(左)案内図に「石川県第1号リフト跡」。(右)第1リフト降場跡。
獅子吼高原についてのレポート3回め(=最終回)は、山頂部の北側にあった北沢ゲレンデについて取り上げたい。なお、地図は前回掲載のものを参照してほしい。
センターハウス前から旧南沢ゲレンデ(ペアリフト)と反対側に歩くと「獅子吼遊歩道案内図」という案内看板があった。そこには「石川県第1号リフト跡」の記入がある。その図に従って直進すると、右手の藪の中に錆びついたリフト降場の施設が残っていた。北沢ゲレンデの第1リフト(シングルリフトか?)のものだろう。そこから北東方向に向けて草地のゲレンデの痕跡が下っていて、リフトの支柱が点々と続いている。ワイヤーやチェアは残っていない。目を上げると遠く剣岳・立山方面の真っ白な山並みが見えた。
(左)第1リフトの支柱とゲレンデ。遠く剣岳・立山方面の眺望。(右)第1リフト中間部では林道とリフトが並行している。
稜線の東側直下の林道を北東方向に下っていくと、やがてリフトの支柱と平行するようになる。しかし、その先は固く施錠されたフェンスで行き止まり。どうやら、林道経由で山頂部には行けないようにする措置のようだ。そこで山麓部までゴンドラで降り、車で大きく北側を迂回してこの林道を山麓部から上がっていくことにした。舗装林道を10kmほど走れば「日本海スピードウェイ」と書かれたサーキットの傍らに到着。このあたりが北沢ゲレンデの中心部だったと思われる。レストハウスや駐車場もあったのだろうか。営業当時、ここまで車で来られたのかもわからないが。
(左)第2リフトの降場跡。すぐ横はサーキットになっている。(右)第2リフト上部から下部を見下ろす。前方は内川ダム。
サーキットの横に下部の第2リフト(シングルと思われる)の降場が、樹木が巻き付き錆びついて立っていた。草の生い茂るゲレンデの痕跡とリフトの支柱が北東側に向かって下っている。こちらもワイヤーとチェアは残っていない。支柱には「獅子吼の森、よみがえれ」という文字が書かれていて、ゲレンデ廃止後に植林の取り組みが進められたことを物語っていた。斜面の先には内川ダムと金沢市南部の丘陵地域が見える。中級クラスの程よい斜面に思えた。
そこから少し離れて、南西方向の樹林の中にリフト乗場が残っている。先ほど山頂部で見た第1リフトの最下部である。林道を閉鎖しているフェンス越しにリフトの支柱が点々と山頂部まで続いているのが見て取れる。北沢ゲレンデについては、ゲレンデ・リフトの痕跡が予想以上に残っていた。尾根上をたどるような展望のよいコースであり、こちちも営業中に滑ってみたかったという思いに駆られた。(現地訪問:2015年12月)
(左)第1リフト乗場跡。(右)左の樹林の中に第1リフト乗場。そこから山頂部にリフト支柱が続いている。
こちらもご覧ください → 「獅子吼高原スキー場[スカイ獅子吼 南沢ゲレンデ]」
「獅子吼高原スキー場[日本海コース]」