(左)ゲレンデ下のヴィレッジハウス(2010年1月訪問時)。(右)古くは上越国際のマップにも記載されていた(1989シーズンのパンフレット)。
なかさと清津スキー場のホームページで来シーズンの営業休止が告げられている。「来シーズン(2022-2023)は3年間のコロナ禍による来場者数の減少や設備の状況により、誠に勝手ながら営業を休止いたします。来シーズン以降の営業につきましては今後の状況等を見ながら判断いたします」となっている。2024シーズン以降の動向はわからないものの、予断を許さないのではないだろうか。
なかさと清津は当初、広大な上越国際スキー場の一部として計画されていた。当時の上越国際のゲレンデマップには清津ゲレンデとして掲載され、いずれ当間ゲレンデとつながるのだろうと考えられていた。実際、当間山を挟んでリフトを数本架ければつながりそうである。しかし、バブル崩壊の時期にあたり、その計画は頓挫したものと思われる。
(左)ゲレンデ内にあったマップ。ペア2基はすでに稼働せず。「上越国際清津ゲレンデ」の表記のままだった。(右)稼働していない「ファミリーロマンス」沿いから信濃川方面を見下ろす。(いずれも2010年1月)
その後、「なかさと清津スキー場」と独立したスキー場を名乗るようになり、現在に至っている。運営は現在まで上越国際と一体でおこなわれているのではないだろうか。最盛期にはクワッド1本の他、ペアリフト2本もありそれなりの規模であったが、後にペアリフトは休止となりクワッドだけの営業となった。
私は2010年1月に滑りに出かけた。国道117号から南東部の山中へと入る。駐車場の目の前にあるヴィレッジハウスという建物は、上越国際のグリーンプラザの縮小版といった趣き。レストランなどが入ったいわゆるセンターハウスである。稼働していたのはクワッド1本だけ。コースは初中級中心だったが、気持ちよく滑ることができた。一部、圧雪されていないコースもあった。
(左)クワッドリフト乗場(2010年1月)。(右)アクセス道の案内板。前方にスキー場を俯瞰する。(以下、2022年4月)。
当時、すでに曜日を限定しての営業になっていた。土曜日にもかかわらず滑っている人は少なくて、少々寂しかった。しかし、ゲレンデ上部から見おろす信濃川の河岸段丘の眺めはなかなかのもの。「上越国際清津スキー場」という表記も残っているなど、各所に上越国際の名残が感じられるのも面白かった。
「オースキー場完全ガイド2000(立風書房)」には上越国際スキー場の紹介ページに「清津ゲレンデ」として紹介がある。「当間ゲレンデの裏側の穴場的スキー場。'98シーズンに新コースが3本できてリニューアルオープンした。全体的に初中級者向きの緩斜面だが、ハーフパイプやワンメイクにもチャレンジでき、スキーポール専用バーンもできた」。
(左)以前とデザインが変わったヴィレッジハウス。左手にクワッド乗場。(右)以前から稼働していない「からまつロマンスリフト」。
あらためて現地を訪れてみた。さすがに車道に雪はないが、両側の田畑にはまだ多くの雪が残っていた。正面にゲレンデの姿を見ながらアクセス道を進む。道脇の「なかさと清津スキー場」の案内板も健在。ゲレンデ下に建つ印象的なヴィレッジハウスの外観デザインは少し変更されたようだ。まだ多くの緩んだ雪が残っていて、ヴィレッジハウスの脇からゲレンデを見上げることしかできなかった。
2024シーズン以降の動向は未定のため、建物やリフトなどの施設にはいまのところ変更は見られない。雪を運搬するダンプが走り回っている、と思ったら、スキー場の駐車場脇が雪捨て場になっているためだった。随分暖かくなったが、周囲にはまだまだ多くの雪が残っていた。(現地訪問:2022年4月)
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近年は更新されてませんが、参考になるかも
美奈駐車場からメインの長峰へ出るロマンスリフトがなくなり、美奈スキーヤーズセンターも廃墟化が進んでいるようですが、上越国際に行くたびに出来ればもう一度あの立体模型を拝んでみたい…と思っています。