(左)駅のホームの背後にR148が走り、その向こうにセンターハウスの建物とゲレンデが見える。(右)センターハウスの前の圧雪車やリフトのチェアは雪に埋もれている。
今シーズンも直前になって、いくつかのスキー場の営業休止のニュースが飛び込んできた。その中で長野在住者として一番身近であったのが、ヤナバ休止のニュースだった。12月はじめ、ヤナバスノーパークの公式サイトに「諸般の事情により、今シーズンの冬季営業を休止させていただきます」との案内が掲示された。新聞報道によれば、「大町市平のスキー場『ヤナバスノーパーク』は11月30日までに今季の営業を休止することを決めた。経営する同市平の「ヤナバ」の斎藤徳之代表取締役は景気低迷などによる経営不振を理由に挙げ、『来季以降のスキー場の運営を継続する方法を模索していく』としている」とのことであった。
1972年に開業。昨季の利用者数は24,000人あまり。最盛期の1993~94シーズンには約13万人を集客したが、2000年以降は2~5万人台で推移していたという。昨シーズンはクロスプロジェクトグループ(白馬村)が運営業務を受託したが、今季は契約を更新していなかったとのこと。私は一度だけ1997年1月に滑りに訪れた。そのときはそれなりに賑わっていたと思う。インパクトのある斜面ではなかったけれど、鉄道やR148のアクセスもよくファミリーやグループで訪れるにはいいのではないかと思っていた。最近はスノーボーダーを集客の中心にしていたようだが。
「シュプール・大町市のスキー史(大町市スキークラブ、1988年)」には「ヤナバスキー場の大きな特徴は昭和61(1986)年にJRヤナバスキー場前という、いわばスキー場専用の駅が新設され、駅を出るとそこがゲレンデとなっている。そのためナイタースキーなど利用者にとっても交通の便が非常に良いスキー場となった。ナイターの開設は昭和57(1982)年である」と記載されている。また、神田正輝が一時スキースクールの指導員であったという。
(左)ゲレンデ最下部から見上げる。(右)ヴィレッジ第1ゲレンデの下から見上げると、リフトとゲレンデの跡がはっきり残っていた。
「SKI GUIDE'86(山と渓谷社)」によれば、「権現山(標高1,222m)の北斜面30haにリフト5基が設置され…(中略)…青木湖を眼下にのぞみ、正面に鹿島槍・五竜岳をのぞむ景観が素晴らしい」と紹介されている。私が訪れた1997年前後にはクワッド1基・ペア3基のリフトがあったが、メインゲレンデ右手にあったビレッジリフト2基は数年前にひと足早く営業休止となっていた。
12月中旬にヤナバを訪れる。大糸線「ヤナバスキー場前駅」はロープを張って入れないようになっていて、列車は通過していった。国道に面した案内板もそのまま残っているものの、駐車場は雪に埋もれ圧雪もされていない。センターハウスなどの施設はすべてそのままだが、ひと気はなく閑散としている。リフトのチェアや圧雪車もゲレンデ下でスタンバイしていたようだが、ここ数日の雪に埋もれている。青木湖対岸に見える「サンアルピナ青木湖スキー場」も数年前に営業を休止したままである。大町市内では、爺ヶ岳・鹿島槍がそれぞれ独自のカラーで存在感を保っているが、ずいぶん寂しくなったと感じる。(現地訪問:2013年12月)
(左)ゲレンデを少し上がった所から見下ろす。眼下に青木湖、左奥には休止中のサンアルピナ青木湖スキー場。(他の写真とは別の日)
【続報】(2015年1月31日)
2015シーズンから再開したヤナバの姿を確認したくて、現地を訪れた。日中の営業が終わり、ナイター営業開始までのゲレンデ整備までの時間だったが、レストハウスでナイター営業を待つグループの姿がいく組も見られてまずはひと安心。隣接するJR大糸線「ヤナバスキー場前駅」も今シーズンは営業を再開していた。
(左)ナイター開始を待つ下部のレストハウス。(右)ヤナバスキー場前駅。
【続報】(2016年11月10日)
本日の信濃毎日新聞の記事によれば、2017シーズンの営業を断念するという。
こちらをご覧ください→「ヤナバスノーパーク(その2)」 「ヤナバスキー場前駅」
私もスキーをする者です。
今まで北は北海道の富良野から南は長野のおんたけ2240、西は福井のスキージャム勝山まで数多くのスキー場に行ってきました。
近年スキー場の廃止、閉鎖が相次いでますね。
ついにヤナバも営業を休止するのですね。
私は富山県在住ですが地元でもスノーバレー利賀と閑乗寺スキー場が前シーズンをもって閉鎖してしまいました。特にスノーバレー利賀は富山県としては規模が大きく標高も富山県で最も高く雪質が良く私のホームゲレンデの1つだったのになくなってしまってとても残念です。
他にも富山県内では大谷、猿倉城址公園、オムサンタの森、利賀などが廃止になってます。
現在残ってるスキー場でもいつ廃止になってもおかしくないスキー場がたくさんあります。
その中に行ってみたいスキー場もあるので廃止になる前に行っておきたいところです。
白山瀬女高原も行ってみたいスキー場の1つでしたが2012年をもって廃止になってしまったので結局行けずじまいになってしまいました。
いつも楽しく拝見させていただいてます。
ヤナバもなくなってしまったんですね。
前々から経営が厳しいけど、リフト料金を安くしてなんとか客足を引こうと毎年頑張っているような感じだったので、今後も続いていくのかと思っていたので、この記事を見て驚きました。
白馬方面も青木湖、白馬ハイランド、ヤナバとどんどん消滅していくので寂しくなります。
個人的には白馬みねかたが心配です。
今のうちに滑りに行っておきたい思いです。
あれぇ、とうとう閉鎖かなぁ、と思ってしばらくぶりにこちらのサイトにお邪魔したら、やっぱり・・・
遠い昔、その頃つきあっていた彼の影響で草レースでヤナバの大会に出て優勝してしまった(笑)思い出があります。
そのときの光景も覚えていますし、商品がスワロースキーだったこともよく覚えています。
なんだか寂しいですね。
長野県大町市に本拠を置くスキー場運営の「ヤナバ」http://www.yanaba.co.jp/は、2月28日付で長野地方裁判所へ民事再生法の適用を申請した。負債総額は約13億円の見通しである。すでに再生スポンサーとしてスキー場経営大手のマックアースhttp://macearthgroup.com/(兵庫県)が決定し再建を目指す。
ヤナバはマックアースですが、未だ再開に向けたメンテナンスを行っている気配はありません。
再開すれば地元民としては子供と遊ぶには最適なんですがね~。
マックアースてヤナバが復活するそうです。
地元のアルペ○にあった早割りリフト券情報誌に、マックアースのゲレンデ一覧に掲載がありました。
早速、息子と娘、かみさんを連れて行かなくては。
ヤナバは被害情報をまだ聞いていませんが、マックアースなんで状況によっては?
白馬界隈の各スキー場に被害は無いようです。
地震被害はマスコミがこぞって放送しているサンサンパークと言うパーキング周りの集落に集中し、他地区は、ほぼ平時と変わらぬ生活を送れています。
風評被害のスキー場収益減が懸念されますので、皆様復興の為、いつも以上に白馬に滑りにいらしてください。