2017年01月08日

湯沢ファミリースキー場(新潟県湯沢町)

この湯沢ファミリースキー場についての情報を、コメント欄(白板高原スキー場)にお寄せいただき、場所まで教えていただいた。湯沢の街からこんなに近い場所にあったスキー場を見落としていたとは迂闊だった。

yuzfaDSC00721.JPG yazfaimg001.jpg
(左)国道17号田中交差点。前方に見える丘陵の山腹に向けてゲレンデが開かれていた。(右)「スキー天国にいがた」を参考に作図(一部推定)。

「スキー天国にいがた(1975年12月)」では、このスキー場について以下のように紹介している。「扇形の尾根に囲まれた良質のゲレンデは、気軽にスキーの楽しさを味わえるファミリーなスキー場である。合掌造りのレストハウスも1軒あり、家族連れや初心者で連日にぎわっている。またスキーのあとは近くの情緒豊かな湯沢温泉でくつろぐことができる」

アクセスは「越後湯沢駅からバス5分」と恵まれていた。長さ300mのリフト(おそらくシングルリフト)1基と記されている。しかし、同誌に掲載されている地図には3本のリフトが記入されていて、どちらが正しいのかよく解らない。全盛期に3基、最終段階で1基だけ残っていたということだろうか。(→コメント欄にある通り、リフトは1基だったもよう。)

yuzfaDSC00802.JPG yuzfaDSC00806.JPG
(左)残っていたリフト乗場の跡。前方にリフトの鉄柱が続いている。(右)リフトの左側には中級向けらしき斜面。

200台収容の駐車場があった。現在までの調べでは、開設・廃止の時期ははっきりしない。ただ、最も賑わった時期は1970年代ではなかったかと推測している。越後湯沢の中心部から国道17号を南下、湯沢IC入口を過ぎれば左に岩原・中里方面への道を分岐する田中交差点の信号がある。その南東側にある北斜面に位置していた。

現地を訪れてみる。田中交差点から岩原方向に進むと車道は高架となるが、高架の下に降りて右折するとゲレンデ最下部だったと思われる小広い場所に出た。駐車場や合掌造りのレストハウスはこのあたりにあったのだろうか。その一角にリフト乗場の残骸があった。見上げると斜面の樹林の中に、リフトの鉄塔が点々続いているのが見えた。その左側には低木が茂りはじめてはいるが、中級レベルと思われるコースの痕跡が見て取れた。

yuzfaDSC00809.JPG yuzfaDSC00800.JPG 
(左)リフト残骸の右手に広がる緩斜面。(右)ゲレンデ下のレストハウスなどがあったと思われる場所。左前方にリフトの残骸がある。

右手にはずっとなだらかな斜面が続いている。第2・第3リフトはこちら側にあったのだろうか。それらの痕跡は見出すことができなかった。ゲレンデ周辺には民家が建ち並んでいるが、その中には「民宿」の看板を出している家もある。一部は近隣スキー場への送迎によって、現在もスキー客を迎え入れているようだった。

今冬は積雪が少ないとはいえ、一帯は雪に覆われていてスキー施設の痕跡を探すのには難しかった。雪のない季節に再訪したいと思う。湯沢の街にも近く利便性も高いファミリーゲレンデだった思われるが、どの程度の人気があったのだろうか。地元の人に話を聞きたかったが、あいにくと天気も悪く人の姿も見られなかった。(現地訪問:2017年1月)

2014年04月10日

永林寺スキー場(新潟県魚沼市)

eirin1DSC05014.JPG eirin2DSC04986.JPG
(左)魚野川に架かる根小屋橋からのぞむ。前方の丘陵の中央部が永林寺スキー場だった。(右)南東側から見上げたゲレンデ。赤いドーム屋根の小屋あたりまでがゲレンデだったらしい。

4月とはいうものの、越後の山里では田畑は未だ一面の雪に覆われていた。春の気配は感じられるけれど、花の季節はまだもう少し先のことで、遠く越後三山は残雪に輝いている。東京では桜が満開だと伝えられても、それはどこか遠い世界の出来事のように聞こえる。

