2025年02月16日

[ラストシーズン] 村上市ぶどうスキー場 (新潟県村上市)

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(左)ゲレンデ直下の駐車場。(右)スキーセンターラビット前、第1ペア乗場。

ぶどうスキー場が今シーズン限りで閉鎖されることが報じられたのは昨年6月。「村上市は唯一の市営スキー場『ぶどうスキー場』を、2024~25年シーズン限りで閉鎖する。高橋邦芳市長が7日、市議会の一般質問に答えて明らかにした。利用者の減少やリフトの老朽化、従業員の確保が困難なことなどが理由。閉鎖後はリフトや建物などを撤去し、元の状態に戻す方針だ」(新潟日報2024年6月8日)

2013シーズンにはリフト運行無届という理由で営業休止した。さらにその後、2020・2021の2シーズンに渡り、雪不足やコロナで営業を休止した(→本ブログで以前レポート)が、その後は再開していた。私は動向が気になり、私は2014年1月に一度だけ、はるばる長時間をかけて滑りに訪れたことがある。

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(左)クラシタ山ゲレンデ最下部からスキーセンター付近を見おろす。(右)第2ペア乗場の少し上、くらしたロッジ(パトロールセンター)。

そのときは隣県である新潟県内のスキー場を踏破しようという意図もあったが、前シーズン営業休止だったためこのまま閉鎖になってしまうことも危惧していた。訪れてみるとリフト2本だけのローカルゲレンデという先入観とは裏腹に、滑りごたえのあるゲレンデで驚いた。中上級者が楽しめる斜面が多くて楽しかった。ゲレンデ上部からの展望も素晴らしかった。

ゲレンデガイドには(合併前は旧・朝日村にあったため)「朝日村ぶどうスキー場」として紹介されている。「新潟市外のシティゲレンデ。新潟市と山形県鶴岡市の中間点、ともに車で1時間40分の距離。中上級向きコース3本とビギナーコースは1本。コンパクトながら変化に富む。(中略)ナイター火水木金土のみ営業」(オールスキー場完全ガイド2000、立風書房)

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(左)パノラマゲレンデ。(右)ゲレンデ最上部。第2ペア降場。

シティゲレンデと呼ぶには新潟市からかなり距離があるけれど、当時は連日ナイター営業が行われるほど、賑わっていたのだろう。来シーズンから閉鎖という話なので、ぜひその前に一度滑りに行きたいと思っていたが、ついに意を決して遠出してみた。現地に到着したのは平日の昼過ぎ。20台ほどしかとめられないゲレンデ直下の駐車場にも空きがあった。2時間券を購入。

平日とはいえ、スキー客の姿はごく少ない。ひととおりゲレンデを滑ったところでは、来場客は10数人程度ではないだろうか。積雪は十分だが、少し前に小雨が降っていたほど気温が高いため雪が重く、コンディションは良くなかった。ただ、前回訪れた時に感じたようにゲレンデ構成はやはり素晴らしい。上部のパノラマゲレンデやクラシタ山ゲレンデなどを楽しく滑ることができた。

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(左)パノラマゲレンデ上部からみおろす。(右)ゲレンデ内にあったマップ。

ふと感じたのは、それなりに滑れる人には楽しいゲレンデだけれど、初級向けの斜面が少ないのでファミリー層などの集客は難しかったのかなという点。また、国道7号線沿いにあるとはいえ新潟市あたりからも少々遠いような気がする。そのあたりが難があったのだろうか。しかし、ロコな雰囲気は捨てがたいし、滑って楽しいスキー場なので、今シーズン限りというのはいかにも残念だと感じた。(現地訪問:2025年2月)

[追記]
2025年3月9日(日)をもって、惜しまれながら歴史に幕をおろした。

2025年02月08日

[リニューアル?]The きじまスノーパーク (旧 牧の入高原スノーパーク・中野市)

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(左)案内板。(右)遠景のゲレンデ。左・ロマンスの神様、右・The きじま。

