(左)中三依温泉駅ホームから、右手にゲレンデが見える。(右)駅前広場から右手のガードをくぐりゲレンデへ。
スキー場メグラーの人々のブログなどを見て、このスキー場の名前は以前から知っていた。このようなスキー場の取り扱いは難しい。「追憶」といってしまっていいのかどうか。以前あったロープトウはいまや稼働していないようだけれど、ソリ遊び場のような形では存続しているのかもしれない。
いずれにしても現地を確認したいと思って出かけた。場所は、日光・鬼怒川方面と会津若松方面を結ぶ野岩鉄道・中三依温泉駅の目の前である。国道121号もすぐ近くを走っている。無人・交換駅のやや高い位置にある島型ホームから、眼下にゲレンデを見おろすことができる。駅前広場からは線路下のガードをくぐって、裏側にあるゲレンデに向かう。
(左)駅ホームから見たゲレンデ全景。(右)左上は駅のホーム、右手にそば打ち道場の建物。
ゲレンデ下にある建物は「そば打ち道場」となっている。レストハウスも兼ねていたのだろうか。見上げるゲレンデは、トップを要とする扇形で、ごく小規模な緩斜面である。滑走距離は150mと書かれた資料を見たことがある。ゲレンデ上部には「みよりファミリースキー場」という文字がかすれた看板が掲げられていた。
(左)ゲレンデ下。そば打ち道場の建物の向こうにレンタルスキーや券売の小屋。(右)草木が絡みついていたロープトウの機械。
ゲレンデ左下にはロープトウの機械が残っていたが、草木が絡みついていて、しばらく稼働していないことを物語っていた。その手前には券売所の小屋とレンタルスキーの小屋。「ポニーリフト料金 子供600円 大人1200円」とある。おそらくは1日券の料金だろう。そんな掲示くらいにしか、かつての賑わいを追い起させるものは見つけられなかった。
季節的なものかもしれないが、駅の周囲に人通りもなく閑散としている。駅名に温泉がついているのだからと、温泉を探した。すぐ近くに「男鹿の湯」という施設があったけれど、冬期休業。この男鹿の湯を中心に振興をはかろうとしているようなのだが、残念ながらスキー場がその一翼を担うことはもうないのだろう。(現地訪問:2019年3月)

(左)ゲレンデ中腹から駅のホームが見える。周囲の風景もなかなか良い。