(左)ゲレンデ下。(右)中央ゲレンデとその右に第2リフト。
昨年12月には「みなかみの大穴スキー場 老朽化や集客減で営業今季限りに」と新聞報道があった(上毛新聞)。「施設の老朽化や入り込み客数の減少が主な原因。昭和初期に開設された、群馬県内でも草分け的存在のスキー場閉鎖に、地元住民や観光関係者から惜しむ声が上がっている」と書かれていた。なお、営業終了後は太陽光パネルの設置が検討されているようだ。
1931(昭和6)年の開設。首都圏からも近く、各種大会の会場にもなった。最盛期には年間5万人ほどの利用者があったという。リフト2本だけであったが、小規模ながらも老舗スキー場というポジションだったと思う。周囲のスキー場にくらべ.ると、ファミリー向けの小規模ゲレンデという位置づけになっていたと感じる。
3月初旬、営業期間も残りわずかになった週末に現地を訪問。3月は週末のみ営業。駐車場へのアクセスが細道でわかりにくい。今年は雪が少なく、すでに土が出ている箇所もあり、コンディションは良いとはいえない。しかし、家族連れを中心として意外に多くの人が訪れていた。といっても、滑っている人数を数えられるくらいなのだが。
(左)第3ペアリフト。
ゲレンデ下で地元の人らしい小父さんに「今年で終わりだそうですね」と声をかけると「寂しくなるけど、仕方ないねえ」という答えが返ってきた。3月21日まで営業の予定であったが、雪が少なく、結局3月10日で営業終了。Twitterでも「今シーズンを最後に大穴スキー場は閉鎖となります。いままでご来場頂きました全てのお客様に、心より御礼申し上げます」と告げられている。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されていた。「水上温泉から15分の距離にあり、古くから開けた老舗スキー場。オールドファンも多い。湯檜曽温泉も近い。最大斜度37度の上級者向け北原ゲレンデと中級者向けの中央ゲレンデ。子ども用広場があり、ファミリーに最適。コースは3本」(現地訪問:2019年3月)
駐車場もスキー場とは別経営だったりと現代ではあまり馴染みのない経営形態でした。
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さて大穴スキー場ですが、水上から車で前を通りがかると激烈な急斜面が見え、ここは大きなスキー大会が開かれたこともある…との父の説明に納得したものです。
とても初心者が近づくゲレンデではないと子供の脳に刷り込まれ、そのまま大人になっても訪れることなく閉鎖されてしまったことが悔やまれます。