(左)前方に第3ペアリフトの跡。(右)第2リフトの跡。右にAコース、左にBコース。
目の前には、八雲ヶ原の北西側斜面に数本のコースが並んでいる。一番左に第3ペアリフト(660m)があったようだが、リフト乗場の跡はわからないものの、前方の樹林に切開きの跡がはっきり残っている。その右にCコース(中級)・Bコース(中級)が並んでいた。Bコースは非圧雪だったようだ。背の高い草が茂りはじめているが、コースの跡はまだしっかり残っている。その右に第2リフト(460m)。こちらもリフト乗場の痕跡はわからないが、樹林の切開きの跡が残っている。一番右に初級向けの緩斜面Aコースがあった。
自然の地形を利用し、どのコースも狭く急なカーブや落ち込みもあって変化に富んでいた。山スキーに近い世界だったようだ。標高が高いため、この地域にしては雪質は良かったという。また、リフト待ちが少なく、客層としては家族連れなども多かったようだ。今日は北西側ゲレンデ最上部までは登ることはできなかったが、展望は素晴らしかったに違いない。
(左)Aコースの中腹部から見おろす。前方は八雲ゲレンデ。(右)八雲ヶ原から八雲ゲレンデ方面を見上げる。
大パノラマや個性的なコースなどにより独得のカラーを持っていたため、固定ファンも多かったという。当初シングル1基だったリフトも80~90年代に増強され、ペア2基・シングル1基となった。バブル期には拡張計画もあったが、自然保護の観点からの反対運動もあったようだ。
利用客の減少が続き、2004年3月にロッジやロープウェイを含むスキー場全体の廃止に至った。その後、2006年4月から2007年11月にかけて索道施設の撤去と跡地の自然回復が行われたという。
このスキー場が廃止されたことには寂しさを感じる一方、美しい湿原や樹林も広がる自然豊かな山域であることも知り、その自然がいつまでも残されることを願わずにはいられなかった。(現地訪問:2016年4月)
(左)木道が整備された八雲ヶ原湿原。(右)北比良峠からスキー場上部が見える。その向こうに武奈ヶ岳が顔を出している。
こちらもご覧ください→「比良山スキー場(その1)」「比良山スキー場(その2)」
ブログ、拝読させていただきました。
元比良山スキーパトロールで、比良山スキークラブの元メンバーです。
今は関西を離れて暮らしておりますが、比良が閉鎖されてからずいぶんと経って、このようなブログ記事と写真を拝見できるのを嬉しく思います。
比良山は、地元のSAJの各スキークラブやスキーパトロール(や、それを目指す人たち)がトレーニングに来るような山でした。
営業を終えてから、スノーモービルで引っ張り上げてもらいながら、SAJ1級やパトロール合格を目指して比良ロッジに泊まる人たちが練習するような、家庭的な山でした。
懐かしい山のルポを書いていただいて感謝いたします。
今後も、ご健康に気を付けてあちこちの山を巡ってください。
追記:私は圧雪車の運転もしておりましたが、Aコースだけでなく、Cコースも圧雪をしていましたよ。
廃村マニアの私は桃原に昔行ったことがありますが、スキー場の面影は全くありませんでした・・・
ご参考までに
http://blogs.yahoo.co.jp/sola_mame55/63663938.html