2015年05月22日

伊吹山スキー場(その2)(滋賀県米原市)

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(左)三合目のゴンドラ降場ステーションの建物。(右)ゴンドラ上部から山麓方面を見下ろす。

前回に引き続き、伊吹山スキー場のレポート。「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には、以下のように掲載されている。「関西スキーの発祥地で古い歴史をもつ。標高855mの五合目から一合目まで縦に長いスキー場。五合目から琵琶湖めがけて滑り込む全長3.5kmのダウンヒルは迫力満点。三合目に伊吹高原ホテル、一合目、山麓には民宿などからなる旅館街があり、すこし離れた彦根プリンスホテルなども利用できる。ファミリーでのんびりするのがおすすめ」

前回は二合目の上までレポートした。二合目からゲレンデの右側を登ると三合目に登りつく。ここがスキー場の中心部。登山道の左手には廃墟となった伊吹高原ホテルの建物があり、そのさらに奥(西側)にはゴンドラ降場の建物がある。ここもシャッターが閉められている。ホテルの東側にはリフト券売場の小屋があり、その横にリフトのコンクリート部分が建ち並んでいる。二合目A・B線の最上部と思われる。

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(左)三合目の登山休憩舎から見る。右からゴンドラ降場、伊吹高原ホテル、その左にリフト券売場と二合目A・B線の降場。(右)伊吹高原ホテルの前にあったゲレンデマップ。

北側を見上げると雄大な伊吹山がそびえている。左手は上部の四合目まで、四合目コースの斜面が広がっている。ゴンドラから北側に下ったあたりと思われる四合目ロマンスリフト乗場の痕跡はよくわからなかった。四合目まで登山道を登ると、そこには四合目ロマンスリフト降場のコンクリート部分が残されていた。

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(左)ゴンドラ降場から伊吹山頂を見上げる。左のゲレンデは四合目まで、右手のゲレンデは五合目まで広がっている。(右)四合目にある四合目ロマンスリフトの降場の痕跡。

三合目から右(東)に三合目ゲレンデが下っていて、それに沿って三合目A・B線があったはずだ。ホテルの東側には降り場があったと思われる平坦地があり、見下ろすとはるか下部に乗場のコンクリート基礎部分があるのが見て取れた。

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(左)ホテル横の三合目A・B線の降場の跡。(右)三合目ゲレンデを見下ろす。最下部に三合目A・B線のリフト乗場の跡が見えた。

最後は五合目コース。三合目から見上げると右側に細長くコースが伸びているのがわかる。リフト乗場・降場の痕跡はよくわからなかった。降場は五合目の小屋の東側にある石垣のような場所の上かと思われたがはっきりしなかった。

五合目がスキー場の最上部にあたる。ここまで登山道はゲレンデの中を登ってきたが、ここからいよいよ急峻な山腹にジグザグを描いて登っていく。こうして歩いてみると実に広大なゲレンデだったことがわかる。振り返ると琵琶湖の広がりが大きい。独立峰の山腹に位置するゲレンデなので、展望の良さは折り紙付き。南斜面だったことも災いして雪不足により廃止になってしまったのは悲しい。ただ、この山に登ることによって歴史あるゲレンデの姿に少しは近づけたのではないかと思う。(現地訪問:2015年5月)

こちらもご覧ください → 「伊吹山スキー場(その1)(2015年5月3日)」
この記事へのコメント
長浜市在住の男性です。伊吹山のレポート、楽しく拝見しました。ゲレンデイメージは仰るとおりで、標高差がしっかりとれている良いゲレンデでした。
バブルの頃は週末のリフト待ちが1時間なんてざらだったのですが。
今の若者は、登山の山としてしか認識していなくて、時の流れを感じます。
Posted by たけやん at 2015年05月24日 20:54
いつも楽しく拝見させていただいてます。

伊吹山のレポありがとうございました。

以前このブログにコメントさせていただいた時に是非伊吹山のレポをとお願いしまして、それが実現したという思いで大変ありがたいです。

伊吹山へは厳冬期に登山するんですが、スキー場が営業している頃(近江鉄道経営時代)はスキーで伊吹山頂からスキー場トップの五合目まで降りて、さらに一合目までそのまま滑り降りたもんですが、雪不足がちになって三合目から上の営業が多くなってくらいから近江鉄道が撤退し引続きピステジャポン(野麦峠スキー場経営の岳都リゾート経営)に変わり、五合目、一、二合目がなくなり、ホテル前の三合目と四合目だけになり、それから知らないうちに五合目のリフトが外されて跡形もなくなってしまいました。
今となっては五合目のリフト乗場と終点がどこだったのかよくわかりません。

レポートに写真にあるリフト降り場跡くらいしかわかりません。

このスキー場へは主に冬山登山目的で行ったくらいで滑りには行ったことありませんでしたが、今営業してたら行ってみたいスキー場なのでなんとも惜しい思いでいっぱいです。
Posted by みや at 2015年05月30日 21:53
いつも楽しく見させていただいております。
伊吹山スキー場は近く、家から双眼鏡で覗いていた覚えがあります。
ピステジャポンに変わってからも短命に終わってしまいましたね。。。
なかなか大きいスキー場でしたが、南向きという大きな欠点があったスキー場でしたからね。。。
昔から伊吹山に3回雪が降れば下(長浜市や米原市)にも雪が降ると言われていました。
今年は特に雪が降らず、伊吹山も中腹より上しか雪がない日が多かったです。
今も長浜市内からはスキー場の後が綺麗に見えます。
スキーをする私からしてみれば雪不足やスキー人口の減少は痛いです。
おんたけ2240のチャンピオンゲレンデの下でお昼ご飯を食べたことや、志賀高原のロープウェイに乗りたくてわざわざシャトルバスで乗り場まで移動したり、こちらのブログを読ませていただいて懐かしい様々な思い出が蘇りました。
これからも陰ながら応援させていただきます。
Posted by たんたん at 2016年05月10日 14:25
懐かしく拝見させていただきました。当方78歳の老人ですが、今から60年前の18歳の時、友人に連れてもらった初めてのスキー場です。麓の民宿晴峰園に荷物を預け夕方から登山リフトで上がりました。すでにアイスバーンになっているところへ友人もやっとボーゲンが出来る程度で、初めての私は数え切れないほどこけたのを思い出しました。下りようとした頃にはすでにリフトは終了しておりました。係員からは無常にも林道を下りるしかないと言われました。スキー場ですべられない足で林道の雪道をスキーでおりるのですから大変で、林道から何度も逸れ、雪の斜面をころげ落ちました。何時間もかけやっとの思いで宿へたどりつきました。遅いので心配していた宿の主人から「よく帰れたな、伊吹山でも遭難があった」と聞かされぞっとしたのがよみがえってきました。その後何度か通い3合目からも滑れるようになった懐かしく大好きなスキー場でした。ありがとうございました。
Posted by あっきゃん at 2017年02月10日 20:51
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