(左)道沿いには「大原スキー場」の案内板。(右)ゲレンデへのアクセス道から。
記録的な暖冬で、これまでにない雪不足が続いている。1月に入ってもオープンできていないスキー場が珍しくないほど。営業期間が短くなるとスキー場の存続も困難になるのではないかと危惧している。魚沼市内のスキー場も例外ではなく、多くのスキー場がシーズンインできていない。そんな時期に大原スキー場を訪れた。11月に本ブログのコメント欄に「大原スキー場が閉場」らしいとの情報をいただいたためである(「越後アクシオムスキー場」の項)。
魚沼市中心地から国道252号を北東に向かう。大白川駅前を過ぎて国道から左折。さらにその先でも左折するが、「大原スキー場」の掲示は以前と変わらず立っている。除雪された道がゲレンデ下まで続いていた。さらにゲレンデ左側の中腹まで車で進むことができた。
見渡せるのは下部の第1リフト沿いの左右にある斜面だけ。ややブッシュが出ているが、あらためて見ると中上級者向けの気持ちよさそうな斜面である。リフトはチェアを外されていて、シーズンインの気配すらないのが寂しい。右手にあるレストハウスへも除雪されておらず、いくら小雪とはいえツボ足で進むのは困難。上部の第2リフト周辺の様子は、ここからうかがい知ることはできなかった。
(左)ゲレンデ下部のリフト乗場・レストハウス付近。(右)ゲレンデ左側から第1リフト沿いを見る。
以前は「関越国際大原」という仰々しい名前だったと記憶している。1999年3月に一度だけ訪れたことがある。もう、20年も昔の話なので記憶は曖昧。天候が良くなかったせいか、滑っているのは地元のポール練習の少年たちばかりで他は閑散としていた。リフト2本ながら、かなり滑りごたえはあったと思う。
魚沼市中心部の小出あたりからも20km以上の距離がある。地元向けという位置づけなのだろうけれど、もう少し手前に須原などのスキー場もある。以前は別々の自治体だったといえども、立地としては厳しいだろうと思っていたがどうだったのだろう。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されている。「守門岳の中腹。尾根伝いの幅のあるコースから初心者向きの平坦なコースまで。ポール専用バーンがあり、運動部、競技会に好評。ゲレンデ内に民宿、スクール、レンタルあり」。ペアリフト2基(760m、569m)が直列に配置されていたので、滑走距離は1.5km以上とれたと思う。最大斜度30度。スキー場開設は1972年(昭和47)。
(左)第1リフト乗場。
公共交通を使ってのアクセスは「只見線大白川駅から無料送迎バスで10分」となっている。日に数本の列車しかない只見線を使ってのアクセスは、当時といえども現実的だったとは思えない。豪雪で知られるこの地でも、今年はわずかな雪しか見ることができなかった。雪ではなく雨が降りしきり、閉鎖されたゲレンデをいっそう物悲しく包んでいた。(現地訪問:2020年1月)