(左)安田町民スキー場を示す案内板がいまも見られた。(右)小丘陵の北斜面に開かれたゲレンデ。左はセンターハウス。
いまは阿賀野市に合併となった安田町は、安田瓦の産地として知られ、町内にもそれにちなんだ展示物も見られる。町内に良質の粘土を産することから19世紀初頭に瓦の生産が始まったもので、越後の厳しい自然環境に耐えるよう高温で焼成された銀鼠色の瓦だ。旧安田町は新潟市から見て南東方向の立地で、平野を流れる阿賀野川をさかのぼっていくと、山間部に入る直前あたりに位置する。この町の中心部の南東にある小丘陵の北面に、安田町民スキー場は開かれていた。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」によれば、「初級コース2本のファミリーゲレンデ。新潟市街から近く、ナイター営業は21時まで毎日あり。最大斜度20度の広いゲレンデにはワンパク広場があり、家族連れでにぎわう。スクール、レンタルあり」と紹介されている。
連日21時までのナイター営業とは、いま考えるとすごいと思う。いくら新潟市街から近いといっても、スキー人口が多かった時代を思い起こさせる。いまではあまり考えられないが、仕事が終わった後急いで駆けつけてまで、スキーがしたいという人がたくさんいた年代があった。開設は1985年、営業休止は2000年前後と思われる。
(左)すぐ近くにある宝珠温泉。(右)宝珠温泉の前から見たゲレンデ斜面。
越後平野の東の縁に沿って進むような国道290号。その国道を安田町中心部からわずかに新発田方面に進めば、田園の中の交差点に「サントピアワールド」の案内板がある。その案内板に従って進むと、「安田町民スキー場 800m」という案内も残っている。右へ進めば小丘陵の南面にある遊園地「サントピアワールド」に至り、左に進めば北面のスキー場に至るという位置関係。道路から駐車場へのゲートは閉ざされているが、広い駐車場とレストハウス、そしてコンパクトで緩やかな斜面は道路沿いからも見渡すことができる。リフトの施設は綺麗に撤去されているが、ナイター照明の施設は残されたまま。子どもづれで楽しむのには、コンパクトで手頃だっただろうと思われる。隣接して宝珠温泉の日帰り入浴施設もあり、スキーと温泉を楽しむのには便利なところではなかったかと思うのだが、どうだったのだろう。(現地訪問:2010年7月)
ラベル:安田町民スキー場
安田町民スキー場、懐かしいです。サントピアワールド(旧:安田アイランド)の裏側にあったんですよね。夏季はサントピアワールドのボブスレー利用者向けの山頂へのアクセスとしてリフトが使われていたはずなのですが、今はボブスレー諸共リフトも廃止されちゃったのですね…。スキー場休止後も2000年代半ば辺りまではボブスレーがあったはずですが、リフトが無くなったということは事実上スキー場が「廃止」になってしまったのですね(´Д⊂ヽ 時代の流れを感じます…。
ただ、山の麓を走り、ゲレンデ麓付近に至るサントピアワールドの「ローズマリー号」というSLのアトラクションは未だ現役だそうですね。以前はこれに乗ってからリフトに乗り換え、ボブスレーをする、ということも出来ましたが、今はただ単に往復して沿線の景色を楽しむだけのアトラクションになってしまってるそうですね(;´Д`)
サントピアワールドもついに今年、民事再生法適用を申請してしまいましたし、この先スキー場跡を含めてどうなっていくのかが気になるところです。。。
さて、現在はシングルリフトはなし。100mのロープトウが3器設置されます。平日地元の小学生授業、土日などに動かします。向かって右側斜面はソリ専用で、隣接市からも小学校の授業で多く訪れています。市のスキー大会もここで行われます。夏はゴルフ場、バラ園など憩いの場に利用されています。