いままでの木島平スキー場が「スノーリゾート ロマンスの神様」と名前をかえた。ずいぶん思い切った名称変更だなぁと思ったが、美容クリニックの関連会社となり「日本一女性と子供に優しいスキー場を目指して」というキャッチフレーズを掲げている。先月滑りに行ったときには、ゲレンデ脇にDJブースが設置されておしゃれな雰囲気は感じたが、ゲレンデそのものには大きな変化があるはずもなかった。

そのとき気になったのが、かつては来場者のかなりの割合を占めていたポール派のスキーヤーたちはどこへ行ってしまったかということ。おしゃれなスキー場へと舵を切ったことで、ストイックに練習に励む少年たちの姿は少なくなっていた。ところが、隣接する(かつての)牧の入高原スノーパークがその練習場所としての受け皿になっているのではないかと思う。

旧牧の入高原スノーパークは2010シーズンにいったん営業休止。その後、再開したり休業したり。いつ行っても人が少ないことには変わりなかった。
 この間のようすはこちら → 「[再開]北信州牧の入スノーパーク」参照

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(左)スキー場直前の案内板。(右)第3ペア下。

その後どうなったのかと思っていたら、今シーズンから「The きじまスノーパーク」と名前をかえ、1日100人までの入場制限により「必ず空いているスキー場」をウリにしている(ただし、ポール練習をするアルペンスキーチームは人数から除外)。バーンやポールのレンタルも行われ、大会も多く予定されている。リフトは3本稼働。リフト料金も比較的格安。

なぜ「きじま」という名前にしたのか。「牧の入」ではどこにあるかわからない、ということなのかもしれないが、隣接する旧木島平(現・ロマンスま神様)と紛らわしい。「ロマンスの神様」のHPには「当スキー場は入場制限しておりません」と掲示されているから、両者を混同する人もいるのだろう。名前はともかく、役割分担がうまくなされればいいと思う。

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(左)第1クワッド・第2ペア。(右)ゲレンデ下の建物群。ほぼ営業してない。

平日の夕刻、現地を訪れてみる。最初、左側の第3ペア下に行ってみる。リフトは稼働しているが、来場者の姿は見当たらない。第1クワッド方面へは除雪されていないので、少し下から上りなおす。第1クワッド周辺には、10人ほどが練習に励んでいた。ゲレンデ下のセンターハウス(食事処サンライズ・高社山ロッヂ)は営業していたが、周辺の他の建物はひっそり。午後4時近くになり、滑っていた少年たち人が第5駐車場へと戻って行くところだった。(現地訪問:2025年1月)

2025年01月22日

母袋温泉スキー場 営業休止

岐阜県の母袋温泉スキー場は、何となくロコな雰囲気が感じられて一度滑りに行きたいと思っているが、このところ雪不足でスキー場の営業ができないでいる。今シーズンも12月28日に早々とワームページ上で以下のように営業休止が告げられた。

「年々暖冬が続き、雪不足で営業出来ないシーズンが続いておりましたので、今シーズンのスキー場営業は中止を決めましたのでよろしくお願いします。団体様冬季キャンプのみ受付しております。(後略)」

冬季キャンプをやっているということは、積雪さえ十分にあればスキー場営業は行えるように思える。いつか滑りに行けるかな~

2024年12月15日

だいくら 高畑 2031年閉鎖へ

南会津町の「たかつえ」「南郷」「だいくら」「北日光・高畑」の4つのスキー場のうち、「だいくら」「北日光・高畑」の2つが2031年3月末で閉鎖されることが報じられた(福島民友ほか)。利用者の減少や経費が町の財政を圧迫していることが閉鎖の理由とのこと。

「たかつえ」は規模も大きくて存続は当然という気がするが、「だいくら・高畑と同規模の南郷がなぜ生き残るのか」は少々気になるところ。記事によると「季節雇用が多く、地域貢献度が高い」ということらしい。

2031年はまだ先の話という気がするものの、南会津のスキー場をぜひ、この間に訪れてみたいという気になった。以前訪れた記憶によれば「たかつえ」以外は、ロコな雰囲気が捨てがたい、魅力的なスキー場だったと思う。付近では、「箕輪」「羽鳥湖」も今季、営業休止の見込みである。
posted by 急行野沢 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 福島県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする

