2012年01月01日

加山キャプテンコースト湯沢スキー場(新潟県湯沢町)

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(左)スキー場入口の看板も撤去されて「休業」という貼り紙だけがあった。(右)ゲレンデ下から見上げる。

湯沢の市街地から東に大源太川を遡る方向には、岩原や湯沢パークといったゲレンデが点在する。その一番奥にあったのが加山キャプテンコースト。いわずと知れた若大将・加山雄三氏が経営するスキー場で、ゲレンデにはヨットが置かれ湘南のイメージを醸し出していた。

2011年7月には「俳優で歌手の加山雄三さんが経営する新潟県湯沢町土樽の加山キャプテンコーストスキー場が閉鎖することになった。加山さんは『開場以来、赤字続きだった。東日本大震災の影響で運営資金の調達が困難になり、閉鎖することにした』と話している」と報じられた。加山キャプテンコーストスキー場は、バブル末期の1991年12月にリフト4基でオープン。

昨シーズンは「リニューアルに向けた準備をする」として休業したが、大方の見方は復活は難しいのではないかというものだった。利用客数は2008シーズンに2万人を超えたが、2010シーズンは約15,000人と減少傾向にあったという。若者のインドア志向によりスキー人口が激減し、大震災の影響も大きく、スキー場維持が難しくなったようだ。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」によれば「北西斜面に放射状に伸びる4基のリフトと、緩斜面中心の6つのコースで構成される。『ファミリーのためのスキー場』というコンセプトと東京駅から2時間足らずというアクセスのよさ、規模のわりに充実したパーキングエリアが好評。スキー場名の『加山』はいうまでもなく加山雄三氏のこと。ゲレンデにシンボルのヨットが置かれている」と紹介されている。

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(左)駐車場脇には加山氏の写真。(右)ゲレンデ下に残されている建物やリフト施設。

クワッド2基とペア2基。ゲレンデ構成は緩斜面か上級斜面のいずれかで、その中間にあたる斜面は少なかった。私にとっては湯沢周辺でついに足を運ぶことのなかった数少ないスキー場。その理由は、ゲレンデ構成に魅力がなかったことと、湯沢の街からは手前に岩原や湯沢パークがあったこと。それに加えて、雪山に湘南の雰囲気は不釣り合いではないかという思い込みもあった。

12月下旬、湯沢の街から湯沢パークスキー場の横を通って、加山キャプテンコーストの跡地まで行ってみた。途中の案内標識などはすべて撤去されていて、キャプテンコーストを示すものはまったく見あたらない。スキー場駐車場まではアクセス道路は除雪されていたが、ゲレンデ下にあるレストハウス付近やリフトの下まで近づくには、新雪の中をツボ足で進むしかなかった。

駐車場脇には加山氏の写真がまだ掲げられていたが、シンボルだったヨットは撤去されたようで見あたらない。リフト施設やゲレンデ下のレストハウスなどの建物はそのまま残されている。ゲレンデ下の建物はプレハブのような簡易な建物が多いように感じられた。ゲレンデには深く雪が降り積もり、圧雪さえすればすぐにでも営業を再開できるように見受けられた。(現地訪問:2011年12月)

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(左)レストハウス前から見たゲレンデ全景。
この記事へのコメント
急行野沢様、いつも楽しませて頂いてます。
私も長い関東生活で湯沢で行かなかった少ないスキー場の一つです。まさにバブルで生まれ散ったスキー場でしょう。たしかスタッフは水兵服をイメージしたようなデザインだったのでは・・・場内のヨットといいコアな加山ファン以外にはかなり痛い演出。アルプスの若大将を知らない若い世代にはなぜ加山がスキーなのかが分からなかったのでしょう。経営者ではないけれど近くの苗場=ユーミンみたく音楽ファンにも認知される聖地化したかったのでしょうか?
Posted by KUMA at 2012年01月16日 16:23
「アルプスの若大将」は1966年の公開ですから、私もリアルタイムで知っている年代ではないのですが。音楽の聖地化するのであれば、広瀬香美あたりをメインにすえたスキー場が登場しても面白かったかも。
Posted by 急行野沢 at 2012年01月16日 23:06
加山キャプテンコーストは23歳になる長女が6歳の時、初めて一人でリフトに乗って降りてくることができた、思い出のあるゲレンデでした。第一クワッドはヨチヨチ歩きのようなスキーテクでも滑れるほど緩斜面で、クワッドを設置するほどのコースか?と疑問でしたが、これが加山不人気のすべてを表しています。あとは中級者でも厳しい急斜面で、多くの一般スキーヤーには滑るコースが有りませんでした。でもガラガラで小さい子供を安心して滑らせることができ、小さい子供連れには好適でしたが湘南イメージとは相容れませんよね。イメージキャラは加山さんでなく、アンパンマンかな?
Posted by のぶネット魚沼 at 2013年11月21日 06:52
平日だったんですが、オープン一番乗りして、その後1時間半ほど我々の貸し借りでした!
ピーク時でも30人もいなかったのでは?

この分では休日も混雑とは無縁だったんでしょうね。
Posted by マイナーLOVE at 2013年12月17日 23:26
懐かしいスキー場名を思い出し調べると「加山キャプテンコースト」は3年程前に閉鎖ですか。寂しいですね。
このスキー場の思い出は、1999年前後の数年、保育園児の息子と娘が4,5才の頃家族4人で1シーズンに平日5~8回位行きました。車で圏央道、関越道を使い2時間で駐車場に着きます。10時頃に着くと先ずは車の台数を数え今日は5台だ、今日は10台、混んでるな~、でした。
子供達に左側の長~い緩斜面でボーゲンとリフトの乗り方を教えたのですが板が滑らなくて疲れました。
少し滑れるようになってからは右側の斜面、リフトは貸しきり状態でフリーパスでした。(リフト券は買ってあります。)
宇多田ヒカルさんのオートマチックが飽きる程流れていましたね。
家族のスキーは「加山キャプテンコースト」からはじまり高校の受験までメインゲレンデとして楽しませて頂きました。

懐かしく書き込みさせて頂きました。

Posted by F島 at 2014年03月09日 18:09
スノーボードを始めた丁度30年前、湯沢のペンションで兄が雇われオーナーだった頃、手伝いがてら土日の午後にレギュラーでお世話になっていたスキー場でした。
岩原はスノボ全面禁止、湯沢パークもかなり規制があった時代に比較的、規制が揺るかった、午後券もある私には有難いスキー場で、運が良ければクワット登り最上部からパウダー食い放題の38度の斜面が存在する上、今では超レジェンド級の、ダミアンやレトなどの海外プロにも遭遇できたという、自分の仲間内では相当熱かったキャプテンが、閉鎖したときにはかなりショックでした。
若大将ラーメンも美味しかった!
ずっとキャプテンの曲が流れてた!
かなりの頻度でそのキャプテンが滑ってた!
本当に素敵な、イイスキー場でした。
Posted by tac at 2020年09月13日 01:34
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