2020年08月01日

六呂師高原スキー場[再開・その2](福井県大野市)

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(左)アクセス道への分岐にある案内板。(右)広い駐車場から、右に温泉施設とホテル、左にヒュッテ。

六呂師高原スキー場は、2013年12月に経営する事業組合が福井地裁に自己破産を申請。スキー場・ホテル・温泉施設などが事業停止に追い込まれた。最盛期にはリフト3基を擁し、来場者は約13万人にのぼっていたが、後発のスキー場との競争や設備の老朽化などにより来場者数は激減していた。

80年近い歴史に幕を下ろしたかに見えたが、2016年12月に簡易リフト(Tバー)2基を設置して、スキー体験施設として再開することが報じられた。ゲレンデ下の温泉施設「うらら館」も営業再開。限定的な形ではあるものの、グラススキーも可能な通年型スポーツ施設になるという。いつか再訪しなければならないと思っていたが、雁が原への訪問と合わせて、訪れてみた。

大野市街の北東の山麓に車を走らせると、曲がり角には「六呂師スキー場」を示す案内板が健在。ゲレンデ下へのアクセス道をたどると、草地の高原が広がっている。前回は天気が悪くて気が付かなかったが、周囲には牧場もあり、広々とした景観が気持ちよい。ゲレンデ下の温泉施設やホテルやヒュッテの建物も残っている。しかし、リフト施設はすべて撤去されている。脇のコンクリート階段はリフト施設の痕跡だろうか。

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(左)人工マットが敷かれたゲレンデ。(右)少し上がった牧場からゲレンデ下を見おろす。

梅雨空が爽やかな高原を覆っている。広い駐車場から斜面を見上げると、人工マットが敷かれたゲレンデが見えた。長さは300mほどだろうか。右側には簡易(Tバー)リフトが設置されている。冬期も設置される簡易リフトの長さは同じだから、冬期のゲレンデもこの範囲なのだろう。

以前のゲレンデ面積を考えると少々寂しいけれど、客層や収支を考えるとこの程度の規模が適切と判断されたのだろう。現在のスキー人口などを考えると、こうした形態はやむを得ない選択なのだろうと思った。「通年型」といっても、平日なので人影や車もほとんど見られなかった。(現地訪問:2020年7月)

こちらもご覧ください → 六呂師高原スキー場[再開]

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2020年07月10日

雁が原スキー場(福井県勝山市)

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(左)国道沿いの案内板。(右)ゲレンデ下部の駐車場付近からリフト乗場を見る。

本年2月、雁が原スキー場の経営主体が福井地裁に自己破産を申請したことが報じられた。2020シーズンは暖冬による雪不足でスキー場をオープンできず、事業継続を断念したもの。社長は「続けたいが温暖化が続く中での運営は厳しく、苦渋の決断。スキー場がなくなるのは寂しい」とコメントした。

1956年にオープン。福井県内のスキー場としては六呂師高原スキー場とともに草分け的な存在。ピークの1996年には約13万人が訪れた。2019シーズンは積雪が少なく2週間程度しか営業できず、2020シーズンも福井県内の小学校40校以上からスキー教室の予約も入っていたが、積雪が見込めず営業を断念していた。

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(左)ゲレンデ下のリフト乗場。右にクワッド、左にパラリフト。(右)ゲレンデ下部のロッヂ。

「オールスキー場完全ガイド2000」(立風書房)には以下のように紹介されている。「加越国境に連なる法恩寺山の長大な裾野に開かれ、斜度10~21度のゆるやかな斜度の続くゲレンデはすべて初中級向きで、家族連れには喜ばれている。下から第1ゲレンデ、第2ゲレンデ、ベース地点から見えない第3ゲレンデに分けられる。宿泊には勝山市か福井市を利用するシティゲレンデ。日帰りが中心で、ナイターがにぎわう」

勝山市中心街から車でほんの数分。裏山のような場所にある。国道157号から右折する場所にある「雁が原スキー場」の案内板はそのまま。アクセス道路を数百メールで、もうゲレンデ下部に至る。広大な駐車場が用意され、正面にリフト乗場、左手に雁が原ロッヂの建物。リフトの支柱は真新しく、最近整備されたように見える。リフト乗場左側には3本ほどのコースがあり、意外に規模が大きかったことを思い知らされた。

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(左)ゲレンデ中間部から下部を見おろす。リフトの支柱が並んでいる。(右)上部のゲレンデ。第3リフトは撤去済。

一方、ゲレンデ脇から中間部に入ってみると、クワッドリフトやシングルリフトの支柱がそのまま立っている。リフトはいずれも搬器をはずされた状態。上部に向けてゲレンデ跡があるけれど、そこにあった第3リフトはずいぶん前に撤去されらしく見当たらない。眼下には勝山の盆地に恐竜博物館の建物が浮かんでいるように見えた。

