新井(現在の妙高市)の市街地に隣接していた都市型のゲレンデ。新井の町の南側にある小丘陵の北斜面が、ゲレンデとなっていた。新井駅からも車であれば5分程度というアクセスのよさ。驚くのは市街と標高がほとんど変わらないことで、この地がかつていかに豪雪地帯であったかがわかる。最近はやはり積雪は減っているようだが。
私は残念ながら滑りに来たことはないが、ナイターも行われていたようだから、市内からの仕事帰りにも充分楽しめたのではないか。周辺には民家が隣接し、いまはゲレンデ内に畑地も見られる。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」によれば、「新井市内からクルマで数分、週末にもナイターがありシティゲレンデとして親しまれる。リフト料金も安く足慣らしに格好のゲレンデ。ペアリフト1基の全体に初級者向きコースとコンパクトながら、最大30度の中級バーンが揃い本格的なスキーが可能」と紹介されている。
道に面して立つ緑色の掲示に「あらい船岡山スキー場」と書かれていた文字がかすかに読み取れる。駐車場に隣接して無料休憩所・リフト券売場の建物が残っており、ゲレンデ中央には1本だけあったペアリフトもそのまま残されている。そのリフトの左右に最大30度のバーンが3つ開かれているシンプルな構成。2004シーズンを最後に廃業となったようだが、地元の人しか来ないスキー場だろうから、このスキー人口減少の中では、最寄の都市の規模がスキー場を成立させるには小さかったということだろうか。