2024年10月28日

営業中止のスキー場

なかなか遠隔地まで営業中止のスキー場を訪れることができないでいるけれど、昨今営業休止が判明したスキー場は以下の通りと思われる(関東甲信越とその周辺のみ、すでに本ブログで取り上げたものは除く)。
・マウントジーンズ那須(栃木) 2024年3月で営業終了
・グランディ羽鳥湖スキーリゾート(福島) 今シーズン営業休止
・Blue Resort MINOWA(箕輪スキー場・福島) 今シーズン営業の見通し立たず→今シーズンの営業断念
・村上市ぶどうスキー場(新潟) 今シーズンがラストシーズン

あと、先行き不透明なのが、「Mt.乗鞍スノーリゾート」。
クラウドファンディングにより、運営資金のめどが立ったとのことだが、スキー場を運営するのには資金だけあればいいということではないと思うので、今シーズン営業にこぎつけられるか。
→10/30営業継続が決定したとネット上で公表された。
posted by 急行野沢 at 12:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京周辺 その他 | 更新情報をチェックする

2024年05月29日

スノーパーク面白山(山形県山形市)

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(左)コスモスベルグの上部から見おろす。

古いスキー場ガイドに「シーズン中、車では行けない。アクセスは鉄道のみ。仙山線面白山高原駅からリフトにすぐに乗れる」とあった。「面白山」の名前とともに、車で行けないという点に興味を持っていたが、遠隔地にあたるので足を運べないでいた。そしてその後、2009年度から営業を休止した。営業最後の頃は来場者も少なかった様子で、車で行けないことがデメリットになったのかもしれない。

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(左)仙山線・面白山高原駅。(右)一段上がったところから駅を見おろす。

リフト故障を発端として、その後、東日本大震災などを経て営業が再開されないままになっている。営業当時の利用者は、多くは仙台方面からだったようだ。ペアリフト4基が直列に架かり、ロープトゥも設置されていたらしい。駅前からのリフトを1本乗った上がメインゲレンデだったのではないだろうか。最大斜度35度、最長滑走距離2km。かなり奥行きがあるスキー場だったようだ。

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(左)券売所・更衣室などを兼ねていた案内所。左奥に第1ペアリフト。(右)草木に埋もれた第1ペア乗場。

東北方面に出かけた際に、時間をみつけて面白山を訪ねてみた。山形から仙山線に乗って30分弱、ずいぶん山深い所に入ってきたと思う頃、面白山高原駅に到着。片面ホームには八角形の待合室がある。意外なことに、登山帰りなのか、ホームには数人の乗降客が見られた。もう少し開けた地形で上部ゲレンデまで見渡せるのではないかと想像していたが、駅周辺は意外と山に閉ざされた雰囲気だ。

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(左)第1ペア中間付近。(右)コスモスペア下には数軒の建物。

ホームから階段を登ると、そこにリフト券売場などを兼ねた案内所の建物があり、そのすぐ左にすっかり草木に埋もれている第1ペアリフトの乗場があった。右手の舗装道を進むと、その脇には数軒の宿泊施設。さらに登って行くと、道は搬器をつけたままの第1ペアの下をくぐり、数軒のレストハウスや宿泊施設などの廃墟があるメインゲレンデの下に出た。

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(左)コスモスペアの下から見上げる。(右)荒廃したコスモスペア乗場。

「コスモスベルグ」の看板があり、季節にはコスモスの花が咲き乱れると思われる斜面が広がっていた。ここがメインゲレンデだったのだろうか。右手には崩れかけた小屋の脇にコスモスペアの乗場がある。コスモスペアも樹林の中に埋もれ気味で、途中までしかその姿を見通せない。コスモスベルグの上部まで登ってみたが、その先はこの季節ではゲレンデらしき痕跡をはっきり見通すことはできなかった。

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(左)コスモスベルグの下から見上げる。(右)コスモスペア中間部分。

今日は残念ながら、この先、ゲレンデ最上部までたどってみる時間はない。上部の第2・第3ペアとそれに沿うゲレンデのようすは、樹林に埋もれていて、ここからではよくわからなかった。営業休止から数10年という時の流れを感じざるをえない。最上部の木々の間に微かに第3リフトを認めることができた程度。あきらめて駅まで下り、次の仙山線の列車に乗り込んだ。

