(左)ゲレンデ下部にあるレストハウス。(右)レストハウス前にあった第2リフトの痕跡。見上げると最上部の展望台が見える。
長良川に沿って奥美濃を北上する国道156号。白鳥の市街地を過ぎてしばらくして、国道が長良川鉄道をまたぐ場所に「高平延年の森」という看板がある。左手に珍竹林という名のスナックもあり、そこを左折して山中へと上っていく。やがて道は白い瀟洒なレストハウスの前に出る。ここが高平スキー場の跡地のようだ。レストハウスはいまでは別の用途に使われているようだが、並んで「貸スキー」と書かれた小屋もあり、すぐ上にはリフト乗場の痕跡がある。
「高平第2リフト」というプレートのあるリフト乗場のコンクリート基礎部分であり、プレートには「斜長418.5m、竣工昭和44年12月」と記されている。見上げるとゲレンデトップに整備された展望台の建物が見えるが、そこまではかなりの距離があり、思っていたよりも大規模なスキー場だったことがわかる。
(左)第2リフトにあったプレート
レストハウス前からいったんくだり、砂防ダムの下を回りこんで「延年の森」として整備された公園の下部に出る。砂防ダムの上には、もう1基のリフト乗場のコンクリート部分が残されている。この季節(訪問時は5月)、山菜採りと思われる人々が多く訪れている。リフトは3本あったはずだが、もう1基の痕跡は見つけることができなかった。園内のあまり整備の良くない林道を車で上って、最上部の展望台まで行ってみる。レストハウスがはるか眼下に見え、送電線が斜面を横切っている。斜面には植樹が施されているが、完全にゲレンデの痕跡を消し去るのにまだかなりの年月がかかるものと思われた。長良川の流れる谷をはさんで、奥美濃の山並が幾重にも折り重なって霞んでいた。
「オールスキー場完全ガイド'93(立風書房)」によれば、「リフト3基。ゲレンデ中央は第1リフト(500m)の上級者向き(最大30度、平均23度)の急斜面。ポールセットも可能。ゲレンデ左側が第3リフト(500m)の中級者コース。リフト乗場付近はファミリー向きでソリ専用のコースもある。また、右側の第2リフト(450m)沿いは初心者コース。ナイターあり」と紹介されている。第2リフトにあったプレートから営業開始は1969年(昭和44)と推測される。また、営業休止は1993年頃と思われる。(現地訪問:2010年5月)
(左)砂防ダムの上にあったもう1基のリフトの痕跡。(右)最上部に整備された展望台から斜面を見おろす。
【追加 2011年4月22日】
KUMAさんから高平スキー場のリフト券の画像をお送りいただきましたので紹介します。
こちらもご覧ください → 「高平スキー場(その2)」
ラベル:高平スキー場
高平かーー・・・もの凄く懐かしいです(*^^*)
小さい頃、昭和50年代中ごろから、5回くらい訪れたと記憶しています。ここと油坂スキー場は良く覚えています。
ディーゼル動力のリフトで、もくもくと黒い煙を上げてリフトが動いていたのを覚えています。結構振動が激しく、怖かったです(笑)。
あの頃はまだ越美南線と呼ばれていた路線が裏側を走っていた民宿が、定宿でした。静かな山里なので、たそがれ時の屋外の寂しげな雰囲気が身にしみるほど好きでした。
自分は運動駄目駄目なので、ようやく上級コースにチャレンジしたのが、最後に訪れたときでした。ずーっと貸しスキーを使っていたのですが、あまり機能的ではなかったので、上手く滑れず悔しい思いを何度もしていました(笑)。
それ以来、二度と訪れることもなく、廃止の報に接しました。スキー自体も20年以上やってませんが・・・。
最上部からの景色、覚えています。随分経つのに、変わっていませんね。
お邪魔しましたm(__)m