2018年05月16日

北竜温泉ファミリースキー場(飯山市)

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(左)センターハウス前にあったゲレンデマップ。文化北竜館に隣接していた第2ゲレンデの表記はすでにない。(右)2年前に廃止された第2ゲレンデ(2016年2月撮影)。

2017年秋に同スキー場のHP上に以下のような告知がされた。「いいやま北竜温泉スキー場は2017-2018シーズンをもちまして営業を終了いたします。昭和37年から55年間にわたりご愛顧いただきありがとうございました。『シニアもキッズもみんなのプライベートゲレンデ』のラストシーズンをお楽しみください。」

本ブログでも取り上げた通り、2年前には少し離れた場所にあった第2ゲレンデが営業休止となっていて、スキー場の存続は厳しいなかなという気がしていた。位置的には野沢温泉の手前にあり、バブル期あたりにはエスケープゲレンデという位置づけもあったのだろうか。いまではまったく客層の違うゲレンデと考えた方がいいだろう。

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(左)駐車場付近から見たスキー場全体。リフトの左右に数本のコースがある。(右)ゲレンデ下にあるセンターハウス。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「北竜湖スキー場」として、以下のように紹介されている。「野沢温泉の麓、北竜湖畔に広がるゲレンデ。文化北竜湖山荘を中心にしたファミリースキー場。ビッグゲレンデをもつ野沢温泉スキー場とはまたひと味違う環境。最大40度の斜度をもつチャンピオンコースあり。」リフトは第1ゲレンデにペア1基、第2ゲレンデ(2年前に廃止済)にシングル1基。

第1ゲレンデには、四半世紀ほど前に一度滑りに来たことがあるだけ。ペアリフトの両側にさまざまなレベルに応じたコースがあって、規模から感じるよりは楽しめるスキー場だった記憶がある。宿泊施設である文化北竜館は少し離れた北竜湖畔にあり、そのあたりの不便さもあったと思う。しかし、大きなゲレンデでガンガン滑るのとは違った、静かな冬の休日を過ごすにはよいところではなかったかと思う。

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(左)ペアリフトとそれに沿ったAコース。(右)ペアリフト降場からAコースと山麓部のセンターハウス、駐車場をみおろす。

せっかくなので、営業終了まで1ヶ月を切った3月の平日に最後の滑りに出かけた。センターハウスで尋ねると、確かに今シーズン限りの営業ということだった。ポール練習をしている20人ほどのグループがいたが、それを除くと一般客は私ひとり。「ファミリースキー場」と称しているけれど、平日だったせいか、山麓部のキッズランドなどにもファミリーの姿はなかった。

ペアリフト両側のA・Bコースはポール練習の人たちが滑っていたのでそれなりのゲレンデ状態であったが、それ以外はゲレンデ整備も万全とは思えず寂しさも感じた。リフト上部からは関田山脈の山並を、意外な美しさで眺めることができた。

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(左)ペアリフト降場からBコースを見おろす。前方に関田山脈の山並を望む。(右)営業終了後の様子(2018年5月)。

営業終了から1か月ほど経過した5月初旬、再び同スキー場を訪ねた。まだ、リフト施設やセンターハウスなどそのままの状態。リフトは搬器を外してあるが、解体撤去などはこれから行われるのだろうか。(現地訪問:2018年3月・5月)

こちらもご覧ください → 「北竜温泉ファミリースキー場(その2)(2022年12月19日)」
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2018年03月16日

やまびこの丘スキー場(木島平村)

木島平スキー場に隣接する「やまびこの丘スキー場」が2018シーズンの営業を休止している。少し前までは「池の平ゲレンデ」という名前で、木島平と高井富士の連絡コース的な位置づけでもあったが、ここだけでもクワッド1基(862m)・ペア1基(443m)がV字状に配置され、それなりの規模をもっていた。

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(左)遠景から見た第1クワッド沿いの斜面。(右)ゲレンデ下部への進入路。前方に第1クワッド・第2ペアの乗場、左手にホテルの建物がある。

どちらかというと木島平スキー場の一部という感じが強く、リフト券も木島平と共通の時期が長かったと思う。12月に木島平に滑りに来た時に、「やまびこの丘 営業休止」の掲示を第2ペアあたりで見かけた気がする。北側にはグリーンシーズンに花々や各種体験ができる「やまびこの丘公園」やクロスカントリー競技場が隣接している。

比較的スキーヤーの多い木島平と、スノボ中心の高井富士の中間に位置していたが、過去に滑った感じでは、スノーボーダーが多かった印象がある。クワッド沿いは適度な緩斜面で、初中級の練習に適していたように思う。客層からすると、スノボが多い高井富士と一体化するのがいいと思っていたのだが。

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(左)雪に埋もれた第1クワッド乗場。(右)第2ペアも搬器を外され雪の埋もれている。

