2014年07月18日

弥彦山頂スキー場(新潟県弥彦村)

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(左)展望食堂付近から見たゲレンデの跡地。右手のロープウェイ駅から前方に下り、その向こうの鞍部から先は登りの斜面。(右)稜線上から見た日本海。あいにくの梅雨空にアジサイが咲いていた。

山国信州に住むものにとっては、どこまでも続く越後の稲田は圧倒的な風景に感じられる。さすがは米どころであるが、そんな新潟平野の一端にきりりと頭をもたげているのが弥彦山。周辺のどこからもそれとわかる姿を見せ、麓には弥彦神社が鎮座している。最近のパワースポットブームの中で、なかなかの人気を集めているようだ。そんな弥彦山の山頂部にスキー場があったことを知ったのは「スキー天国にいがた(新潟日報事業社、1975年12月)」の記載によるもの。

同誌には、以下のように紹介されている。「弥彦山は佐渡弥彦国定公園の中心となる観光地で、山麓一帯に日本海・佐渡島をみおろす眺望が素晴らしく、ゲレンデは頂上からの稜線を利用しているので、眼下に大海原を見る豪快なスリルを味わえる。スキー場に隣接して、3階建の展望ビルがあり、パノラマレストラン・売店・遊戯施設が揃っている。ロープウェー1,000m。弥彦駅バス3分。」

弥彦山のロープウェイが開業したのが1958年(昭和33)。このスキー場の開設も同じ年だから、ロープウェイはスキー場も念頭に置いて開発されたものだろう。廃業は1975年(昭和50)のようだ。

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(左)鞍部の北側の斜面を見上げる。(右)鞍部の南側の斜面を見上げる。前方に展望食堂・パノラマタワーが見える。その後方が山頂。

梅雨がまだ明けない、小雨が降ったりやんだりの7月の休日。所要で新潟市に出かける途中に、弥彦山に立ち寄る。まずは弥彦神社に詣でなければなるまい。東側の駐車場から参道を歩いて拝殿の前に出ると、背後には弥彦山頂付近の稜線が見える。やはりこの山自身が神様なのだなと思う。次に車で弥彦山スカイラインを走って山頂付近へ。駐車場に車をとめ、クライミングカーという箱のようなものに乗って稜線に出る。後からこれに乗らなくても歩いて稜線まで登れることを知って、後悔したのだが。パノラマタワーという塔のような建築が景観を著しく損ねているが、眼下に日本海が広がりその向こうには佐渡が見える。稜線上には展望食堂があってこの景色を眺めながら食事ができるようだ。その直下まで、弥彦神社側の麓からロープウェイが登ってきている。弥彦山の標高は東京スカイツリーと同じ634mだということだが、その山頂は稜線を少し南にたどったところにある。平野からそびえたつような立地だから、電波塔が林立している。

クライミングカーの係員の小父さんにスキー場のことを尋ねてみる。すぐ下のロープウエイ山頂駅から北に連なる稜線上にゲレンデはあったようだ。ロープウエイ駅からまず下り。現在、スカイラインが横切っている鞍部から向こう側が上り。最低鞍部を挟んでロープウェイ駅側と反対側にV字型のようにゲレレンデがあったようだ。ハンドリフトという(おそらく手で捕まるものと思われる)リフトがあったという。そんな景色を見ているとロープウェイから次々と観光客が降りてきた。歩く必要なく登れる山なので、観光地的な雰囲気はやむを得ないのかもしれない。最近では冬場の降雪に難があると思われるが、日本海を望んでの滑降はさぞ爽快だっただろうと思われた。(現地訪問:2014年7月)

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(左)鞍部にあった地図。現在地は鞍部。そこから左右(南北)にゲレンデがあった。(右)弥彦神社拝殿。背後に弥彦山の稜線。
この記事へのコメント
こんにちは。いつも新作を楽しみにしています。
ちょっと想像が難しいので自分で調べてみました。
http://p.twpl.jp/show/orig/bpRTx
Posted by 東北人 at 2014年07月20日 11:31
いやはや、「スキー天国にいがた」には、地元人でも知られざるスキー場があるのですね。あんな急な坂だと、当時の板ではマニア用ゲレンデなのでしょうね。勉強になりました。昔のゲレンデガイドは捨てたので、今あるのは「スキーガイド新潟2005」発行日2004年11月19日~中越地震の約一月後。掲載の小千谷山本山高原は休業してしまいました。
Posted by ロシアスキー at 2017年08月10日 17:21
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