(左)ゲレンデ下部から上部を見上げる。(右)ゲレンデ中腹から下部を見下ろす。
地蔵峠という名の峠は各地に見られるが、長野市松代と上田市真田(旧 真田町)を隔てる峠もそのひとつである。峠を越える県道は今でも急坂・急カーブが連続するが、千曲川に沿う国道18号は渋滞が激しいため、長野・上田間の抜け道として使われている。
いまでは信じられないことだが、その地蔵峠の北側斜面に昭和40年代にはスキー場があった。資料によれば1927年開設という記録も見られる。今日ではとてもスキー場に足る積雪があるとは思えないが、その頃は北信アルペンスキー大会や少年スキー大会が行われていた(「長野市誌」)。リフト等の施設もなく、地蔵峠へのアクセスも容易ではなかったようだが、峠を越える県道の開通にともない再び賑わいを見せるようになったという(「長野県スキー史」)。
松代側から県道を上っていくと、地蔵峠(車道が越えているのは正しくは「新地蔵峠」)に上りつく前の最後の右カーブから左に入る林道がある。ここから上っていく古くからの地蔵峠を越える山道を進む。ひとしきり上ると右手にスキー場があった広い緩斜面が広がる。スキー場の位置に確信がもてなかったが、長野市役所に問合わせたところ、このスキー場で滑った経験のある方がいらしたとのことで、ここであることは間違いないようだった。大部分は草木が生い茂っていて、リフトもなかったということなので、スキー場であったことを示すものは残っていないようだ。近くに廃屋が見られるが、これが各種資料に載っていた「地蔵峠山の家」なるものかもしれない。天気がよければ、善光寺平の広がりが眺められる。
上田市在住なのに知らなかったなあ。地蔵はお膝元ですしよく長野市へのショートカットに利用しています。昭和40年代というから恐らく1970年前後まであったのでしょう。新地蔵開通当時には峠にちょっとしたドライブイン(今は廃墟もしくは撤去)がありました。車社会になり第2次レジャーブームのおり、リフト無しのゲレンデは完全に時代に取り残された感じだったと思います。現在は長野市寄り峠直下にモータースポーツランドのダートコースがあります。
偶然このブログを拝見しました。
そして記事の内容に惹かれて、読ませて頂きました。
私も長野市に50年近く在住しておりますが、ここにスキー場があったことは全く知りませんでした。
貴重な情報ありがとうございました。
参考になるかわかりませんが、長野電鉄の廃駅である”松代”の駅構内にある周辺地図に地蔵付近に確かにスキー場と記載されていました。
この地図自体年代物で、いつ頃のかわかりませんが。また遊びにきますね。