(左)ゲレンデを見上げる。(右)リフトからセンターハウスを見る。
動向が気になっていた白弓スキー場。2021年1月に指定管理者の募集が開始され、応募者があれば今後5年間は営業をおこなうとのことだった。しかし、12月28日にホームページで「白川郷平瀬温泉 白弓スキー場は、施設の維持管理上の理由により、昨シーズン(2020-2021シーズン)の営業をもって閉鎖となりました。長年、多くの皆様にご利用いただきまして誠にありがとうございました」と告げられた。やはり残念な結果となってしまった。
いつも本ブログに協力してもらっている岐阜県のKさんから、白弓スキー場についての新聞掲載を教えられたのは4年前の2017年12月。岐阜新聞の記事によれば「岐阜県大野郡白川村は21日、同村木谷の村営白川郷平瀬温泉白弓スキー場を、リフトが耐用年数を迎える2020年をめどに閉鎖する方針を明らかにした。成原茂村長が村議会一般質問で方針を示した。」とのこと。
(左)センターハウス内。(右)リフト券は自販機で購入。
「同スキー場は1969年に開場し、企業に委託運営している。ピークの94年度は1万6千人が訪れたが、近年はスキー人口の減少や設備の更新の遅れから利用客が減少し、2016年度は1715人、1180万円の赤字だった。15年4月から、近隣住民らでつくる白弓スキー場検討委員会で存続について検討してきた。」村長は「リフトの耐用年数も考慮し、閉鎖の方向で進めていきたい」と述べていた。
いつ閉鎖になるかわからないと思い、2018年3月に遠路、滑りに出かけた。予想より(といったら失礼だが)立派なスキー場で驚いた。きれいなセンターハウスにレストラン・レンタル・スクールなども完備。ゲレンデ下にいくつか広い駐車場がある。リフト券は自動販売機で購入。1本だけのペアリフトもそれなりの距離(790m)があり、ゲレンデもしっかり整備されて気持ちよく滑ることができた。
(左)ゲレンデ上部から。(右)リフト降場付近。
リフト中間駅から下は緩斜面だが、上部は上級向きでけっこう滑りごたえもある。この規模ながら、さまざまなレベルのスキーヤーに対応できそうだ。ただ、土曜日にも関わらず滑っているのは、ポール練習の少年たちを含めても10人ほどと寂しかった。白川郷のついでにスキー体験という感じの中国人女性が2人。スノーボーダーがひとりもいなかったのも珍しかった。
大雪への警戒も呼び掛けられる中、当面、あらためて現地を訪れることは難しそうなので、今回は2018年訪問時の写真で振り返ることにしたい。あらためて機会を見つけて、現在の現地の様子をレポートしたいと思う。
(左)アクセス道からセンターハウスとゲレンデを見る。(右)ゲレンデマップ。
スキー場ガイドには以下のように紹介されている。「世界文化遺産登録で世界中にアピールした白川郷の平瀬温泉がベース。センターハウス『白真弓』(170席)オープン。『カモシカ落とし』なる38度のカベがあり、白樺ゲレンデはポールセットも可能。(オールスキー場完全ガイド2000:立風書房)」当時のリフトはペア1基、シングル1基で、現在の中間駅あたりまでのペアリフトとその上にシングルリフトがあったようである(コメント欄に情報をお寄せいただきました。詳細はコメント欄をご覧ください)。
アクセスとしては東海北陸道・白川郷ICから車で20分、荘川ICからは30分。中京・北陸方面からのスキー客が主体となろうが、その手前に数多くの大規模スキー場があることを考えるとアクセスが悪すぎる。しかも、ペアリフト1本の規模である。白川郷の知名度はあるにせよ、集客は難しかったのだろうと思う。(現地訪問:2018年3月)