(左)アクセス道にある看板。(右)第1ゲレンデ下から見上げる。
岐阜県高山市内には現在、3箇所のスキー場がある。飛騨高山スキー場・モンデウス飛騨位山・飛騨舟山アルコピア。このうち、モンデウスとアルコピアのいずれかを廃止するという高山市の方向性が示されたのが2020年3月のこと。「スキー人口の減少や近年の雪不足による営業日の短縮で、厳しい経営が続いたため」と報じられた(岐阜新聞)。
両スキー場とも過去に1回しか滑ったことがなかったけれど、個人的にはアルコピアの方が楽しかった記憶があった。上部のペアリフト沿いの斜面が気持ちよかった。しかし期待は裏切られ、2022年4月には「岐阜県高山市は市営スキー場のひだ舟山スノーリゾートアルコピアを来期限りで廃止する方針を明らかにした」と報じられた(岐阜新聞)。
(左)時間がたつとピーチライナーにリフト待ちが。(右)第1ゲレンデ上部から見おろす。
「アルコピアの方が相対的にゲレンデなどが狭く、施設が古いため廃止とした」また「(モンデウスは)全てが市有地であることや、耐用年数が24年残るセンターハウス機能が中長期的に使用が可能である」ということである。
スキー場ガイドには以下のように紹介されていた。「飛騨地区のスキー場の中では中京地方からはもっとも近い。飛騨の中心にある久々野を舞台に広大なスロープが展開。『アルコピア』はイタリア語のアルク:箱舟とユートピア:理想郷からの造語。別名・飛騨の桃源郷と呼ばれ、自然休養村としての設備も万全だ(オールスキー場完全ガイド2000、立風書房)」最大斜度38度、最長滑走距離2,900m、最盛期にはリフト6本。
2022-23のラストシーズンにアルコピアに滑りにいかなければと思っていたが、安房峠を越えて飛騨まで出かけるのが億劫だった。しかし、本ブログでよくお世話になっている西濃にお住いのKさんから「早く行かないと雪がなくなっちゃいますよ あそこは…」といわれ、あわてて出かけた。
(左)第1ゲレンデ上部から見たリーゼンコース。(右)ペアライナー乗場。
飛騨高山からはすぐ先だという記憶があったが、かなりの距離を南下せねばならず、モンデウスの方が位置的にも有利だったことを知らされる。アクセス道路の入口には派手な看板があり、ラストシーズンの平日1日券1,000円をアピールとしていた。訪れたのは休日だったけれど、リフト運転開始直後にもかかわらず、駐車場に多くの車があるのに驚いた。シニアの午前券(1,880円)で滑りはじめる。
朝のうちはまずまずの人出だったが、だんだん下部のピーチライナーはリフト待ちが出るほどの賑わいになった。緩斜面の第1ゲレンデは家族連れも多く、とても今シーズンが最後のスキー場とは思えない。それからはもっぱら上部のペアライナーを使って滑った。きょう稼働しているリフトはこの2本のみ。上部もチャンピオンコースは滑ることができず、もっぱらリーゼンコースで楽しんだ。
(左)ペアライナー上部からジャイアントコース(本日滑走不可)を見おろす。
残念ながら雪質は良いとはいえない。固い人工雪がベースにあって、その上にやや重い新雪が数センチのっている感じ。足を取られたり、何本か滑っていると脚に疲れがくる雪質である。しかし、リーゼンコースはなかなか楽しく滑ることができた。今日の賑わいを見ると、これがラストシーズンとは思えなかった。(現地訪問:2023年2月)
【追記】2023年3月12日(日)が最終営業日とのことである。
【追記】地元の男性が運営会社を立ち上げ、一部施設の譲渡を受け、従来の1/3程度の広さのレジャー施設として再開。リフトは稼働しないがスキー、雪遊び、キャンプなどが楽しめる施設とのこと。(2023年12月16日 NHK NEWS WEB)
アルコピアを愛する者です。
遠くからのご来場ありがとうございました。
自分は一時期Ciaoをホームにしていました。管理者様の記事を拝見しとても寂しさを感じました。そして、アルコピアが今シーズンで閉鎖です。10年もしない間にホームが次々と閉鎖されて行くのは時代の流れとは言え猛烈な寂しさを感じます。思い起こせば初めてスキーを始めた幼少期に訪れた鈴蘭も一色国際も今はありません。噂レベルですがアルコピアは一時期、有志が集まり民間で立ち上げる計画があったそうですが地権者と揉めて頓挫しているようです。アルコピアにはボロくても個性的でおいしい食堂が多くあり、あきませんでした。とても良いスキー場でした。営業最終日まであと数回は訪れてみます。