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(左)コスモスベルグの最上部から上部の斜面を見上げる。右奥のピークあたりがゲレンデ最上部だろうか。(右)木々の間から上部の第3ペアの支柱。
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2024年03月06日

赤沢スキー場(群馬県みなかみ町)

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(左)第1リフト下。雪不足のため、雪を運んでいた。(右)そり広場とロッジ。

今シーズン限りで廃止されることが決まっているみなかみ町営赤沢スキー場。すでに同スキー場のホームページには、廃止を惜しむ声が数多く書き込まれていて、いまさらこのブログで取り上げるのもはばかられるほど。かつて(みなかみ町合併前)は「新治村営赤沢スキー場」を名乗っていた。

一度だけ、2001年1月に滑りに来たことがある。マイナーなローカルゲレンデに出かけてみようかという魂胆だったと思う。静かなスキー場だったというぼんやりした記憶しかないけれど、20本以上滑ったと記録にあるから、それなりの滑りごたえは感じたのだと思う。帰路には国道17号沿いの温泉施設「テルメ国境」に立ち寄ったが、こちらもずいぶん前に閉館となっている。

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(左)ロープトウのあるゲレンデ。(右)ロープトウのゲレンデ上部から。

スキー場ガイドブックには以下のように紹介されている。「新潟県との県境三国峠の手前に位置する。シングル2基に、初級者向きから最大33度の上級者向き斜面までの4コースを備える。近くに法師温泉や猿ヶ京温泉などがあり、落ち着いた静かな景観」。シングルリフト2基の他にポーラーリフト(ロープトウ)1基。(「オールスキー場完全ガイド2000」立風書房)

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(左)第1リフト。(右)第2リフト乗場と上級コース。

最後の営業シーズンに一度足を運ばなければと思っていたが、2月中旬から雪不足のために休業となってしまった。3月初旬に営業再開となったのであわてて出かけた。稼働しているのはロープトウと第1リフトだけで、第2リフトは動いていない。しかし、いつまた休業になるかわからないので贅沢はいっていられない。

国道17号から左折して法師温泉に向かう。途中、「赤沢スキー場 営業中」の看板があり安心する。ゲレンデ下の駐車場には20数台の車があってそれなりの人が訪れているようだ。駐車場から見上げると、左に第1・第2リフト沿いのゲレンデ、その右に食堂や券売所などか入ったロッジとそり広場、さらにその右にロープトウがあるゲレンデ。ロープトウを使うときは、久しぶりなので少々緊張した。

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(左)第1リフト上部から。(右)第2リフト乗場。

ロープ沿いと第1リフト沿いの斜面を数本滑ったが、ちょっと距離が短すぎる。やはり第2リフトにも乗りたかった。第1リフトで滑っているのは5人ほど。その他50人ほどは家族連れで、ロープトウでのスキーの基礎練習やそり遊びに興じていた。小さな子ども連れのためのゲレンデという側面が大きい。ソリ広場の脇にカマクラもつくられていたけれど、それもローカルゲレンデならでは。

こんな静かなローカルゲレンデは好ましく感じられるが、営業的には成立しないのだろう。場内の各所に「44年間のご利用、ありがとうございました」と掲示されていた。44年という歴史は老舗スキー場などに比べるとさほど長くはないと感じられるが、地域産業振興に寄与するために開発され地域に根ざしたスキー場であった。多くの人々の記憶に残り続けるのだと思う。(現地訪問:2024年3月)

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(左)食堂内。(右)パンフレットのゲレンデマップ。

*3月10日(日)が最終営業日となり、44年の歴史に幕を下ろした。
 なお、3月9日・10日は雪も降り、第2リフトも稼働したとのこと。

2023年12月18日

Mt.グランビュースキー場(新潟県南魚沼市)[2024シーズン営業休止]

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(左・右)メインゲレンデ(いずれも2013年1月訪問時)

