(左)駐車場から見上げるゲレンデ全体。中央奥が聖山山頂。
筑摩山地の盟主である聖山の北麓に開かれていたのが、聖山パノラマスキー場。開設されたのは1966年(昭和41)で当初は「聖ヶ岡スキー場」という名前だったが、私の子どもの頃は長野市内の人間にもあまり馴染みのないスキー場だった。そのころ大岡村まで足をのばすというのは結構大変なことで、飯綱など近場にもスキー場があったから出かけることはなかったが、長野Uターン後は毎年のように訪れるゲレンデになった。
何年か前には「一番すいているスキー場」という開き直った宣伝文句で売ろうとしていたけれど、2本のペアリフトを乗り継げば聖山の山頂直下までたどり着き、北アルプスの展望も素晴らしかった。ゲレンデ下の聖山パノラマホテルも小奇麗な施設だったし、近くに大岡温泉もあり、華やかなリゾート地というわけにはいかないけれど、しみじみとした冬の休日を過ごすには良いところだったと思う。
昨シーズン(2010シーズン)を最後に営業を休止した。2008年1月の統計によれば、利用者は平日平均11人、休日平均121人だったという。その話を聞けば、営業休止もやむをえなかったのだろうと思う。難点はやはりアクセスの悪さにあったのではないだろうか。大岡村は2005年に長野市に合併となったが、長野市街からは国道19号経由で信州新町から旧大岡村中心部を経て上っていくか、麻績インターから聖湖経由で上っていくか。いずれにしても1時間以上を要するけれど、時間そのものより急坂急カーブの続く道であることが何となく足を遠のけていた。
(左)第1リフト下から見上げる。(右)ゲレンデ下のレストハウスとパノラマホテル。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「戸倉上山田温泉から車で30分、長野市から1時間。標高1,400mの地点にあり雪質はよい。善光寺平やアルプスも眺望でき景観はバツグン。初中級向き。スクール、レンタルあり。ナイターなし。初級30%、中級50%、上級20%」と紹介されている。
雪不足に悩まされることの多いスキー場だったが、たまたま営業最終となった昨シーズンは積雪に恵まれた。さらに格安リフト券の設定もあり(特に長野市民には通常3,500円の1日券が500円になるクーポンが配布された)、多くのスキーヤーで賑わうラスト・シーズンとなった。私も昨シーズン2回出かけ、最後の滑りを楽しんだ。積雪が充分でないと閉鎖されることが多く滑る機会の少なかった、裏側のスカイコースなども滑ることができた。
12月下旬に訪れてみるとリフトの施設は、椅子ははずされているものの撤去はされずそのままだった。ゲレンデ下の聖山パノラマホテルも、室内から灯りがもれていて営業をしているようだし、スキー場営業時とあまり変わっていないので何となくほっとした。パノラマホテルは今後も市内小中学校の林間学校などに使われていくのだろうが、聖山の自然と触れ合えるようなかたちで継続されることを望みたい。
今年は積雪が遅く、周辺のスキー場も先週末の寒波でようやく延期していた開業を果たしたところも多かったようだ。今シーズン営業していたらまた雪不足に気をもむことになったのだろうか。そんな要らぬ心配が頭をよぎった。(現地訪問:2010年12月)
営業していた昨シーズンの様子(2010年2月)。(左)ゲレンデ下から見上げる。(右)山頂直下から北アルプスを望む。
こちらもご覧ください→「聖山パノラマスキー場(その2)(2012年1月7日)」
ラベル:聖山パノラマスキー場
最近入った情報だと乗鞍のいがやスキー場も今季限りとか。また寂しくなってしまいますね。
聖湖寄りにある別荘地に友人の会社が保有する保養所があったので
ここがまだ「聖ヶ岡スキー場」だった94年頃?から6季ほど毎年訪れていました。
最初に訪れたときはまだホテルも無く、リフトは一本のみでした。
ホテルと第2リフトが出来たのは97年頃で、スキーブームも収束した時期の拡張にちょっとした驚きを感じたのを覚えています。
レストハウスの建物もそれ以前は平屋の食堂だった記憶があるのですが薄っすらとしすぎてよく思い出せません。そのとき食べた素朴で具沢山の山菜蕎麦は覚えているのに(笑)
山頂のアンテナ鉄塔と第2リフトの終点付近からの周囲の眺めのよさが印象深く残っていて
こちらのタイトルどおり追憶の彼方です。