(左)ゲレンデ最下部から見上げる。
80~90年代の一時期、宝台樹スキー場が結構気に入っていて、東京から毎シーズンのように通っていた気がする。メインゲレンデの右側にそそり立つ幾つかのバーンはとても魅力的だった。だいたいは日帰りだったのだが、そんな宝台樹への行き帰りに仲間の一人が「どうせなら宝川温泉あたりに泊りたいね」などといっていたのが記憶に残っている。
その頃は、宝川温泉といっても知っている人はあまりいなかったが、いまや海外からの観光客の間で一番人気の温泉宿だという。「2008年外国人からの注目度が高かった観光名所・総合ランキング」では草津温泉などをおさえて16位にランクされている。都市部以外の温泉でランクインしているのは、この宝川温泉だけである。東京から適度な距離にあり、山間の広大な混浴露天風呂や趣を凝らした川沿いの客室が人気の理由かもしれない。
この宝川温泉の裏山のような場所に、シングルリフト1基だけの小さなスキー場があった。「skier'91 日本のスキー場・東日本編」によれば、「宝川温泉エリアにあるコンパクトなスキー場。日曜日でもリフト待ち時間がほとんどゼロ、という穴場的存在でもある」と紹介されている。中級80%、初級20%。シングルリフト1基、最大斜度15度、最長滑走距離500m。現時点の調査では、開設や営業終了の年月ははっきりしないが、営業終了は2000年前後ではないだろうか。
(左)スキー場最下部。左の建物はスキーと関係があったのか不明。(右)宝川温泉の入口。中央の門をくぐって左に進むと宝川温泉汪泉閣。右の道を上っていくとゲレンデ下に出る。
国道291号を北に向かい、左に大穴スキー場を見て県道63号へと右折するのは懐かしい宝台樹への通い道。藤原湖の湖畔を走り、宝台樹への分岐を過ぎて左折、利根川を渡って山中に入っていくと宝川温泉へと導かれる。温泉の入口に大手門という立派な門が立っているが、そこから右手に一段上に上がった所にゲレンデの跡地があった。いまは草が覆っている斜面は、さほど広いゲレンデだったとは思えない。温泉を訪れた人が、「ついでに」スキーをするくらいだったのだろうか。リフトなどの施設はすっかり撤去されている。大手門横の別館文山の前で掃除をしている方に聞いてみると、確かにその場所にはスキー場があったのだけれど「スキーをするお客さまはあまりいらっしゃらなくて」廃止になったと話してくれた。(現地訪問:2010年9月)
ラベル:宝川温泉
宝川温泉にはブームになる前にはちょくちょく行っておりました。
98年に行った時は営業休止状態でリフトはまだ撤去されずに
綺麗な雪原が広がっていたのを覚えています。
当時二級だった私からすると、中級80パーセントはどうかなあ。それほど難コースのあるスキー場とは覚えていません。
沢のような地形がコースになっていましたから、斜度よりも上部から中部までのコース幅が狭いスキー場でした。リフトを降りてからはしばらくはコース幅がないため、小回りができないと滑りにくいため中級なのかな?
とにかくコースは、リフト沿いの一本しかないのです。斜滑降の練習を使用などと思ったら、すぐにコースの端についてしまいます。
ある意味では、温泉に来た客がちょっとスキーでもやろうかと思うと、宿から歩いて滑れる便利さがあったのでしょうか。スキーブームの時でも、行ったメンバーで貸切にできるほど他のお客がいないスキー場でした。
新雪でも降ろうものなら、リフト係が大変でした。ピステンなどある訳なく、係りのお兄さん一人がスキーでコースを踏み固めていました。そう言えばリフト券があったように思えますが、リフトに乗るたびに見せた記憶がありません。何しろ、他にお客がいませんでしたから。(^^♪
偶然たどり着いて、勝手な思い出話を長々と書いてしまいました。