(左)国道沿いの道の駅の前から見たゲレンデ。まだ、「瀬女高原スキー場」の案内が残る。(右)広い駐車場とその奥にセンターハウスとゴンドラ乗場。
白山麓にあるスキー場の動向についてはずっと気になっていたのだが、ついにこの瀬女高原と鳥越高原の営業休止というニュースが先シーズンさなかに伝えられた。2012シーズンの営業を最後に休止ということになったという。
中日新聞(2011年12月)によれば、「リフトなどの施設を所有している三セク、白山レイクハイランドが七月に会社解散を決議。特別清算中の今季は債権者の同意を得てSAMが営業するが、新たな支援企業が現れない限り来季の営業は難しい」と報道されている。「瀬女高原がオープンした1991年度は、12万5千人が来場。しかし、個人消費の低迷やスキー人気の低下により近年は入場者5万~6万人台の年がほとんどになり、赤字に歯止めがかからなくなった。SAMに運営委託し、スキー場施設の賃貸に専念しても改善には至らず、2010年度は2億9千万円の赤字を出した」という。村(旧尾口村・現白山市)や三セクが整備計画を進める一方、スキー客は金沢などから来て日帰りで何も買わず帰るため、集落の商売にはあまり影響がなかったという声もある。
金沢方面から福井県南部に抜ける国道157号。私も何度か通ったことのある道だが、いつも気になっていたのがこの瀬女高原スキー場だった。国道沿いに下部のファミリーコースが見えるのだが、ゴンドラに乗るとずっと奥まで懐の深いゲレンデだと知ったのは、ゲレンデガイドを見てからだった。
(左)センターハウス前から見たファミリーコースのリフトとゴンドラの鉄柱。(右)センターハウスの中庭から見たゲレンデ。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には、「白山連峰のふところ、国道157号線沿いという便利な場所にあり、ゴンドラリフトと、最長3.4kmのロングコースを主体としたスキー場。ゴンドラを上ったピーク部からは白山、加賀平野、手取ダム湖、日本海の眺望が開ける。チロリアン風のセンターハウス、90畳敷きのくつろぎの大広間、評判のパウダールームなど施設も充実」と案内されている。ゴンドラ1基のほか、クワッド1基・ペア2基の施設があった。最上部からは、ドキドキコース・ワクワクコース・ルンルンコースという名のコースがあり、ゴンドラに沿って3.4kmのパノラマコースがあった。最大斜度は31度。1991年に開設された石川県内では最も新しいスキー場であって、あのトニー・ザイラーが設計したという。
新緑の5月、金沢方面から国道157号を南下する。道沿いには、まだスキー場の案内板が残されている。道の駅・瀬女の先を右折し、瀬女トンネルの手前から左に曲がればセンターハウス前の広い駐車場に導かれる。センターハウスの建物はそのままで、その一角ではピザ屋が営業をしているもよう。最下部のファミリーリフトもゴンドラも搬機をはずされたままで、そのまま残されている。営業時とあまりかわらない佇まいだが、もうスキー場として賑わうことはないのかもしれない。(現地訪問:2012年5月)
(左)ファミリーコースを少し上がったところからセンターハウスを見下ろす。
【追記】
10年にわたって営業休止の状態が続いているが、営業休止から廃止に向けて検討が進められていることが報道された。(2022年4月、北國新聞)
いつも楽しく拝見させて頂いています。
幼少期を石川で過ごし、瀬女へはよく滑りに行きました。
上のゲレンデでは朝方まで、あの重みを感じない完全なパウダーを味わえたのを覚えています。
まぁ、石川は暖かいので昼過ぎると大抵湿り気を帯びてしまいますが。
コース自体は中級主体でリフトも高速のみ(下部を除く)だったので、何度も回数をこなすスキー技術の向上にはもってこいのゲレンデでした。
また、氏の引用コメントにもありますように上部からの景色もとてもキレイでした。
(手取)ダムを眼下に望むスキー場ってのも珍しいですよね。
そんな瀬女もなくなるのですね。
さみしいです。
少し長々と失礼しました。
非常に懐かしくつい…
氏の今後の廃ゲレンデ探訪、たのしみにしてます。
では、
地元スキー場 取り上げていただき感謝です。
今春3月20日瀬女高原スキー場へ
彼(めちゃ上手っ)と行ってまいりました~♪
最終日なのに 閑散としてました。
雪質GOODな状態でしたのに・・・
この日の来場者は よっぽどの物好き・・もとい上手な方ばかりでした。
(自身の下手さっぷり が目立ちました)
利用者減!の状況理解できますが
こうして 採算あわないスキー場 どんどん無くなってしまうのが
せつなくて悲しくてやりきれない気持ちで一杯です。
最終日なのに 明日も営業するのでは?という 普通営業&イベントの無さ!(苦笑)
料金案内看板など デジ写真撮りまくってきました。
食堂のカトラリー 記念として欲しくて、食堂のおばちゃんに
「最後ですねーーー」 って皿 持ちながら眼で訴えたのですが
間接的お願いでイマイチ伝わらず!(まあ そういう権限ないでしょうけど)
ん~ もっとダイレクトに言うべきでした。残念!!
私の青春時代によく通ったゲレンデで寂しい限りです
いつも空いててカービングでかっ飛ばすには
最適な斜面構成で楽しめました
ただ初心者がまったく楽しめない
下山コースは途中登りもありボーダーさんには不人気だったりが衰退の原因な気がします
食堂のアイルトンセナのポスターがなんとも印象的でしたね~
>以前はこの157号を通って名古屋までを結ぶ名金線という特急バスが走っていて、結構利用者が多かった
名金線はR156を北上して郡上、白鳥、白川郷、五箇山を抜けてR304でたいらスキー場の横を抜けて城端、金沢のルートです
R157の岐阜ー福井の県境である温見峠はバスの通れる道じゃないです(五箇山トンネルが出来る前の旧道細尾峠も大概な道ではありましたが)