ゲレンデの標高は220~420mで、温暖化が進む現在は積雪が厳しいだろう。全盛期にはリフト5本(クワッド1本、シングル4本。上部の第3リフトはその後廃止)、最長滑走距離1,500mの規模を誇りコースは5本あり、ナイター施設も備えていた。最大斜度21度で初中級者向けであり、キッズ専用のソリゲレンデも併設しファミリー層を中心に利用者を獲得していた。しかし、近年はスキー人口の減少や少子化の影響で客足は鈍化していた。

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(左)恐竜博物館付近から。右手に雁が原のリフト上部。左奥はジャム勝のゲレンデ。標高の違いは明らか。

夏季は駐車場をモータースポーツ場「ジムカーナ」とするほか、ドローンの講習場として活用。老朽化した設備の修繕も実施したが、営業を断念する事態となった。この先にはスキージャム勝山があり、客層は少し違うだろうが、積雪も多く規模も大きいジャム勝に人気を奪われていたのかもしれない。地域住民に親しまれたスキー場が、またひとつ姿を消すことになった。(2020年7月)
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2019年12月01日

勝原スキー場 (その2) (福井県大野市)

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(左)斜面の下からゲレンデ跡を見上げる。(右)少し上がった場所から斜面下を見おろす。

11月下旬に荒島岳に登山した。山頂からは白山や北アルプスなど、360度の展望を満喫することができた。その登山口には以前もレポートした勝原スキー場があったのだけれど、今回訪れてみるとリフト施設などがすっかり撤去されていた。登山道を歩いて、ゲレンデ最上部の様子も分かったので、あらためてレポートしたいと思う。

7年半前に訪問した時は、まだ第1ロマンスリフトは残されていた。いまはすっかり撤去されて、その跡地には桜の植樹が進められていた。登山者用駐車場の脇にはトイレや案内板が整備されている。斜面中央にまっすぐ舗装道がつけられていて、その道を登っていく。振り返ると右下にレストハウスの建物がまだ残っているのが見えた。

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(左)レストハウスを見おろす。(右)第1リフト終点の痕跡。

舗装が終わり、登山道は右折する。その角に第1リフト終点のコンクリートの残骸があった。登山道はしばらく右上へ上った後、左右に数回折り返して高度を増していく。足元は石がゴロゴロしている。その途中の道脇に「ガケあり転落注意」という看板があった。この箇所を第2リフトが横切っていたのだろう。前回訪問時に第2リフトはすでに撤去されていた。

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(左)第2リフトが横切っていた箇所か。(右)第2リフト終点の痕跡。

登山道はやや直登気味になり、小広い平坦地に出る。傍らにリフト施設の残骸があり、ここが第2リフト終点がったことがわかる。この地点の写真は、以前コメント欄にも寄せていただいたことを思い出した。前方には小荒島岳が望める。西側を見下ろすと、大野盆地が雲海に覆われているのが見えた。休日でもあるので、次々と登山者が登っていく。その多くはスキー場の痕跡には関心がないように見えた。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されている。「冬の九頭竜川を見下ろす景観が素晴らしい。30度の壁があるギンレイメインコース以外はビギナーバーン。ファミリー向きの日帰りスキー場。駅から徒歩でも近い」スキー場の営業休止から10年近い年月が流れ、その痕跡も次第に少なくなっているように感じられた。(現地訪問:2019年11月)

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(左)ゲレンデ最上部から見おろす大野盆地の雲海。

こちらもご覧ください → 「勝原スキー場(その1)」
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2015年06月13日

敦賀国際スキー場(福井県敦賀市)

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(左)国道161号沿いにある敦賀国際スキー場の廃墟と化した建物。大型車も前を頻繁に通過する。ゲレンデは建物の裏側。(右)ゲレンデ側から見た下部の建物。

関西(滋賀県)と北陸(福井県)を結ぶルートさまざまあるが、国道161号もそのひとつ。県境の滋賀県側には営業を続ける国境高原スキー場があるが、それと国道を挟んで相対する場所にあったのが敦賀国際スキー場。国道沿いにあるため目に付きやすく、多くの廃墟マニア的サイトに画像が掲載されている。いまさらではあるけれど現地を訪れてみた。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には以下のように紹介されている。「京都から車で2時間。R161に面する初中級向けスキー場。ゲレンデは初級、中級、上級コース各1コースずつ」シングルリフトが1基あった。

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(左)ゲレンデ左手にあるリフト。部分的に新しく見える。(右)側面から見たゲレンデ全体。規模は小さいもののさまざまなコース取りができそう。

