(左)管理棟の前から見たゲレンデ全景。(右)中腹から見おろす。
親不知・子不知など日本海にのぞむ断崖絶壁の難所。現代の高速道路はトンネルを連続させ、あるいは海にせり出すような橋脚を設けて、簡単にこの地を通過する。最後のトンネルを抜けると朝日町。富山平野が広々と目の前に広がる。その最後のトンネルの上につながる山稜の一角に古くからのスキー場があった。
朝日インターから国道8号を少し戻り、右折して新笹川トンネルをくぐれば、笹川に沿う細い谷に出る。富山平野から山稜ひとつ隔てた谷間の集落を進めば、やがて道は右手の山腹を上り、三峰グリーンランドという整備された園地にたどりつく。園地入口の地図には、この一帯に整備されている「ふるさと歩道」の経路が記されており、手軽にハイキングを楽しめる場所にもなっているようだ。
朝日町によって整備された、この敷地の一角にスキー場があった。園地の右手に遊具や平坦なグランドをみて進み、左手に上っていく道をたどれば管理棟やキャンプ場のある小丘陵に登る。そこから北側に相対する山腹斜面がスキー場だった。往時にはどのあたりまでがゲレンデだったかよくわからないが、稜線までがゲレンデだったとすると上部はかなりの急斜面に見える。下部は適度な緩斜面だ。リフトがあったようには思えないが、ロープトウぐらいはあったのではないだろうか。
ゲレンデ最下部まで下っていくと、スキー場があった斜面の前には看板が立てられていて、昭和9年開設という三峰スキー場の歴史が記されている。「現在は町民の冬期レクリェーションに活用されている」と記されているが、スキーに関する施設の痕跡も見られないし、園内の案内板には「ソリ場」と書かれているくらいだから、冬期でもたまにイベントなどが行われるのかもしれないが、継続的に営業するスキー場としての役割は終えているのだろう。
(左)管理棟に張ってあった地図には「スキー場」の文字が。(右)ゲレンデ最下部に立てられていた案内板。
晩秋の冷たい雨が降る中、ゲレンデ中腹まで登ってみる。夏場にはキャンプなど、子どもたちに利用される施設なのだろうが、いまはひっそりとして誰ひとりいない園内は寂しかった。(現地訪問:2011年11月)
ラベル:三峰スキー場
いつも楽しく拝見させていただいております。
富山出身ジョージア州在住、20代の者です。南砺地方がホームゲレンデでした。たいらジュニアの激速小学生を懐かしく思います。
一番最後に出てくると思っていた三峰が出てきて驚いております。
昨年営業休止ゲレンデの仲間入りをしたスノーバレーが無事復活しましたので、富山の廃ゲレンデも残すところあと3つとよんでいますが、いかがでしょうか。
今後のご活躍を期待しております。