あらためて2月下旬、やまびこの丘を訪れてみる。クワッド・ペア両リフト乗場直下にあるホテルは、近隣のゲレンデへの送迎によって営業を続けているようす。ちょうど夕刻の時間帯だったので、木島平や高井富士からの送迎バスが到着していた。ホテル入口に並んでいるのは、スノーボードばかりであった。

ゲレンデは圧雪されず新雪の状態のまま。2本のリフトは搬器をはずされた状態。乗場の小屋も雪に埋もれている。施設面からは当然ながら、来シーズン以降の復活も可能だと思われる。木島平・高井富士両ゲレンデの間で、どうやって魅力を出すのか難しい立ち位置のゲレンデだとは思うけれど。(現地訪問:2018年2月)

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(左)営業していた頃の様子(2014年1月)。第1クワッド上部から見おろす。
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2018年02月25日

野沢温泉スキー場のリフト改廃(その3 中間部)(野沢温泉村)

前回に引き続き、野沢温泉スキー場の廃止リフトについてのレポート。今回は中間部の廃止リフトについて見ていきたい。リフトの設置場所についてはいまひとつ自信がないので、過去の情報に詳しい方がいらしたら、ご指摘をお願いしたい。(→コメント欄のDOKAさんのご指摘により、リフト場所の記載について修正しました。ご指摘ありがとうございます)

■長坂第3リフト
1987年版の資料によると長坂ゲレンデから長坂ゴンドラ中間駅にかけて、ゴンドラとほぼ平行してこの長坂第3リフトが描かれている。リフト乗場やルートも「あのあたりだったか」と推測する程度のことしかできなかった。乗場は長坂フォー中間部あたり、降場は長坂ゴンドラ中間駅付近だったという。現在の長坂ゴンドラ中間駅によって機能は代替できそうだが、牛首・黒鞍あたりを集中的に滑りたい人には重宝されたのだろうか。

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(左)前方左下に長坂ゴンドラ駅が見える。その少し上部から右手の山上に向けてリフトがあったと思われる。(右)長坂フォー中間部。乗場があったのはこのあたりか。
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■日影第3リフト
日影ゲレンデから、現在のパラダイス下部をつないでいたリフト。こちらもだいたいの位置を推測することしかできなかったが、乗場は日影フォーよりも上部(以前の日影第2の上)、降場はパラダイス中間部にあったという。日影ゴンドラでその機能はほぼ代替できそうだが、かつては野沢の代名詞でもあったシュナイダーコースを滑る人には便利なリフトだったのだろうか。

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(左)日影ゲレンデ。前方に見える山上に向けてリフトが架かっていたはず。(右)日影フォーリフト中間部。乗場はフォーリフトよりも上部にあった。
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■湯ノ峰第2リフト
現在の湯ノ峰ペア(湯ノ峰第1リフト)終点から、上ノ平ゲレンデ上部に向けて架けられていたリフト。湯ノ峰や水無は野沢では隠れ家的な場所で、個人的には好きなエリア。しかし、このエリアから脱出するには非圧雪の牛首・黒鞍コースに挑むか、平坦な道を半ば歩くようにパラダイス下部に出るしかない。このリフトがあれば、容易に上ノ平に戻れるのに、と思う。

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(左)湯ノ峰第1リフト(湯ノ峰ペア)降場。この付近に第2リフトの乗場があったはず。(右)上ノ平ゲレンデ、やまびこ駅直下。湯ノ峰へのブナ林コースが分岐する。リフトの終点はやまびこ駅よりも上部の小毛無ゲレンデ右下にあったという。

次回、山頂部のリフトについて取り上げたい。

こちらもご覧ください → 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その1) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その2) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その4)
posted by 急行野沢 at 22:19| Comment(5) | 飯山線沿線 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

野沢温泉スキー場のリフト改廃(その2 山麓部)(野沢温泉村)

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昨年末の告知に従って野沢温泉スキー場に出かけ、なくなってしまったリフトについてレポートを試みた。積雪期なので昔のリフトの痕跡があったとしても雪の下でわかるはずもないのだが、地形や周囲のコースなどからそこにリフトがあったときの雰囲気ぐらいでも感じられれば、と考えた。なお、類似の位置に架け替えられたリフトなどは対象外とした。

野沢温泉スキー場を訪れるのは6年ぶり。驚いたのは外国人が多いこと。聞こえてくるのは英語と中国語ばかり。また、平日はユートピア・チャレンジ・湯の峰・水無のリフト休止ということだった。いずれも好きなコースなので残念。