国道沿いのスペースに車をとめて、ゲレンデに向かう。向かい合う国境高原は、並列に何本ものリフトが並び現役の貫禄を見せている。大型車も頻繁に行き交う国道を渡り敦賀国際の前に出る。国道沿いに建ち、至るところガラスが割れて廃墟と化している「敦賀国際スキー場」と書かれた建物は、リフト1基のスキー場にはやや不釣合いに大きく思える。レストランや宿泊施設であったようだ。向かって左手には三角尾根のロッヂ風建物。貸しスキーなどいくつかの建物が並び立っている。

左手には一段高く駐車場がとられていて、そこから程近く、ゲレンデトップに向かって左側にシングルリフトの残骸が残っている。チェアははずされているものの、機器や支柱・ワイヤーなどは稼動時そのままだ。最上部のリフト降場まで見通すことができる。左手の山腹はゲレンデをつくる際に造成したためだろうか、土が削り取られた斜面がむき出しになっている。ゲレンデ規模は思っていたよりも小ぶりだが、さまざまなコース取りができたようすが見て取れる。

2003シーズンを最後に閉鎖となった。滋賀・福井県境付近には他にもいくつものゲレンデが点在している。その影響もあったのだろうか。この規模では集客にも限界があったということだろうか。(現地訪問:2015年6月)

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(左)ゲレンデ中腹から見下ろす。建物の向こう側には国道を挟んで、国境高原スキー場が広がっている。
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2013年12月04日

ファミリースキー場オース(福井県福井市)

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(左)スキー場へのアクセス道。幅は狭いが滑り止めの凹凸がある。(右)斜面下には休憩舎。

このスキー場は厳密にいえば「追憶のゲレンデ」として取り上げるべきではないのかも知れない。というのも、一度もスキー場としての役割を果たしていないから、ここでスキーを楽しんだ追憶をもつ人もいないからだ。

「ファミリースキー場オース」は豪雪地帯の振興を図る旧国土庁の「雪国快適環境総合整備事業」の一環として、福井市と合併した旧美山町が総工費2億5500万円をかけ92年に着工。13,000平米を整備し94年に完成した。しかし、スキー場へのアクセス道路が幅4メートルしかなく、冬季に通行できなくなるなどの理由で開業できず、一度も利用されることなく2007年3月に廃止となった。その後、福井市は2007年8月27日に国・県に補助金への返納を発表。当然ながら無計画かつ無駄な公共事業の典型として批判をあびた。スキー場の設備として用意されたのは、ロープトウ1基、照明施設4基、20台分の駐車場。コースは全長180mであった。

過去に訪れた人のネット上の記録なども参考にして、晩秋の一日、現地を訪ねた。所在地は福井市所谷町。国道158号の旧道から越美南線小和清水駅付近で左折、芦見川に沿う谷を東に進み「リズムの森」を目指す。「リズムの森」というアスレチック・キャンプ場などを備えた施設の1本南側の東西に走る山際のか細い道、ここから南に向かって谷を登って行く舗装道を進む。途中の分岐は右へ。滑り止めのための凹凸のついた舗装道がスキー場斜面下まで導いてくれた。

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(左)斜面の下から見上げる。(右)ゲレンデ脇に用意されていた駐車場。

到着して驚いたことに、スキー場の斜面はオフロードバイクのコースと化していた。斜面を数台のバイクが轟音を立てて走り回っていた。斜面下には「休憩所」と看板が下げられた建物。その前で車をとめると、場違いな奴がやってきたと思われたのか、つなぎ姿の青年が近づいてきた。彼に尋ねると、確かにここがスキー場の跡地のようだった。しかし、「いまは私有地であり、何より危ないからあの斜面に立ち入ってはいけないよ」といわれた。もとより、バイクが走り回っている場所に立ち入るつもりはないのだが。

見上げる斜面はローブトウ1本架けるにはちょうどいいくらいの規模で北東向き。斜面下の建物はスキー場の休憩所として建てられたものだろうか。少し下って脇にはいると20台ほどの駐車場のスペースがあった。そして、その脇からも横向きに斜面を見ることができた。ナイター照明の支柱が空しく立っているのが印象的だった。適度な斜度で、ゲレンデとしては小規模であるがファミリー向けなら悪くないと思った。問題はやはりアクセス道だろうか。狭くて急で積雪時には厳しい道になるだろうと思われた。(現地訪問:2013年11月)

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(左)斜面の横から見上げる。ナイター照明の支柱が立っている。(右)「リズムの森」の前から。右手の山中にゲレンデがある。
posted by 急行野沢 at 23:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 福井県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする