
(左)第1リフト上部から。いったん下った最低部が第2リフトの乗場。遠く坊主山山頂部に架かる第4ゲレンデの跡が見える。
飯山市の裏山のような感じの場所にあった飯山国際。飯山市街から斑尾高原に向かってのぼりはじめてわずかな所を右折する。以前は右折する所に「歓迎 飯山国際スキー場」などと書かれたアーチがあったと思う。私が訪れたのはもう40年も前のことなので記憶は曖昧だが、小学生にとって見れば結構な規模のスキー場だと思われた。当時、飯山線の鉄道の仕事をしていた伯父に連れられて出かけた。
2001年に経営が破綻して、以降営業は休止となった。リフトの機器や鉄塔などはすべて撤去され、潅木も茂り始めて、スキー場だった痕跡を示すものはあまり残っていない。しかし、坊主山方面を見上げればゲレンデの跡がはっきりとわかる。最低部の駐車場周辺には、マウンテンバイクのコースらしきものが設けられていた。
「'86 SKI GUIDE(山と渓谷社)」には、「長野県スキー発祥の地・飯山市の西方、坊主山(標高720m)の北東斜面20haが、上級者向き1、上中級者向き1、中級者向き2、中初級者向き1の5ゲレンデとなって縦に長く展開する。最上部・坊主山ゲレンデからホームゲレンデまで一気に滑ると2.5kmのダウンヒルコースとなる。また、日本ではじめて1日の入場者を1,500名と限定した定員制を採っているので、リフト待ちもなく、のりびりゆったり安全にスキーを楽しめる」と案内されている。最大斜度43度。標高差250m。
10年ほど前までは斑尾に出かけるときに「飯山国際って、まだあるんだ」と思いつつ通り過ぎていたが、最後に1回滑っておくんだったと後悔している。温暖化のせいで、近年は飯山市街でも積雪がずっと少なくなったようだ。昔からのゲレンデは市街地に近く、標高の低いものがけっこう多い。以前は山奥までは道路も整備されていなかったから、現在のような標高の高い所にあるスキー場には、なかなか足をのばすことができなかったからだが、こう積雪が少なくなると平地に近い小規模のスキー場にとってはますます厳しい事態となるかもしれない。