2017年04月29日

ゲンゼスキー場(京都府福知山市)

前回の大江山に引き続き、京都府北部の廃スキー場のレポート。今回取り上げるのは福知山市(旧夜久野町)北西部にあったゲンゼスキー場。「現世」という何やら謂れのありそうな名の集落に所在している。ガイドブックの掲載を見たことがない。ネット上のいくつかのサイトにより、「1951年(昭和36年)に開設された、小規模ながらファミリー向けの穴場スキー場」ということがわかった。ナイター施設もあったようだ。

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(左)現世バス停。(右)現世バス停付近からゲレンデを見る。

また、2001年3月の両丹日日新聞には「……2001年度に閉鎖されたゲンゼスキー場跡地を拠点に地域活性化の取り組みを続けている。ゲレンデにサクラなど約1200本を植樹し、山の駅の整備を目指しており……」とあるから、閉鎖は2001年度と思われる。やはりこのスキー場も積雪が少なくなったことが閉鎖の要因らしい。道路網の整備などで他のスキー場へと客足が移り、利用者が減り営業停止が続いて閉鎖に至ったようだ。

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(左)レストハウスと思われる建物。(右)ゲレンデ全体を見上げる。

福知山市街から国道9号を西に進み中夜久野郵便局前で但東方面へ右折、板生川に沿う府道56号を登っていけば、やがて現世の集落に至る。市営バスの現世バス停がある場所を右折すれば、前方にスキー場のレストハウスらしき建物が見える。スキー場の案内標識などはいまはすべて撤去されたようだ。舗装された狭い道を上れば建物の前に出る。駐車場らしきものは近くには見あたらない。府道沿いなどに車をとめたのだろうか。レストハウス前がスキー場の最下部にあたるようだ。

建物の前からゲレンデを見上げると緩やかな斜面が広がっている。リフトが1基あったはずだが、撤去されたようで、どこにあったのかもよくわからない。 下部は畑地になっているが、少し上からは前述のように桜の木が植栽されている。目を引くのはゲレンデ左右に立っているナイター用照明灯。ナイターがこのスキー場の売りだったようだ。

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(左)ゲレンデ中腹からレストハウス付近を見おろす。(右)ゲレンデ左側のナイター照明灯。桜の植林がおこなわれている。

レストハウスの中には貼紙が見えた。そこに書かれていたのは「リフト料金表 1日券1,500円 半日券1,000円」「お願い ナイター営業日を以下の通り変更しますのでご了承ください。金・土・日曜日午後6時〜午後9時まで」「ナイター料金 1人1,000円 小学生500円」「日曜祝日は混雑いたしますのでお荷物は放置しないで一時預かりまたは各自の車に片付けてください」など。往時の賑わいが感じられた。

周辺に人がいたら昔のスキー場の様子を聞きたかったが、屋外に人の姿は見あたらない。あたりはのんびりした山間の小集落の風情である。ナイタースキーで賑わいを見せた時代とのギャップを感じざるを得なかった。(現地訪問:2017年3月)

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(左)ゲレンデ片隅の杉の根元には古い祠が佇んでいた。

2017年04月07日

大江山スキー場(京都府宮津市)

大江山スキー場の閉鎖については、昨年11月の京都新聞で報道された。「積雪不足で経営悪化…京都府宮津市は18日、1953(昭和28)年に開設した同市小田の大江山スキー場を閉鎖すると発表した。今季の営業は行わず、63年の歴史に幕を下ろす。近年の積雪不足などで経営が悪化していた」という。

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(左)大平ゲレンデの下部から見上げる。(右)大平ゲレンデ下部にあるレストハウスなどの建物。

同スキー場は福知山と宮津を結ぶ府道の普甲峠を挟んで、東側に長さ400mの大平ゲレンデ、西側に長さ800mの大笠ゲレンデがあった。それぞれにシングルリフト1基ずつが架かり、レストハウスなども備えていた。例年の営業期間は12月から2月。地元の小学校のスキー教室を開くなどして親しまれてきたという。ここ数年の暖冬による雪不足で営業日数は毎年1ヶ月前後。前シーズンも営業開始は1月23日までずれ込み、入込客数はわずか1,576人。記録に残る中で最高だった2005年度の12,890人から大きく落ち込んだ。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されている。「眼下に天の橋立と日本海を望む絶景のスキー場。道路を挟んで大平ゲレンデが初・中級向け、大笠ゲレンデが上級向けと二つに分かれる。ナイターは毎日18〜21時」。連日ナイターがあったというのも、いまとなっては驚きだ。

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(左)大平ゲレンデのリフト乗場。(右)大平ゲレンデ中腹から見おろす。前方に大笠ゲレンデが見える。

関西で所用があったので、少し足をのばして福知山市街から大江山を目指した。国道9号から175号へ。途中、「大江山スキー場 直進あと18km」の看板も見られる。府道9号へ左折し旧大江町に入り元伊勢内宮を過ぎる。道脇には何箇所かに鬼の立像が見られる。大江山といえば、鬼(酒呑童子)の伝説が有名。この地が京の都の後背地であることに想像をめぐらす。峠道を登りつくせば、道の左右にゲレンデが広がっている。

今シーズンから閉鎖ということなので、スキー場はまだ現役のままのような状態だ。右に道が分岐し。その脇には思っていたよりも広い駐車場があった。入口の小屋には「有料駐車場 乗用車1,000円」などの掲示も残っている。県道東側の大平ゲレンデの下にはレストハウスやレンタルスキーの建物などかあり、リフト券売場やリフト施設もそのまま。ただしリフトのチェアは外されていた。見上げるゲレンデは初中級者には快適に滑れそうなバーン。ナイターの照明灯が立ち並んでいる。

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(左)大笠ゲレンデ下部から見上げる。(右)大笠ゲレンデのリフト乗場。

西側に広がる大笠ゲレンデは、リフト沿い・右・左と3つのコースが見てとれた。こちらは結構な斜度で滑りごたえがありそうだ。ゲレンデ下にはヒュッテが1軒。ゲレンデ構成や施設を見ても、積雪に難がなければ充実したスキー場だったのにと思う。

地域によってはまだ営業しているスキー場も多い3月下旬だが、見上げる斜面には日陰にわずかに雪が残っている程度だった。連日ナイターがあったというが、どのあたりからのスキーヤーが通ったのだろうか。日本海を遠望できるのかもしれないが、今日は雲に霞んではかばかしい展望は得られない。ただ、どこまでも続いている丹後の山並はしみじみと何かを語りかけてくるようだった。(現地訪問:2017年3月)

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(左)大笠ゲレンデの中腹から見おろす。道路を挟んで前方に大平ゲレンデが見える。