このスキー場で滑ったのは過去2回。最初は「スポーツ振興石打」の名前だった1991年2月。スキー人口が多かった時代で、ここもそれなりに賑わっていたと記憶している。2回目は、グランビューと名前を変えた後の2013年1月。その頃には、もうずいぶんさびれていて「怖いもの見たさ」のような感じで訪問した。そのときから、もう10年も経過している。

2013年訪問時の記憶は鮮明。連絡リフト的な宮野下リフトの乗場の小屋でリフト券を買おうとしたら、窓口にいたのは赤ちゃんを寝かしつけている若いお母さん。渡されたリフト券は使い古したものの再利用。連絡リフトに乗って上ったところがメインゲレンデ。しかし、そこで稼働していたのは、第6・第3の古びたシングルリフト2本だけだった。

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(左)連絡リフト乗り場。(右)手渡されたリフト券。(いずれも2013年1月)

メインゲレンデ沿いにロッジが点在していて、ヨーロピアンテイストのスキー場というのが最盛期にはウリだった。しかし、2013年に訪問したときには、そのロッジの多くは廃業し、壁が崩れたり窓が割れたりしていて、悲しい気持ちになった。ゲレンデ整備もいまひとつ。日曜日なのに、滑っていたのも数人に過ぎなかった。

グランビューというだけあってゲレンデからの展望は素晴らしかった。適度な中斜面で、整備が行き届いていれば、中級者以上には快適に滑れるゲレンデだと思った。しかし、状況を見ると、あとどのくらい維持できるのかと思わざるを得なかったが、その後意外と長く続いていた。しかし、どうやら2024シーズンの営業は休止となったようで、新潟県観光協会のサイト「にいがた観光ナビ」にその旨が掲示されている。

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(左)第6リフト終点と上部の第3リフト。(2013年1月)

「スポーツ振興石打」の時代には、スキー場ガイドに以下のように掲載されていた。「夏越山山頂からは八海山・谷川岳・当間山を一望でき、眺望はバツグン。スキー場全体は山頂部が広大なビギナー向き、その下が林間の中・上級者向きという構成。(中略)ゲレンデ内に多くのロッジが点在し、宿泊にも休憩にも便利なホノボノムードの穴場的スキー場」(立風書房「オールスキー場ガイド2000」)

最盛期にはシングルリフト8基を備えていた。最長滑走距離3,000m、最大斜度32度。塩沢石打ICから3kmとアクセスは悪くない。石打大和~スポーツ振興石打~Mt.グランビューと名前を変えているが、施設などはほとんど刷新されることなく、いまだにシングルリフトだけしかない稀有なスキー場でもあった。

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(左)連絡リフト乗り場。(右)乗場前の事務所らしき建物。

気の早いスキー場はもうオープンしはじめた11月の終わりに、あらためてグランビューを訪れた。10年前と印象は変わらない。駐車場などへの明確な案内板は少ない。やや廃墟化した木造の事務所らしい建物の前を過ぎると連絡リフトの乗場。搬器を外したシングルリフトが架かっている。まだ、積雪のない道を車で上がって、メインゲレンデの下に行ってみる。

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(左)メインゲレンデ。左側にシングルリフト。(右)連絡リフト降場。

メインゲレンデ左手には搬器をはずしたシングルリフト。ゲレンデボトムにある、このゲレンデの中心的な存在のホテルなど、全体的に少し整備し直した雰囲気も感じられる。しかし、シーズンに向けて準備をしている雰囲気は見られず、圧雪車も所在なさげに見えた。見上げるゲレンデは、幅広で気持ちのよさそうな斜度。折しも雪が激しく降ってきたため、自慢のグランビューは楽しむことができなかった。(現地訪問:2013年11月)

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(左)メインゲレンデ下のホテルなど。(右)メインゲレンデを見上げる。

2023年09月27日

木曽駒高原スキー場[その3](木曽町)

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(左)入口の案内板。(右)ゲストハウス。かつてはスキー場のセンターハウス。

2006年以降、営業中止となった木曽駒高原スキー場。木曽駒ケ岳方面への登山口(コガラ登山口と呼ばれる)にあたるため、その関係でその後に何度か訪れたことがあった。周辺には何軒か、ペンションが残っていたが、寂しい雰囲気だった。ところが今回、木曽駒ケ岳登山のためにこの地を訪れたのだが、日曜日ということもあってか、オートキャンプ場として多くの人で賑わっていたので驚いた。

「木曽駒高原冷水公園(木曽駒ケ岳登山2合目入口)」という案内板を過ぎて進めば、かつてのスキー場のセンターハウスにはGUEST CENTERという看板。キャンプの人たちのため、きれいなトイレや売店・キッズスペースなどが用意されているようだ。その周辺にもオートキャンプの車やテント。さらに上がったペンション周辺から登山口周辺にかけて、両側には車やテントが所狭しと並んでいた。

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(左)かつてのゲレンデ内の道の両側はキャンプサイト。(右)一角に登山者用駐車場。いっぱいでここにはとめられなかった。

「登山者駐車場」の一角もあったが、すでに車でいっぱい。少し下のスペースに駐車し、登山を開始した。それにしても、この変化はどういうわけなのだろう。ネットなどの情報によれば、365日24時間、無料で使える、管理者のいないキャンプ場として、人気が高まっているらしい。この土地を購入しようとする外国資本から水源を守るために「木曽駒冷水公園」をつくり、場内を整備していったらしい。

スタッフ不在とのことで利用者のマナーが問われるところだろうが、一見したところでは大きな問題はないように思えた。ちなみに翌、月曜日に下山した際には、人の姿はまばらで閑散としていた。かつてのスキー場がこのように変貌していることに驚くとともに、水源を守るための取り組みの重要さを感じた。(現地訪問:2023年9月)

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(左)かつてのスキー場の中腹あたり。何箇所もキャンプサイトが整地されていた。(右)木曽駒ケ岳へのコガラ登山口。

こちらもご覧ください → 「木曽駒高原スキー場[その1]」

2023年07月14日

輪島市営三井スキー場(石川県輪島市)[営業休止中]

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(左)県道の駐車スペース。(右)細い舗装道をのぼる。

輪島市の市街地から山間部に入ったところにある三井(みい)スキー場。5年ほど前から営業を休止しているらしい。「奥能登唯一のスキー場である輪島市営三井スキー場(同市三井町小泉)は6日までに今季の営業を見送ることを決めた。リフトが故障した上、管理を担う市スキー協会員の高齢化で人員確保がままならなかった。」(北國新聞2022年1月7日)

営業休止は2018年度から5期連続。雪不足が続き、新型コロナの影響もあったという。1980年開設のゲレンデは全長300mのコースがひとつだけ。市スキー協会のボランティアで運営されていて、平日はナイターもあったらしい。最盛期には学校の授業や家族連れでにぎわい、シーズン3,000人を超える利用者がいた。

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(左)細道を登るとゲレンデがあらわれる。(右)ゲレンデ脇の小屋。

近くの黒川温泉スキー場を訪れた足で、こちらも訪問してみた。能越自動車道の「のと里山空港IC」を出て、県道1号線(七尾輪島線)で輪島の市街地に下って行く途中にある。比較的交通量の多い幹線道路の右(東)側の一段高い崖の上のような場所にある。どこから上がればわからないまま、しばらくあたりをうろうろしてしまった。

県道脇の駐車スペースのある場所から細い舗装道を上って行くとスキー場の建物とロープトウの機械があらわれた。見上げる斜面にはごく短い緩斜面があるだけ。トップに向かってゲレンデ右端にロープトウが設置されていた。その右側の小屋は営業時には休憩場所になるのだろうが、いまは草に覆われはじめていた。規模からすると、地元の子どもたちの練習やソリ遊びの場であるような印象を受けた。

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(左)ゲレンデ全体を見上げる。(右)カバーで覆われたロープトウの機械。

地元の地理感に乏しいものにとってはわかりにくい場所にあるが、輪島市街地からは10kmほど、車なら15分ほどの距離である。輪島やその周辺の人々にとっては手近なゲレンデだったのだろうと思う。能登方面も近年は積雪が非常に少なくなっているようなので、このスキー場の営業も今後どうなって行くのか、予断を許さない。(現地訪問:2023年6月)

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(左)ゲレンデ中腹から見おろす。
posted by 急行野沢 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 石川県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする