記憶に残っている。

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(左)ゲレンデ下にあるセンターハウス。(右)第1ペア乗場。

スキー場ガイドには以下のように紹介されていた。「茶臼岳南斜面山麓に開かれた那須温泉ベースのファミリー向きゲレンデ。首都圏から日帰り可能な距離にある」(オールスキー場ガイド2000、立風書房)直近ではペア2基、スノーエスカレータ1基を備えていた。

2017年3月に付近で発生した雪崩事故が記憶に新しい。春山登山講習会に参加していた高校生ら8人が亡くなった。スキー場のすぐ近くで発生したもので、大きな衝撃を受けた。そんな事故も暗い影を落としていたのだろうか。那須連峰を眺める景観だけでも、清々しい気分にさせるゲレンデであったが……。

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(左)ゲレンデ下から第1ペア上部を見る。(右)ソリゲレンデ。

5月にあらためて現地を訪問してみた。那須ICから茶臼岳のロープウェイを目指す。硫黄の匂いが漂ってくる。平日なのに殺生石あたりは。それなりの観光客の姿が見られた。休暇村の建物を左手に見ると、すぐに左側路側に駐車場があり、「那須温泉スキー場・駐車場」の掲示。車をとめて左手の階段を上ると、休暇村とゲレンデをつなぐ砂利道に出る。右手にわずかに歩くとゲレンデ下に出た。

ペアリフト2基はいずれも搬器が付いたままで、いまにも動きそうである。正面には茶臼岳がそそり立っている。左右に振り分けられたゲレンデはいずれも緩斜面だが、全体を見渡せるゲレンデレイアウトはファミリーゲレンデとしては最適だっただろう。茶臼岳に上っていくロープウェイの姿が見えた。小雨混じりの天候が、周囲の新緑をいっそう際立たせていた。(現地訪問:2022年5月)

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(左)第2ペア乗場。
posted by 急行野沢 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 栃木県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする