(左)ゲレンデ下にあったかつては駐車スペースの役割をしていたと思われる場所。 (右)ゲレンデ下部から見上げる。
魚沼市内には、小出・湯之谷薬師・須原・大原・大湯温泉という5つのゲレンデがある。ここ数年存続が危ぶまれているが、なんとか現在も5つとも営業を続けている。そんな魚沼市内の廃スキー場として、以前本ブログで中峰スキー場(入広瀬中峰スキー場)を取り上げた。しかしながら、訪問時には雪に覆われ、はっきりとゲレンデの痕跡を確認することができなかった。9月の休日、ちょうど魚沼の田園地帯も稲刈りの時期に旧入広瀬村を再訪した。
魚沼市中心部の小出あたりからはかなり山間に入った印象となる旧入広瀬村。庁舎(旧村役場)を左手に見て、その先の分岐には「中峰グランド」「みどりの体育館」「テニスコート」を示す案内板が立っている。そこを左折すると道の脇に小広いスペースがある。ちょうどゲレンデ下にあたるこの場所は、駐車スペースになっていたのではないだろうか。そこから民家の間を上ったあたりがゲレンデ最下部だと思われたが、リフト乗場の痕跡などを見出すことはできなかつた。ゲレンデ下部は畑地になっていたが、見上げるとススキに覆われた斜面がゲレンデの跡であることを示していた。
(左)ゲレンデ上部にはグランドやテニスコートなどスポーツ施設が開発されたが、いまはあまり使われていないようす。(右)ゲレンデ上部から見おろす。
車道をたどってゲレンデ最上部まで上ってみた。最上部にかつてあったと思われる体育館は撤去されていた。一帯は一時期、スポーツ広場として整備されたようで、グランドやテニスコート、トイレやシャワー室もある。ただ、照明施設は撤去されその名残のコンクリート柱だけが何本もそびえ立っていて、最近ではあまり使われていない状況を物語っていた。かつてはスキー、その後は各種スポーツのために使われた場も、いまは閑散として寂しげに見えた。
そこから背の高いススキを掻き分けながら、少しゲレンデをくだってみた。眼下には入広瀬の集落とそれをとりまく田畑、そして遠く越後の山並みを見渡すことができた。中峰スキー場は1971年にリフト運行開始。営業休止年月については正確な資料を見つけていないが、1990年代と思われる。最大斜度25度、最長滑走距離は400m。シングルリフト(270m)1基、その上部にロープトウ(100m)1基が備えられていた。リフトやロープトウなどの施設の痕跡は、ゲレンデ上部でも見出すことはできなかった。(現地訪問:2013年9月)
(左)側面から見上げたゲレンデ。(右)遠景から見たゲレンデ全体。
こちらもご覧ください → 2010年02月27日 入広瀬中峰スキー場