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(左)ゲレンデ下にあったリフト乗場の痕跡。(右)ゲレンデ下から見上げる。遊具やベンチなど公園として整備されている。

国土地理院の5万分の1地形図「白鳥」を、はじめて見たときはびっくりした。その地図に表示されたスキー場のおびただしい数にただ驚くばかりだった。「奥美濃」と呼ばれる長良川上流域を表示している地図になるのだけれど、信越や上越方面でも、これだけの密度でスキー場が集中している地域はないのではないかと思えた。関東や信越方面にいるとこのあたりがどんな地域なのか想像がつきにくいけれど、以前、白山長滝神社を訪れたとき、宮司さんに「冬の積雪は5mにもなる」と聞いた話を思い出した。

「白鳥」図幅に登場するスキー場は、似たようなネーミングか多くて紛らわしい気がする。今回取り上げるのは「白鳥スキー場」だが、同じ郡上市域にある「スノーウェーブパーク白鳥高原」「ウィングヒルズ白鳥リゾート」とは別物。東海北陸道の開通によって、一帯のスキー場はアクセスが格段に便利になったはずだが、それ以前に、あるいはそれがあっても消えていったスキー場もやはり多いようである。

白鳥の市街地から国道156号で北に向かう。太田集落から西側の山中に上っていけば、「延年の森」として整備された公園に出る。ここが「白鳥スキー場」の跡地のようだ。下部にはあずまやや遊具が置かれ、斜面は地元ロータリークラブや小学生によって植樹され、森林にもどす取組みが行われているようだ。公園最上部まで林道が通じているが、そこまで上ればなだらかな東向き斜面の向こうに長良川と対岸の山々を望むことができた。

公園のあずまやなどより下に、リフトのコンクリート基礎部分があった。ここから、ゲレンデトップに向かって右側にシングルリフトが1本だけ架けられていたと思われる。最後の頃にはナイター設備もあったようだ。営業開始・終了の年月について、現在のところはっきりした資料は見つけていない。スキー場閉鎖後はゴルフ練習場だったとの記録もあるが、その後、公園として整備されたのは喜ばしいと思う。あまり利用されているようには見えなかったが、自然の森林に戻っていけばそれでいいのだろうと思う。(現地訪問:2010年5月)

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(右)ゲレンデ最上部の展望台から斜面を見おろす。眼下に長良川が光る。


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