(左)雲間から垣間見えた残雪の北アルプス。(右)中尾の温泉街。
新穂高温泉という名前から受けるイメージは、北アルプスの岐阜県側からの主要登山口というもの。実際、私も新穂高温泉を登山口として、いわゆる「北アルプス・裏銀座」の縦走をしたことがあった。新穂高・蒲田・中尾の3つの源泉をもち、山麓の温泉地として野趣あふれる魅力があるようだ。
中尾の温泉街へは、新穂高ロープウェイに向かう道が蒲田トンネルを抜けたところから、右上に山腹を上っていく。「中尾高原」という標識も見られる。2回ほど大きなカーブを切って上がれば、20数件の温泉宿がある中尾の温泉街に至る。そのほとんど最上部にある山本館の前を右に入れば、ゲレンデ跡に行けそうだと見当をつれていた。しかし林道ゲートはしっかり閉ざされていたので、クルマを置いて歩き始める。途中、土砂が崩れた箇所があったが、30分足らずでゲレンデ跡と思われる場所にたどり着いた。
高い電波塔がいくつか立ち並び、林道の脇には駐車場だったと思われるスペース。その左に樹木の少ないなだらかな斜面が広がっている。ここが、新穂高温泉スキー場の跡地のようだ。ゲレンデの両端にリフトがあったようだが、その痕跡は見あたらない。このあたりがリフト乗場だっただろうか、と思える平地は見つけられたが。ロッジなどの建物もあったようだが、その痕跡もすっかりなくなっている。
すぐ隣に山岳スキーの雰囲気を持った新穂高ロープウェイスキー場もあった。そちらも営業休止となっているが、スキーヤーの棲み分けはどうたったのだろうか。温泉地だけに、冬も集客をはかる手段としてスキー場を開発したのだろうか。
(左)送電鉄塔の建つ場所は平らに整地されていて、駐車場の跡に見えた。左の木立の向こうがゲレンデ。(右)下部からゲレンデを見上げる。
「'95オールスキー場完全ガイド(立風書房)」によれば、「リフト2基(680m、380m)。標高1200mの中尾高原にひろがる変化に富んだスキー場で、初級者から中級者まで7通りのコースがつくられ、のんびりスキーが楽しめる。最長滑走距離750m、最大斜度25度。また、付近には北欧風のホテルやペンションも建ち並ぶ奥飛騨屈指のリゾート地。ムードにあふれている」と紹介されている。交通は、高山駅からバス1時間45分。クルマでは高山からR158と県道で53km、P1,000台(平日無料)。営業開始・休止の年月は現在までの調査では不明だが、営業休止は10年ほど前ではないだろうか。
見上げるゲレンデは想像していたほどの規模ではなく、斜度からいっても初中級者向けのスキー場と思えた。緩斜面にはサクラの木などの植樹がされているようすで、もとの森林に戻そうとしているように見えた。本来なら、眼前に残雪をまとった雄大な穂高連峰の姿が見えるはずだが、あいにくの天気ですべては霧の中だった。(現地訪問:2011年5月)
(左)ゲレンデの下部。
ラベル:新穂高温泉
それにしても飛騨エリアは、休止が多いですね。
(8月上旬に西穂方面に行ったので確認しました)
第2ゲレンデは今は駐車場になっているんでね。何か寂しい気がします。
新穂高スキー場がどうなっているのか気になり、こちらにたどりつきました。
途中の道が雪崩れて帰れなくなり、電気も通らない中で、追加一泊することになった思い出多いスキー場です。
こちらで紹介されている場所は中尾温泉スキー場のようです。新穂高ロープウェイの下にあるのが、中級、上級者用と言われた壁のある新穂高スキー場になります。
位置的には道をはさんで、この左側になります。現在も稼動する新穂高ロープウェイ頂上の展望に上がり、穂高登山口となる氷点下20度の場所からゲレンデまで滑り降りる爽快な山スキーが楽しめました。
多分、技術に自信のある山の神みたいなスキーヤーは今もあのコースを滑っていると思います。だって元々、圧雪車などは入らない自然の山の背をスキーで滑っていましたから…。ゲレンデは山スキーが終わったところから始まりコースは3つありました。真ん中がせんごく平コースで、左右にアルペンコース、ロマンスコースがありました。下まで行くとファミリーゲレンデというほとんど傾斜のないなだらかなコースがあり幼児も楽しめるようになっており3つのコースを繋いでいました。
素晴らしいスキーが楽しめました。感謝しています。