ゲレンデ下部から斜面を見上げる。リフト乗場には、発券所の建物も残っている。
霧ケ峰沢渡スキー場は車山肩の西側、「ヴィーナスの丘」と称される丘陵から北側にくだる斜面に開かれていたスキー場。霧ケ峰高原の素晴らしい景観に恵まれたゲレンデだったが、残念ながら営業中に訪れる機会はなかった。今日、訪れてみると、ちょうど霧ケ峰はレンゲツツジの最盛期。このゲレンデ跡周辺にもレンゲツツジが咲き乱れていた。
ビーナスラインを霧ケ峰スキー場に近い霧ケ峰インターで北に折れる。そのまま進めばやがて八島湿原だが、そこまでの途中の大きな左カーブに右手に入る道があり、ヒュッテジャヴェルの入口に通じている。そこから右に、歩いて少し上ったところに1本だけあったシングルリフトの乗場がそのまま残されていた。
リフトの鉄柱や発券所などもそのまま残っている。すぐ脇にはユートピア山荘という看板を掲げたレストハウスが廃墟となって残されている。見上げるゲレンデはさわやかな草原。さまざまな植物が群生して、雪のない今の季節には足を置くのもためらわれる。
「'86 SKI GUIDE(山と渓谷社)」によれば、「八ヶ岳中信高原国定公園に属する霧ケ峰高原の西斜面に、霧ケ峰高原の草原地帯をそっくり利用した見わたす限り白い色のゲレンデが広がる。ゲレンデは高原特有のアスピリンスノーに恵まれ、草原のゆるやかなスロープとなって伸び、雪質の良い安心して楽しめるスキー場として、チビッコ連れのファミリーには人気がある。頂上からは南アルプス・北アルプス・中央アルプス・富士山を一望にでき、景観も素晴らしい」と案内されている。開設は1980年。リフト474m。
レンゲツツジ咲く稜線の先に、シングルリフトの降り場があった。
一方、ゲレンデ上部はどうなっているのか知りたくて、車山の肩から、西の方向に少し歩く。花々に向けてカメラを構えている人々とすれ違いながら。その先のレンゲツツジ満開の稜線上にリフトの降り場がある。今日はあいにく雲が多くて、ゼブラ山や八島湿原までしか見えないが、晴れた日の四周の展望は素晴らしい。
霧ケ峰沢渡スキー場は、私の持っている2000シーズンのスキー場ガイドには「2000シーズン営業未定」として掲載されているが、実際には1997年を最後に営業を休止したと思われる。素晴らしい景観の中、たおやかな霧ケ峰の自然の中に溶け込み、戻っていこうとしている。
(左)ヒュッテジャヴェルの入口付近に掲示されている地図。
こちらもご覧ください → 「霧ヶ峰沢渡スキー場(その2)(2022年8月8日)」
90年代のスキーブームの頃は普通のスキー場ではポールバーンの確保もなかなかできなかったのでこういうローカルなところで練習してた時期がありました。
ここ、オーナーの個人経営というか、趣味でやってた感があります。個人で圧雪車まで持ってたので、オーナーは何者なんだろうとみんなで不思議がってましたが・・・・
レストハウスは個人の方が、ふるさとの無い子供達の為に58年前に建てた建物。スキー場を閉鎖してから、誰も使って居ない。でもオーナーは、せっかく親父が、作ってくれたふるさと。3~4年に一度だけは、屋根のペンキ塗りはしていた様子です。そこへ私が声かけて借りたいとお願いしました。
今では、10人程は泊まる事が出来る迄に、掃除して、私は、満足しています。
今年からは、『オーナーも利用して良いかなと』私の方に申し込んで来る迄になりました
これから、楽しい一年が、又始まりました。
近くへお出かけの折りは、お立ち寄り下さい。 ユートピア山荘