今回は山麓部の廃止リフトについて見ていきたい。(→コメント欄にお寄せいただいたDOKAさんのご指摘により、リフト位置について一部修正いたしました。ご指摘ありがとうございます)
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■柄沢第2リフト
現在の長坂駐車場ができる前、車の日帰り客にはもっぱら柄沢の駐車場が使われていて、柄沢ゲレンデの重要性も高かった。一時期は、柄沢から上ノ平を結ぶ計画もあったのではないかと思う。
柄沢第2リフトは現在の第1リフトの上部にあった。雪の上からはその痕跡はわからない。第1・第2リフトを乗り継げば3kmの長さをもつ柄沢ゲレンデの緩斜面を思う存分滑ることができた。
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(左)柄沢ゲレンデを最下部から見上げる。(右)柄沢第1ペア終点。この付近に第2リフトの乗場があったはず。
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■柄沢第3リフト
柄沢ゲレンデ上部からスカイラインの尾根上を結んでいたリフト。リフトが存在していた頃の様子を知らないので、だいたいの位置を推測するしかなかった。ゲレンデマップからはスカイライン下部を滑ることができたと想像していたが、スカイラインには達しておらず、柄沢ゲレンデの第2リフトのさらに上に合ったもよう。

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(左)柄沢第2リフト中間部。第2リフト上部に乗場があったらしい。(右)スカイラインの尾根上に降場があったと想像していたが、柄沢第3リフトはスカイラインには達していなかったようだ。
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■第17リフト
柄沢から長坂方面に向かって柄沢連絡ペアに乗車してスカイライン末端に上る。その反対側斜面にあったのが第17リフト。長坂方面から柄沢に戻るときにも使えた。斜面には下から見て左側にジャンプ台が設けられているが、かなりの急斜面に見える。現在、柄沢から長坂に向かうには、ジャンプ台の上から脇を通って進む。
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(左)長坂駐車場から見た第17リフトがあった斜面。(右)斜面の横から見る。
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■向林ロマンスリフト
長年、野沢温泉スキー場の問題はゴンドラ乗場直下に大きな駐車場がないことだった。温泉街に宿泊すればいいが、車の日帰り客には訪れにくい面があった。それを解決したのが長坂駐車場の設置であり、そのため向林ゲレンデが犠牲になった。
現在の長坂駐車場の位置に緩斜面の向林ゲレンデがあり、向林ロマンスリフトが架けられていた。かつて柄沢から長坂への連絡は向林ゲレンデを横切ればよかったが、現在のコースは長坂駐車場の上部を回り込むようにつけられている。
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(左)柄沢連絡ペア降場から見おろす。長坂駐車場の位置に向林ゲレンデがあった。(右)長坂駐車場の上部から下部を見る。
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■向林展望リフト
向林ゲレンデ上部からスカイラインの尾根に上る位置にあったリフト。尾根に上るリフトだったので展望はさぞかしよかったと思われる。スカイライン最下部のみを滑るには便利だっただろう。また、長坂方面からスカイライン下部を経由して柄沢に戻るときにも使えたと思う。
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(左)向林ゲレンデ上部からスカイラインの尾根を見上げる。前方の切開きがリフトの痕跡か?(右)リフト終点付近のスカイラインの尾根から向林ゲレンデを見おろす。

次回以降、野沢温泉スキー場中間部・山頂部のリフトについて取り上げたい。

こちらもご覧ください → 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その1) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その3) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その4)
posted by 急行野沢 at 20:37| Comment(3) | 飯山線沿線 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする

2017年12月26日

野沢温泉スキー場のリフト改廃(その1)(野沢温泉村)

nozawa_map02a.jpg 野沢温泉リフト一覧a.jpg

昨冬は志賀高原のリフト改廃について調べた。もう動かないだろうと思ったリフトが多客期には「稼働していた」という指摘も受け、難しさも感じた。しかし一方、スキー場の歴史の流れの一部を記録できたのではないかと思う。

そこで、今回は長野から近いところで野沢温泉について取り上げてみたいと考えた。私の手元にある最も古い資料は、1987シーズンのゲレンデマップ。このマップにあるリフトと今シーズンのリフトの比較表をつくってみたのが上の表である。

もちろん輸送力増強のため、クワッド(同スキー場では「フォー」と呼ぶ)やペアなどに架け替えられているものが多い。しかし一方、現在はまったくリフトのない位置に存在したものも見受けられる。上のマップ上に○印をし、別表上に色を塗った11のリフトがそれに該当する。

その中には「ここにリフトがあると便利なのだが」と思えるものも中には見られる。シーズンインした現在は、これらのリフトの痕跡を探すことは難しいだろうけれど、野沢温泉に行って可能な範囲で調べたいと思う。近々、現地に赴いてみたいと思う。

こちらもご覧ください → 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その2 山麓部) 野沢温泉スキー場のリフト改廃(その3 中間部)  野沢温泉スキー場のリフト改廃(その4 山頂部)
posted by 急行野沢 at 09:30| Comment(3) | 飯山線沿線 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする