(左)ゲレンデ下で倒壊しているロッジの建物。(右)リフト乗場。いくつかの小屋が残っている。
「平家」という名前にまず興味をひかれる。この土地にどのような平家の落人伝説が残っているのだろうか。詳細を調べたいと思いながら、資料を見つけるに至っていない。「'70のスキー 岳人別冊(1969年10月)」には「平家の落人伝承はどこにでもよく転がっている話だが、ここもそのいわれから『平家平』と名づけられている。それだけにいまもなお静寂素朴な風情が色濃く残されている。民宿では家族ぐるみコタツを囲んでの団らんが楽しめる。だが、ゲレンデは単調である。平坦な斜面でリフト沿いを滑り降りる。初心者の練習ゲレンデである。国道156号線が完全舗装されてからは、ぐっと交通の便もよくなった。民泊のスキーヤーにはリフト券1枚をサービスしてくれる」と記載されている。300mのシングルリフトが1本(1回35円)とロープトウ1基(1回10円)があったことも記されている。
国道156号を北に向かえば長良川鉄道の終点・北濃駅を過ぎて間もなく、右折して細い橋で長良川を渡る。車1台がかろうじて渡れる橋だ。そこから道は急坂を駆け上がり、平家平の平地に達するのだが、まず目をひくのは倒壊しているロッジの建物。宿泊施設や食堂など、何棟かの建物が廃屋状態となっている。
なだらかに広がる北西向の斜面には樹々が茂りはじめている。斜面の向かって左側には、赤錆びたシングルリフトの施設と、リフト乗場の小屋・切符売場、さらにスキー用具が置かれたままのレンタルスキー小屋などが廃屋と化している。シングルリフトは椅子は取り除かれているものの、鉄柱やワイヤーはそのまま残り、ゲレンデ上部を目指している。動力機もそのままの状態で錆びついているようだった。リフトは1本だったという情報が多いから、最後はこのリフト1本だったと思われる。ただこのリフトには「平家平第2リフト」と表示があるから、第1リフトがゲレンデ右手あたりにあった時期もあるのだろうか。
現時点までに入手している資料では、営業開始・終了の年月ははっきりしない。ただ、リフト乗場の小屋には、1992年5月を示すカレンダーが貼られたままになっていたから、1992シーズンあたりが最終営業年ではなかったかと思われる。赤く錆びたリフト施設や潰れたロッジは、かつての賑わいに思いを馳せさせ、現実の物悲しさをいっそう助長させているようだ。(現地訪問:2010年5月)
(左)ゲレンデ全体を見上げる。
【追加 2011年4月22日】
KUMAさんから平家平スキー場のリフト券の画像をお送りいただきましたので紹介します。
こちらもご覧ください → 「平家平スキー場(その2)」
ラベル:平家平スキー場
私が初めて行ってみたのは1997年頃だと思いますが、
残念ながら写真は撮っていません。
あのときにはまだロッジの建物は倒壊していなくて、ゲレンデ入り口を挟んだロッジの反対側には車庫があり、雪上車が格納されていました。
またゲレンデに至る道路にはスキー禁止の標識がありましたが、いつの間にかなくなってしまったようです。
雪上車共々、何処へいってしまったのやら。
小学生の時に一度行きました。
欄干まで雪が積もった橋を、板を担いで渡った記憶があります。今思うと、よく橋から落ちなかったと・・・ゾッとしますね。
あまりにスキーが下手な為地元の人に
リフトに乗らないように注意されました。
当時小学生がスキー板をゲレンデまで担ぎ45分かかるスキー場でした。
なお。営業日は、いつもキャンディーズ の曲が流れてました。