2019年08月30日

平家平スキー場(その2)(岐阜県郡上市)

heikDSC09751.JPG heikDSC09753.JPG
(左)長良川を渡り上っていくとゲレンデ下に至る。(右)倒壊したロッジの建物。

久しぶりに奥美濃を訪れる機会があり、平家平スキー場の跡地を再訪してみた。国道156号沿いの北濃駅前からわずかに北に進むと、東側に渡る細い橋がある。その橋を慎重にわたり、坂道を上がって行くと平家平スキー場の跡地に出る。

前回訪問から9年の歳月が過ぎ去っているものの、その佇まいは大きくは変わっておらず少々安堵する。とはいうものの、ゲレンデ下にあるロッジの建物の崩壊具合は前回よりもずっと激しいものになっている。屋根の妻部分に「ロッジ平家…」とあった建物は、すっかり潰れている。

季節のせいもあろうが草木が斜面全体を覆い、ゲレンデの痕跡を消し去ろうとしているかのように思える。斜面中央にある赤い屋根の建物は、前回訪問時にはなかったような気がするが記憶がはっきりしない。以前は斜面の下に立つとリフト乗場やリフト券売場の小屋も見渡せたのけれど、それらは樹木に覆われ近づくことさえ難しくなっている。

heikDSC09741.JPG heikDSC09744.JPG
(左)ロッジ前からゲレンデを見上げる。(右)リフト乗場は樹木に覆われわかりにくくなっている。

スキー場施設をすっかり撤去し斜面に植樹などが行われることもあるが、このようにいつまでも痕跡をとどめている場所もある。その違いは土地所有などや廃止の形態によるのだろうか。不勉強でわからない。廃ゲレンデ訪問者の勝手な気持ちとしては、平家平の痕跡に再び出会えたことは嬉しかった。(現地訪問:2019年8月)

こちらもご覧ください → 「平家平スキー場(その1)」

2019年08月09日

宝生スキー場(その2)(新潟県糸魚川市)

housDSC08649.JPG hous_img001.jpg
(左)ゲレンデ下部と思われる平坦地。

宝生スキー場についてコメントを寄せていただき、「詳しい地図でもあれば欲しいところ」と書かれていた。見返してみると宝生スキー場の地図はごく大まかにしか描いてないことに気が付いた。前回訪問から10年の歳月が流れ、その後変化があるかも知りたくて、あらためて現地を訪れた。ただ、残念ながら当時の様子を思い起こさせるものは多くはなかった。

国道148号「平岩」交差点から東に折れて、平岩駅前をかすめ、蓮華温泉へと向かう大所川沿いの県道を進む。平岩駅から約1.5km地点、右カーブの左側にチェーンで施錠された林道への入口がある。前後に路側余地があり、車をとめて、この林道を歩きはじめる。「クマ出没注意」の標識もあり、熊鈴と万一に備えた登山装備が欠かせない。

housDSC08679.JPG housDSC08660.JPG
(左)右上に大きな砂防ダムがつくられている。(右)砂防ダムの上部に広がる草地。

林道は山腹北側を東へとトラバースして行く。右へ左へと折り返した先に、平坦な草地があり、このあたりがゲレンデの下部または中間地点ではないかと思われる。その先、沢を渡る橋がある。右手を見上げると大きな砂防ダムが見える。ここまで林道入口から約1km。

やや右に曲がり道を登ると、右手の杉林の奥にリフトの残骸(コンクリート部分)が見える。猛烈なヤブを漕いで近寄ってみる。前回はその前方(西側)にもう1基のリフトの残骸が見えたが、ヤブの濃い季節だからだろうか、今回は確認できない。林道に戻りさらに進むと、右手には草地が広がっている。かつてのゲレンデの跡だろうか。

housDSC08657.JPG housDSC08667.JPG
(左)砂防ダム上部の杉林の中にリフトの残骸がある。(右)草地の斜面を上部から見おろす。下部の杉林の中にリフトがある。

このあたりがかつてのスキー場の中心地と思われるが、ゲレンデの雰囲気はあまり感じられない。砂防ダムなど大規模な治山工事が行われたためだろうか。草木も生育して、そのヤブの中にリフトの残骸が残るだけ。こんな場所を訪れるのは私のようなもの好きだけだろうと、あらためて思った。(現地訪問:2019年7月)

こちらもご覧ください → 宝生スキー場(その1)