2021年05月12日

国見岳スキー場(岐阜県揖斐川町)

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(左)案内板には「休」の文字。(右)ゲレンデ下はレトロな雰囲気。

岐阜県と滋賀県を隔てる稜線は伊吹山から北へと続いている。その中の国見岳北側に位置していたのが、国見岳スキー場。その国見岳スキー場が昨シーズン限りで廃業したと教えてくれたのは、本ブログでもたびたびお世話になっている西濃にお住いのKさんだった。

彼からの本年1月のメールには「お別れを言おうと行ってきましたが民家が途切れた所で除雪は終わり。たどり着けませんでした。これで岐阜県西濃地方のスキー場は全滅です」と記されていた。「スキー場までの道路といい駐車場・レストハウスなど、総てが 昭和40年代そのものでした」とも書かれていた。

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(左)廃止済のシングルリフト乗場。(右)ロッジの壁にあったゲレンデマップ。

公式の発表はないが昨シーズン営業はされなかったし、代表電話番号が不通で公式ウェブサイトも閉鎖ということなので、営業を取りやめたと考えていいだろう。信州人にとってはなじみの深い地域ではないが、岐阜方面への所用にあわせて現地を訪れてみた。

大垣市の中心部から30kmあまり。旧春日村の中心地を過ぎるあたりから道はか細くなり、案内板がなければこの先にスキー場があるのか不安になるくらい。雪道運転に慣れない人には厳しかったのではないだろうか。途中の「国見岳」の案内板には「休」と大きく書かれていた。

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(左)第3ロマンス乗場。(右)第2リフト(シングル)乗場。

案内板に導かれるようにゲレンデ右手の第3駐車場まで入ることができた。一番手前(右手)にひと昔前に廃止になったと思われるシングルリフト。その向こうには搬器を外された3本のリフトが並列に架かっている。ゲレンデ下にはロッジ・食堂・スキー教室などの建物がいくつも軒を連ねている。

しかし、それらの建物はいずれも昭和の雰囲気を十分に感じさせるもの。リフトも含めてひと昔前の雰囲気を感じさせているけれど、こんな味わいは嫌いではない。見上げるゲレンデは快適に滑れそうなバーンが並んでいる。並列に並んだ比較的単純なゲレンデ構成だけれど、手軽に楽しめそうな印象を受ける。

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(左)中央ゲレンデは幅の広い緩斜面。(右)少し左に離れた第4ペアパラ乗場。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されている。「滋賀・岐阜県境の国見岳の北斜面。伊吹山に近いが、アクセス路は大垣方面からのみ。初・中・上級の各コースが2本ずつ。スノーマシンを装備して雪量は心配なし。火水木土は22時までナイターあり」

スノーマシンは設けられていたようだが、積雪はどうだったのだろうか。連日のナイター営業もあったようだが、林立するナイターの照明がいまとなってはむなしく感じられた。(現地訪問:2021年5月)

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(左)かもしかゲレンデ下部。(右)国見峠への道からユートピアゲレンデ上部。
この記事へのコメント
 国見岳スキー場、去年は暖冬で一日も営業できず、今年はどうなったか気にしつつ、2月末にスクールの方に会い、廃業を知りました。珍しい個人経営のスキー場で後継者もなく(娘さんしかいなく地元にいないと聞きました。)、老夫婦のどちらかが倒れたら廃業とは聞いてましたが、暖冬が廃業を早めました。ナイターやってた頃は仕事をこっそり早めに切り上げて行ったり、最後の坂はFFスタッドレスでは登れずにチェーン巻いたり、レストランにある色褪せた「わたスキ」のポスター見るのが楽しみでした。ナイターで豚汁サービスしてくれたり、「昼間より夜の方がお客が多いです。」とアナウンスしたり、突然「今日は料金値下げ」と言って料金下げたり、色々思い出深いスキー場でした。寂しいですが仕方ないですね。(スノーマシンありましたが最後の頃は稼働してなかったですね。)
Posted by 鷹さん at 2021年06月07日 19:55
先日近くに行ったついでに、改めて見に行ってまいりました。設備も撤去されていると人づてに聞いていましたが、まだ残っていました。こっそり敷地内に入ってみましたが、一面のススキの原っぱが広がり、搬器もリフト近くにシートをかけておかれていました。最近は暖冬で営業できなかった年もあるくらいなので、代わりにやっていただけるような方は見えないと思いますが、いつでも再稼働可能のような状態でした。西濃地区にスキー場がないのはさみしい限りですが、今の状況では仕方ないですね。
Posted by 鷹さん at 2021年10月25日 11:14
子供の頃何度か親に連れて行ってもらったゲレンデです。国見岳、揖斐高原、長者平、遊ランド、全てなくなってしまいまい寂しいですね。国見岳はナイターやってたので、仕事終わってから何度か行ってました。とてもリーズナブルな値段で滑れるのが良かったです。
しかし、年々ナイター営業する曜日も減り行く機会もなくなってしまいました。一度ナイターの際に漏電でリフトが停止して、途中で滑車とワイヤーで吊られて降ろされたことがありました。そんな貴重な体験したのも国見岳の思い出の1つです。
 ただ、アクセスする道路に難ありで、駐車場が無料だったのは良かったのですが、車幅1台分の道が長く続くため、朝と夕であれば、進行方向が揃うので問題ないですが、昼は、昼で帰る人と昼から来る人で、車が何十台と詰まり動けなくなったことがありました。今となってはいい思い出ですが。
私は廃墟も興味があるので、このサイトは非常にありがたく拝見しております。
関係ないですが、廃墟を観る際は、”コレって実際どうなの課”の廃墟コーナーで流れる、米津玄師さんの海の幽霊を聞きながら見てしまいます。
Posted by インバース at 2021年12月20日 01:11
滑っておいて、良かった。
ゲレンデ自体はとてもよかったです。
アクセスが悪く、4WD推奨なのが面白かった。
Posted by おじじ at 2024年01月30日 09:19
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