2014年01月11日

閑乗寺スキー場(富山県南砺市)

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(左)駐車場にあった閑乗寺公園の案内図。ペアリフトの文字が残る。(右)ゲレンデからは眼下に砺波平野の広がりを見おろすことができた(2013年11月)。

散居村という集落形態で知られる富山県西部の砺波平野。その砺波平野が南に尽きるあたりに位置するのが、木彫で知られる井波町や清流の里をうたう庄川町。いまは合併によって前者は南砺市、後者は砺波市となっている。その井波や庄川の裏山のような位置にあったのが、閑乗寺スキー場。ゲレンデからは砺波平野を一望することができた。

2012年8月の新聞報道によれば、「富山県南砺市2スキー場閉鎖経営難、改善見込めず」という見出しで「富山県南砺市は、スノーバレー利賀と閑乗寺の二つのスキー場を早ければ来年度に閉鎖することを決めた。」と書かれていた。南砺市内には、合併前の旧町村がそれぞれ管理していた6つのスキー場があった。そのうち、スノーバレー利賀・閑乗寺公園・たいらクロスカントリー場は経費が経済効果を上回ったという。市は、たいらクロスカントリー場を体育施設として維持する一方、2か所のスキー場を廃止することを決めたと報じられた。昨秋、地元観光協会に問い合わせたところ、今シーズンから閑乗寺スキー場は休止とのことであった。

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(左)リフト下から見上げる。(右)リフト乗場の小屋には「長い間、誠にありがとうございました」の貼り紙が。

「オールスキー場完全ガイド'2000」(立風書房)には、「ゲレンデから砺波平野が一望できる展望台が設置され、四季を通してスポーツを楽しめる閑乗寺公園の芝広場に、冬はスキー場が展開する。全体に初心者向きの緩斜面でアットホームな雰囲気はファミリー向き。連日ナイター、レンタルあり」と案内されている。ペアリフトが1基あった。

実は数年前に富山を訪れたついでに、散居村を一望する写真が撮りたくて閑乗寺公園に立ち寄ったことがあった。その際ゲレンデ下の建物で、気になっていたこのスキー場の存続について聞いてみた。すると、「道を挟んで向こう側(ゲレンデのある側)は行政区分が違うので、スキー場のことは答えられない」というお役所的な返事をされた。その建物の所在地は砺波市、ゲレンデの所在地は南砺市であることは確かであったが。

小雪が降り続く1月の休日、あらためて閑乗寺公園を訪れる。駐車場は除雪され、閑乗寺公園としての施設はしっかり管理されている。公園管理の関係者と思われる方が駐車場を歩いていたので聞いてみると、確かに「今シーズンからスキー場はやっていない」ということだった。リフト乗場下までは雪の中に道がつけられていて、ゲレンデ下部では数組の子ども連れがソリ遊びに興じていた。リフトはチェアを取り外されただけで、まだそのままの状態である。斜面に隣接しているフィールドアスレチックやキャンプ場の施設はただ雪に埋もれている。斜面はそれなりの斜度でさまざまなコース取りができたと思うが、その脇にはナイター照明が寂しそうに立っている。地元密着のファミリーゲレンデがまたひとつ幕を閉じた。(現地訪問:2014年1月)

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(左)ゲレンデ下の圧雪車が所在なさげ。ソリ遊びにやってくる家族も多い。(右)ゲレンデ最上部のリフト終点。(2013年11月)
posted by 急行野沢 at 21:53| Comment(3) | TrackBack(0) | 富山県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しみに拝見させていただいています。
私自身、滑ったスキー場のリフト券、駐車券、パンフレットなどを紹介するブログを立ち上げて見ました。
そこでは、貴方ブログのリンクを貼らせていただいております。
断りもなく勝手ですが、ご了承ください。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by ぐりぐりももんが at 2014年01月29日 18:26
リンクの件、了解しました。
面白そうなブログですね。私もリフト券やパンフなど、できるだけ保存しているのですが紹介できるほどではないかな……。
Posted by 急行野沢 at 2014年01月29日 21:43
咋シーズンまで利用していた者です。
里山にあるスキー場でアクセスが良く、こじんまりして家族で安心して利用できました。
子供達はスキー、自分は裏山の八乙女山へ登ることもありました。
規模が小さいのでリフト代が安いのも魅力でしたが、営業しなくなり本当に残念です。
Posted by 元利用者 at 2014年01月31日 09:48
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