(左)遠景から見たスキー場全体。(右)ゲレンデ下からゆるやかな斜面を見上げる。
昔ながらの風情や町並を残し「小京都」と呼ばれるような町は、平野部から一歩内陸に分け入った小盆地に位置することが多いように思う。福井県大野市もそうした町のひとつ。大野城の城下町であり、北陸の小京都と呼ばれ、寺町通りや武家屋敷など歴史ある町並を残している。また、町内の至るところに名水が湧いていることでも知られている。
大野盆地を取り囲む山並には、スキージャム勝山・雁が原・六呂師・九頭竜などのスキー場が林立している。それらの中で、盆地の南端に位置していた森山高原スキー場はひときわ地味な存在だったと思う。現在までの調査では開設・営業休止の年月ははっきりしない。2000シーズンのスキー場ガイドには掲載があるから、営業休止は直近10年以内と思われる。
シングルリフト1基とポニーリフト1基、初級コース主体の緩斜面が1枚。「スキーヤー100%」という表示のあるガイドブックを見たことがあるから、スキーヤーオンリーをウリにした時期もあったのかもしれない。混雑とは無縁の初級者の練習用ゲレンデであったようだ。地元の学校の授業でも使用されていたらしい。
(左)ゲレンデ下には除雪をしたと思われる重機。レストハウスの建物は健在。
大野市郊外の小集落の裏手のような場所。スキー場直下までの道は除雪され、その除雪をしたであろう重機が置き去りにされていた。ゲレンデ下のレストハウスの建物はそのままだったが、リフトはきれいに撤去されていた。見上げるゲレンデは緩やかで均一な斜面。ゲレンデ下部からは目の前の杉林が視界を閉ざしているが、上部からは大野盆地とそれを取り囲む山々の眺望が楽しめたことだろう。(現地訪問:2012年3月)
ラベル:森山高原スキー場
森山高原のレポートありがとうございます。記憶たどると昭和60年の2月頃に一度だけ行った記憶があります。全くの初心者の女の子を連れて行くには最適な緩斜面でした。平日ということもあってか、客は私たち2人だけで、他に団体客も入っていませんでした。当時すでに年代物であったシングルリフトでしたが、私達が乗る時だけリフトが動き、それ以外の時は電気代節約のためか、止まってしまったのには驚きました。レストハウスもトイレと自動販売機しかなかったように思います。6、7年前には新聞のスキー場だよりの積雪情報から名前が消えたように思います。勝原スキー場の閉鎖の時には福井新聞でもそれなりに報道されたように思いますが、森山スキー場の閉鎖はニュースにもならなかったように思います。