(左)広い駐車場の向こうにゲレンデ。(右)ゲレンデ下部には、ペアリフト乗場のほか六呂師ハイランドホテル・うらら館の建物。
昨年末に六呂師高原スキー場の経営破綻が伝えられた。安全祈願祭も済ませ、スキー場オープン数日前になっての事業停止という例は他に聞いたことがない。年末年始には約100人のホテル宿泊予約があったがすべてキャンセルをしたという。2月には大野市民総合体育大会も予定されていた。
昨年12月26日の新聞報道によれば「福井県大野市南六呂師の六呂師高原スキー場や隣接する六呂師ハイランドホテルなどを運営する六呂師高原協業組合が事業を停止し25日、福井地裁に自己破産を申請したことが分かった」と報じられた。事業停止したのはスキー場、ホテル、隣接する温浴施設「うらら館」、ミニ動物園を持つ円山公園、六呂師高原サン・フィッシュランド。六呂師高原スキー場は1924年ごろ地元青年会が整備。3コース(最長滑走距離約1800メートル)を設置し、ファミリー向けゲレンデとして親しまれてきた。当初はスキー場のみを経営していたが、通年型リゾート施設を目指しホテルをオープンさせていた。
ピークにあたる1996シーズンには来場者数は約13万人に上っていたが、後発のスキー場との競争激化やリフト・ホテル設備の老朽化の影響などで、2007年以降の来場者数は年間2万人を割り込んでいた。「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「六呂師ハイランドホテルをベースにしたリゾート型スキー場で、日曜日は早朝5時30分から、週末はナイター営業が24時まで延長される。日帰りスキーヤーにはスキー場内にトロン温泉『うらら館』の露天風呂がある」と紹介されている。この時代にはペア1基・シングル2基のリフト施設があった。
(左)1基だけ稼働していたペアリフト。(右)ホテル前から見たリフト乗場。左奥には妻平ヒュッテ。
経営破綻が伝えられた直後の年末、現地を訪れてみた。大野と勝山の東側丘陵を走る県道26号からスキー場へのアクセス道に入る。広い駐車場を取り囲むように、ヒュッテ・ハイランドホテル・うらら館などの施設が配置されている。最後まで稼働していた1基のペアリフトはチェアもそのままに、すぐにでも動き出しそうだ。見上げるゲレンデは適度な斜度の広い1枚バーンで、快適な滑走が楽しめそうだ。良い意味でのローカルな雰囲気を残す一方で、リゾートホテルなどの新しい施設も混在している。ゲレンデの右手中腹にはハーフパイプが設置されていた。青少年自然の家や自然保護センターなどの立派な施設も隣接している。
スキー場だけでは厳しいとの判断から、リゾートホテルをつくり通年型リゾートを目指したのだというが、ファミリー主体の大規模とはいえないゲレンデの雰囲気にあった運営の仕方があったのではないかと邪推してしまう。広い駐車場には車の姿はなく、片隅に置かれた圧雪車が所在なさげに見えた。(現地訪問:2012年12月)
(左)ゲレンデ中腹にはスノーボードパークがあった。(右)「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」を参考に作図。
【続報】
コメント欄に情報をお寄せいただいた通り、新聞報道によれば、限定的ではあるものの本年12月から再開される。現在すでにリフトは撤去されているが、「スキー体験施設」として緩斜面に簡易リフト(Tバー)2基も設置。ゲレンデに隣接していた温浴施設「うらら館」も営業再開する。また、グラススキーも可能とし、通年型スポーツ施設となる計画だ。再開されたら、ぜひ訪問してレポートしてみたい。(2016年10月)
【追記】
2022シーズンについては、2021年4月に営業休止が発表された。2023シーズン以降は未定。
こちらもご覧ください → 六呂師高原スキー場[その2」
六呂師、私も毎年のように通っていたので事業停止の一報には大変驚きました。
私が最初に滑った頃はすでにペアリフトと、そこからもう1つ上へのシングルリフトがありました。(翌シーズンにはシングルが廃止)
確かナイターは前々シーズンを最後に終わったと記憶しています。
中腹には奥越少年自然の家があって、そこから地元の小学校がわんさか滑り降りていってましたね~。
ゲレンデは広大な1枚バーンで、圧雪していない場所も多くパークアイテムもこの規模にしては充実していたと思います。
私のブログにも六呂師滑走日記がありますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
鳥越大日もありますw
倒産したとは知りませんでした。
いつも雪不足で新聞の積雪情報見てもぎりぎりの営業を保っているような印象を受けていました。
ここへは家から遠く1度も滑ったことはありませんでした。
今年の新聞の積雪情報も欄はあってもまだ営業していないような感じでしたが、これで理由がわかりました。
ありがとうございました。
このホームページに掲載するような情報ではありませんが(;^ω^)
http://mainichi.jp/articles/20160927/ddl/k18/040/245000c