2018年04月26日

草津国際スキー場 本白根ゲレンデ・白根火山ロープウェー(群馬県草津町)

本年1月23日、本白根山鏡池付近が噴火。草津国際スキー場で自衛隊員1名が亡くなり、大勢が負傷するなどの被害が発生した。営業ゲレンデの目の前での噴火に衝撃を受けた。火口周囲2kmが立入規制区域となり白根火山ロープウェイと振子沢・清水沢コース、本白根ゲレンデとペアリフト2本が閉鎖となった。なお立入規制区域は3月16日に1kmに縮小されたが、4月22日には火山性地震により、今度は草津白根山湯釜火口付近が半径1kmで立入禁止規制。国道292号も一部通行止めとなっている。

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(左)殺生クワッドから見た山頂方面と右手に青葉山ゲレンデ。(右)ロープウェイ乗場。これより上部は閉鎖中。

最初の噴火の後、草津村長により上記ゲレンデを廃止する方針が明らかになった。1月24日には山麓部の天狗山・御成山・青葉山ゲレンデは営業再開していたが、上部ゲレンデはしばらく状況を見ることもなく廃止方針となったことに驚いた。安全を優先させるべきではあるが、スキー場規模のスリム化をはかりたい判断もあったのかもしれない。

草津国際スキー場は縦長のスキー場である分、運営の負担が大きかったのだろうか。「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「なかでもいちばん人気はロングダウンヒル。山頂の本白根から最下部の天狗山ゲレンデまで。ノンストップで標高差は926m、全長8kmのロングコースがとれる」とある。この滑り方はもうできない。

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(左)清水沢コースを見上げる。「閉鎖中」(右)青葉山ゲレンデからロープウェイ駅を見おろす。

噴火から2ヶ月弱が過ぎた3月の晴天の土曜日、草津国際に滑りに出かけた。混雑しているとはいえないが、思ったよりも賑わっていて少し安心。ファミリー層が多く、これなら上部ゲレンデは不要かもしれない、と思われた。さっそく天狗山クワッド・殺生クワッドを乗り継いで、青葉山の下のロープウエイ駅まで行ってみる。途中、硫黄の匂いが強くなる。

ロープウェイ駅はシャッターが閉まり、「白根火山ロープウエイは本白根山噴火のため暫くの間運休といたします。(後略)」と貼紙があった。破損したものも多いと思われる搬器は取り外されている。上部のコースに向けては、「閉鎖中」と掲示されネットが張られていた。見渡す範囲では、噴石や降灰の形跡はわからない。本白根ゲレンデの様子も不明。山頂部に噴煙などは見られず、山容が青空に映えていた。(現地訪問:2018年3月)

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(左)天狗山クワッドからゲレンデ最下部を見おろす。思ったよりも賑わっていた。

2018年04月06日

木戸池スキー場(山ノ内町)

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(左)木戸池温泉ホテル。(右)ホテル裏手にある斜面。中間降場が見える。

志賀高原の中でも、熊の湯・横手山エリアの中間点にポツンと離れ小島のようになっていたゲレンデ。先行きを不安視していたので、一度滑っておかねばと思い、2010年2月に熊の湯・横手の帰りに立ち寄って数本滑った。当時すでに団体客専用ゲレンデのような状態で、悪天候のせいか日曜日にもかかわらず他に誰一人滑っていなかった。たしか2018シーズン開始時には営業終了の情報はなかったと思うのだが、木戸池温泉ホテルのホームページに以下のように告知されていた。

「当ホテル専用ゲレンデ 木戸池スキー場 ~ 平成29年12月にて、木戸池温泉ホテル専用ゲレンデ・木戸池スキー場は営業を終了致しました。永らくのご愛顧ありがとうございました。ゲレンデスペースは、圧雪はされておりませんが、雪遊びなどでご利用下さい。」志賀高原のゲレンデマップからも木戸池スキー場の表示は削除されている。

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(左)ホテル裏手にあるペアリフト乗場。搬器は外され雪に埋もれている。(右)田の原湿原側のリフト乗場。

他と離れたこのゲレンデに、わざわざ滑りに来る人は少なかったと思う。最大の特徴は、1本だけ架かっていたペアリフトの形状にあった。木戸池温泉ホテル裏手に乗場があり、その先の小丘陵のピークを越えて反対側の田の原湿原へと下っていた。どちら側からリフトに乗っても小ピーク上の中間駅で降りないと滑走することができない。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように掲載されている。「山の両斜面にまたがってリフトが1基かかり、山頂に中間駅がある。標高1,670m。木戸池コース(中上級、300m/最大27度/平均21度)、田ノ原コース(初中級、400m/最大18度/平均15度)」

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(左)ホテルの裏側の小丘陵にゲレンデが見える。(右)2010年2月に訪問時の様子。悪天候で他に滑っている人はいなかった。

木戸池周辺は志賀高原では穴場的な場所。季節には田の原湿原でワタスゲなどの花を楽しむことができるし、木戸池温泉も露天風呂など過剰な施設がないのがかえって好ましい、地味ながら掛け流しのよい湯である。あらためて、木戸池を訪ねてみた。

天候がいまひとつの平日のためか、志賀高原全体に人の姿が少なかった。木戸池温泉ホテルは近隣のゲレンデへの送迎などにより営業を続けているようで、ひとまずほっとする。ホテル裏側のゲレンデは圧雪もされず、リフトは搬器を外され雪に埋もれるままになっている。初めてスキー・スノボを体験するような人には、適したゲレンデのように思えるのだが、そのような集客も難しかったのだろうか。(現地訪問:2018年3月)

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(左)木戸池温泉。掛け流しのよい湯。(2012年9月訪問時)
posted by 急行野沢 at 21:38| Comment(0) | 志賀高原周辺 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする