(左)アクセス道への分岐にある案内板。(右)広い駐車場から、右に温泉施設とホテル、左にヒュッテ。
六呂師高原スキー場は、2013年12月に経営する事業組合が福井地裁に自己破産を申請。スキー場・ホテル・温泉施設などが事業停止に追い込まれた。最盛期にはリフト3基を擁し、来場者は約13万人にのぼっていたが、後発のスキー場との競争や設備の老朽化などにより来場者数は激減していた。
80年近い歴史に幕を下ろしたかに見えたが、2016年12月に簡易リフト(Tバー)2基を設置して、スキー体験施設として再開することが報じられた。ゲレンデ下の温泉施設「うらら館」も営業再開。限定的な形ではあるものの、グラススキーも可能な通年型スポーツ施設になるという。いつか再訪しなければならないと思っていたが、雁が原への訪問と合わせて、訪れてみた。
大野市街の北東の山麓に車を走らせると、曲がり角には「六呂師スキー場」を示す案内板が健在。ゲレンデ下へのアクセス道をたどると、草地の高原が広がっている。前回は天気が悪くて気が付かなかったが、周囲には牧場もあり、広々とした景観が気持ちよい。ゲレンデ下の温泉施設やホテルやヒュッテの建物も残っている。しかし、リフト施設はすべて撤去されている。脇のコンクリート階段はリフト施設の痕跡だろうか。
(左)人工マットが敷かれたゲレンデ。(右)少し上がった牧場からゲレンデ下を見おろす。
梅雨空が爽やかな高原を覆っている。広い駐車場から斜面を見上げると、人工マットが敷かれたゲレンデが見えた。長さは300mほどだろうか。右側には簡易(Tバー)リフトが設置されている。冬期も設置される簡易リフトの長さは同じだから、冬期のゲレンデもこの範囲なのだろう。
以前のゲレンデ面積を考えると少々寂しいけれど、客層や収支を考えるとこの程度の規模が適切と判断されたのだろう。現在のスキー人口などを考えると、こうした形態はやむを得ない選択なのだろうと思った。「通年型」といっても、平日なので人影や車もほとんど見られなかった。(現地訪問:2020年7月)
【追記】
2022シーズンについては、2021年4月に営業休止が発表された。2023シーズン以降は未定。
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