(左)草生した駐車場の奥にセンターハウス。(右)センターハウスの脇にあったリフト最上部。
美ヶ原の近くという感じはわかるが、長野県内にいながら地理感がいまひとつはっきりしない。旧武石村の奥のほう、という感じなのだけれど、番所ヶ原などからはもうひとつ南側の谷にあたる。岳の湯温泉を過ぎてどんどん上っていくと、美しの国リゾートという別荘地にはいる。その一角に美しの国スキー場はあったのだが、1998年を最後に営業を休止した。
別荘地のメインルートから右折するアクセス道路のゲートが閉まっていたので、歩いていくと右下に赤い屋根のセンターハウスが見えた。道をくだると、背の高い草に覆われた駐車場の向こうにセンターハウスの建物が残っている。脇を通り過ぎると、その先に木々に覆われて、1本だけあったシングル・リフトの残骸。このゲレンデはセンターハウスがあるこの場所が最上部で、そこから下に向かって3コースのゲレンデが広がっていた。だから、ここはリフト降り場になる。リフトの横にゲレンデの雰囲気は感じられるが、草木が茂りゲレンデの跡形は消え去ろうとしている。
「'86 SKI GUIDE(山と渓谷社)」には「美ヶ原高原東山麓の唐松の樹氷帯に今シーズン(1986シーズン)オープンしたスキー場で、コースはリフト西側に上中級者用、初中級者用の2コースがある。ゲレンデは美ヶ原高原特有のパウダースノーに加え、スノーマシンが設置されているので、常にベストの状態で滑ることができる」と紹介されている。最大斜度36度。リフト455m。
営業当時に訪れたことはないのだが、センターハウスなどは山腹のやや窮屈な所に位置している。近隣市町村や別荘地の人々が利用する程度だったのだろうか。同じくらいのアクセスを要すならば、もっと規模の大きいスキー場もあるのだが、それだけでははかれない魅力がこうしたゲレンデにはあったのだろうと思う。(現地訪問:2009年7月)
(左)草木が生い茂るかつてのゲレンデ。
美しの国スキー場は樹海に呑まれてしまってはっきりしませんね。
記録では麓からレストハウスに向かって、左に1本、右に2本のコースがあり、左のコースの途中にロープトゥがあったそうです。
麓のリフト乗り場まで行くのはかなり大変でしたが、そばの沢になにやらの施設と山道があったので、県道へ出る手はあったようです。
去年の秋に行った時のものです、ご参考までに。
http://maty.way-nifty.com/snow/2008/10/post-d551.html