

昨冬は志賀高原のリフト改廃について調べた。もう動かないだろうと思ったリフトが多客期には「稼働していた」という指摘も受け、難しさも感じた。しかし一方、スキー場の歴史の流れの一部を記録できたのではないかと思う。
そこで、今回は長野から近いところで野沢温泉について取り上げてみたいと考えた。私の手元にある最も古い資料は、1987シーズンのゲレンデマップ。このマップにあるリフトと今シーズンのリフトの比較表をつくってみたのが上の表である。
もちろん輸送力増強のため、クワッド(同スキー場では「フォー」と呼ぶ)やペアなどに架け替えられているものが多い。しかし一方、現在はまったくリフトのない位置に存在したものも見受けられる。上のマップ上に○印をし、別表上に色を塗った11のリフトがそれに該当する。
その中には「ここにリフトがあると便利なのだが」と思えるものも中には見られる。シーズンインした現在は、これらのリフトの痕跡を探すことは難しいだろうけれど、野沢温泉に行って可能な範囲で調べたいと思う。近々、現地に赴いてみたいと思う。
こちらもご覧ください → 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その2 山麓部) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その3 中間部) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その4 山頂部)
一覧表では、やまびこエリアの「やまびこリフト」が「やまびこフォー」に架替となっていますが、これは誤りです。現在の「やまびこフォー」は1994シーズンにやまびこゲレンデが拡張された際に新たに設けられたリフトです。
記載の「やまびこリフト」は小毛無ゲレンデを見上げた中腹左手に乗場があり、降り場は記載の「やまびこペアリフト」とほぼ同じ場所にありました。「やまびこペアリフト」は現在の「やまびこ第2フォーリフト」と全く同じラインであり、やまびこゲレンデ拡張前はこの降り場が野沢温泉スキー場の最上部でありました。現在の最上部は「やまびこフォーリフト」の降り場付近になります。
別記事で書かれています「湯の峰第2リフト」から「やまびこリフト」は、小毛無ゲレンデを横切るようにしてトラバースすると無理なく乗り継げる位置関係でした。いずれのリフトも乗場、降り場の痕跡は殆ど無くなっていますが、よく見ると森が切り分けられた部分が今でも残っています。
ですので「やまびこリフト」は消滅という部類に入るのかと思われます。
やまびこゲレンデの拡張されたエリアは現在でも野沢一番の人気エリアで、ハイシーズンには唯一架けられている「やまびこフォーリフト」は大行列状態です。でも待ってもせいぜい10分程度ですが。
拡張当初は同じラインにペアリフト一基もあったのですが、ここ10年近くは稼働していません。しかし撤去もされてないのでいつかは復活すると期待しているところですが…、難しそうな感じはします。
以上、今回も長文にて失礼いたしました。