(左)日帰り温泉が同居するJR飯山線の津南駅。(右)津南駅と中心街の間をむすぶ千曲川の橋から、前方の斜面にコースとリフトの跡が見える。
小学生の頃だっただろうか、友人に聞いた話は「津南のスキー場は駅前にリフト乗場があって、列車を降りるとすぐにゲレンデに登る連絡リフトに乗ることができる」というものだった。車を持っている家は少なくて、スキーに行く交通手段はおもに鉄道とバスだった時代である。私も「それはずいぶん便利だなあ」と感心した記憶がある。飯山線の運転本数もいまと同じくらいだったと思うが、当時はそれが貴重な移動手段だった。
現在、マウンテンパーク津南は上部のロッジ周辺のイエローリフト・オレンジリフトという2本のリフトで、土・日・祝のみ営業している。その下部のオレンジリフト(以前の名前は第2ペアリフト)の下に、かつてはさらに2本のリフト(第1ペアリフト・第10連絡ペアリフト)があって津南駅との間を結んでいた。時代が変わって、鉄道やバスがスキー場へのアクセス手段としての主役の座を降りて、多くのスキー客が車で上部のロッジ周辺の駐車場まで乗り入れるようになり、下部のリフトは必要がなくなってしまった。
「SKIER'91 日本のスキー場・東日本編」(山と渓谷社)に掲載されている「マントパーク津南」のゲレンデマップには、まだ第1ペアリフト・第10連絡ペアリフトが存在しているし、「オールスキー場完全ガイド2000」(立風書房)にも記載があるから、この両リフトが廃止されたのは2000年代初頭ではないかと推測している。前者には「中里同様、JRの駅前からリフトが架かっており、全国的にも珍しい駅前グループのスキー場。連絡リフトで上がった所がメインゲレンデで、ほぼまっすぐにコースが延びている」とある。また、「第1リフトの外側に位置するチャレンジコースは、最大斜度37・平均斜度20度の上級向きバーン」と書かれている。

(左)駅裏側のリフト乗場があったと思われる場所。右側の斜面にコンクリートの基礎部分が残っている。
私が初めてマウンテンパーク津南に滑りに行ったのは2004年12月のことで、そのときには既に下部のリフトは稼働していなかったと記憶している。その時はもっぱら、現在の「イエローリフト」沿いで滑った。私のほかは、ほとんど地元の少年たちが練習に励んでいるばかりだった。しかし、「日本一の河岸段丘」とうたう周囲の展望はやはり素晴らしかった。
あらためてマントパーク津南の連絡リフト付近を訪れてみることにする。JR津南駅は、国道117号が走る津南の中心街からは少し離れた信濃川の左岸に位置している。その信濃川に架かる橋からは、津南駅の背後の丘陵にスキーコースやリフトのための切り開きの跡がはっきりとわかった。津南駅は日帰り温泉が駅舎内に同居しているが、現在ではこのような温泉設置の駅はさほど珍しくはなくなった。鉄道に乗るために駅に来る人より、温泉に入るために車で乗りつける人の方が多いくらいではないだろうか。駅の線路を挟んだ裏側にわずかに広がる平地にリフト乗場があったと思われる。まだ雪が残り、その跡を確認することはできなかったが、正面の斜面にはリフトの支柱が立っていたと思われるコンクリートの基礎部分を見つけることができた。
一方、上部に車で登り、オレンジリフトの乗場に行ってみる。そのすぐ下には、第1ペアリフトの終点と思われるコンクリートの角柱が立っていた。そこから下を覗くとかなり急な斜面が続いている。チャレンジコースはこの場所から、右に回って駅へとくだっていた。その向こうには信濃川、そして苗場山方面の山並が続いているのを見渡すことができた。(現地訪問:2013年4月)
(左)オレンジリフト乗場。左手奥に第1リフト終点の痕跡がある。(右)第1リフト終点部分のコンクリートの残骸。
学生時代から春の大会で通ってます。バブルの頃は、参加者が多くマウントパークロッジに泊まりきれなく駅前や国道沿いに宿を取り、ゲレンデに通ってました。
ゲレンデに上る道路は、今のように舗装が整っていなく、ガードレールもない細い山道を登っていきました。雪が降ると怖い道だったので、駅を背に急なリフトに上っていった、懐かしい思い出があります。
今年の春も後輩たちの大会の応援にいきました。数年前から山頂から左にトラバースして、ノルディックの周回池の左奥に降りるコースにかかる第7リフト?も廃止されたようです。以前は約1km位の大回転ができたコースが懐かしい。行った日はよく晴れていて、野沢のやまびこゲレンデがよく見えました。
あまりの懐かしさに思わずコメントさせていただきました。
自分の母校は名古屋では珍しくスキー部があり、当時(90年代前半)冬合宿の前半戦をこの地で行っていました(後半は赤倉でインハイ予選があるため関燕へ移動)。
当時も滑っていた半分は地元の中高生で、残りも大半が他地域からの合宿組。
ゲレンデ左奥のエリアを自分達を含む数校でほぼ借りきって練習用のバーンにしてました。
池の回りを走るノルディック組の練習を眺めながら機材を満載してリフトに乗っていたのを思い出します。
初日には心配になるほど雪が少なかったのに、夜のうちに背丈ほども積雪して、バーンを圧雪しても圧雪してもすぐに埋まってしまいたいへん難儀したのも今では良い思いでです。