(左)案内板には「休」の文字。(右)ゲレンデ下はレトロな雰囲気。
岐阜県と滋賀県を隔てる稜線は伊吹山から北へと続いている。その中の国見岳北側に位置していたのが、国見岳スキー場。その国見岳スキー場が昨シーズン限りで廃業したと教えてくれたのは、本ブログでもたびたびお世話になっている西濃にお住いのKさんだった。
彼からの本年1月のメールには「お別れを言おうと行ってきましたが民家が途切れた所で除雪は終わり。たどり着けませんでした。これで岐阜県西濃地方のスキー場は全滅です」と記されていた。「スキー場までの道路といい駐車場・レストハウスなど、総てが 昭和40年代そのものでした」とも書かれていた。
(左)廃止済のシングルリフト乗場。(右)ロッジの壁にあったゲレンデマップ。
公式の発表はないが昨シーズン営業はされなかったし、代表電話番号が不通で公式ウェブサイトも閉鎖ということなので、営業を取りやめたと考えていいだろう。信州人にとってはなじみの深い地域ではないが、岐阜方面への所用にあわせて現地を訪れてみた。
大垣市の中心部から30kmあまり。旧春日村の中心地を過ぎるあたりから道はか細くなり、案内板がなければこの先にスキー場があるのか不安になるくらい。雪道運転に慣れない人には厳しかったのではないだろうか。途中の「国見岳」の案内板には「休」と大きく書かれていた。
(左)第3ロマンス乗場。(右)第2リフト(シングル)乗場。
案内板に導かれるようにゲレンデ右手の第3駐車場まで入ることができた。一番手前(右手)にひと昔前に廃止になったと思われるシングルリフト。その向こうには搬器を外された3本のリフトが並列に架かっている。ゲレンデ下にはロッジ・食堂・スキー教室などの建物がいくつも軒を連ねている。
しかし、それらの建物はいずれも昭和の雰囲気を十分に感じさせるもの。リフトも含めてひと昔前の雰囲気を感じさせているけれど、こんな味わいは嫌いではない。見上げるゲレンデは快適に滑れそうなバーンが並んでいる。並列に並んだ比較的単純なゲレンデ構成だけれど、手軽に楽しめそうな印象を受ける。
(左)中央ゲレンデは幅の広い緩斜面。(右)少し左に離れた第4ペアパラ乗場。
「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されている。「滋賀・岐阜県境の国見岳の北斜面。伊吹山に近いが、アクセス路は大垣方面からのみ。初・中・上級の各コースが2本ずつ。スノーマシンを装備して雪量は心配なし。火水木土は22時までナイターあり」
スノーマシンは設けられていたようだが、積雪はどうだったのだろうか。連日のナイター営業もあったようだが、林立するナイターの照明がいまとなってはむなしく感じられた。(現地訪問:2021年5月)
(左)かもしかゲレンデ下部。(右)国見峠への道からユートピアゲレンデ上部。
しかし、年々ナイター営業する曜日も減り行く機会もなくなってしまいました。一度ナイターの際に漏電でリフトが停止して、途中で滑車とワイヤーで吊られて降ろされたことがありました。そんな貴重な体験したのも国見岳の思い出の1つです。
ただ、アクセスする道路に難ありで、駐車場が無料だったのは良かったのですが、車幅1台分の道が長く続くため、朝と夕であれば、進行方向が揃うので問題ないですが、昼は、昼で帰る人と昼から来る人で、車が何十台と詰まり動けなくなったことがありました。今となってはいい思い出ですが。
私は廃墟も興味があるので、このサイトは非常にありがたく拝見しております。
関係ないですが、廃墟を観る際は、”コレって実際どうなの課”の廃墟コーナーで流れる、米津玄師さんの海の幽霊を聞きながら見てしまいます。
ゲレンデ自体はとてもよかったです。
アクセスが悪く、4WD推奨なのが面白かった。