北魚沼郡堀之内町。いまは合併により魚沼市の一部となっている。むかし、上越線の在来線急行で何回かこのあたりを通った記憶では、湯沢・石打・六日町などスキー場が林立する華やかな地域を通過した後だからだろうか、魚野川に沿う谷も狭まり何となく寂しげな雰囲気を感じたものだった。

そんな堀之内にスキー場があったことを知ったのは「観光と旅16 郷土資料事典・新潟県(人文社 昭和45年6月5日初版 昭和50年4月15日改訂版)」による。同誌はその永林寺スキー場について、以下のように紹介している。「曹洞宗の名刹鉢倉山永林寺の裏山一帯で、スロープの変化は初中級者に向いている。永林寺は、日本育英友の会・文部省・県の青少年野外旅行活動の宿泊に指定されており、四季それぞれ野外のレクリェーションを楽しむ青少年で賑わっている。境内の前方には魚野川が流れ、銀蛇の彼方には越後三山がくっきり浮かび、きわめて眺望に優れている。スキー施設としては、150mのロープウェー(注:ロープトウのことと思われる)と民宿の用意がある。堀之内駅の北約1km 徒歩20分。」

堀之内の中心街から魚野川に架かる根小屋橋を渡り、細い道を入って行くと永林寺の前に出る。杉林に囲まれた佇まいは、名刹というに相応しい雰囲気がある。その右手裏に樹林の少ない丘陵があり、最上部には四阿らしき建物が見える。その一帯がスキー場だったと想像がつくものの、斜面をいまは関越道が横切り階段状に整地されていて、どんな斜面だったのかはいまひとつ想像がつきにくい。右手に雪の残る斜面があるが、そちらの緩斜面はゲレンデの面影を残しているように感じられた。

eirin3DSC04984.JPG eirin4DSC04982.JPG
(左)永林寺の脇から見上げた斜面。関越自動車道が横切っている。(右)永林寺。

少し離れた住宅の前で、雪を片付けていた小父さんに声をかけてみた。「いまは高速道路が横切ってよくわからなくなった」といいながら、永林寺右手奥の斜面がスキー場だったことを教えてくれた。正面はけっこう急な斜面だったらしい。ロープトウがあったけれど、よく故障したようだ。82歳になるという小父さんは若い頃には、そのゲレンデでよくスキーをしたという。「冬にはスキーぐらいしか楽しみがなかったからね」と笑った。(現地訪問:2014年4月)

2014年02月15日

神立高原スキー場(新潟県湯沢町)[再開]

kandatDSC03354.JPG kandatDSC03355.JPG
(左)国道17号からの入口には「今シーズンの営業は行っておりません」の文字が。(右)駐車場の向こうにゲレンデ入口の建物。

神立が今シーズンの営業を休止するというニュースが昨年の11月に飛び込んできた。状況からすると来シーズンからは復活の可能性が高いので、ここで取り上げるのもどうかと思うが、ひとつの記録として記しておきたい。

同スキー場のホームページでも「今シーズンの営業に対して、ゲレンデ部分の土地所有者様のご同意、ご納得を得られず、やむなく今シーズンの営業を断念せざるを得ないという結果になりました」と発表された。それまでの運営会社が破産申請したものの、いくつものスキー場を運営する兵庫県の会社が継承するとの話だったので安心していた。しかし、湯沢町議会が町有地の賃貸借契約を締結する議案を反対多数で否決したものである。今シーズンの営業に間に合わせるため、営業権の譲渡を受け不動産未登記のまま準備を進めてきたものの、これに対し議会側は「固定資産税収入につながらない」などと所有権移転を求めていたという。

神立高原スキー場はバブル最盛期の1986年開設。湯沢近辺の老舗スキー場を向こうに回して華々しく登場したという印象だった。湯沢ICから1km、越後湯沢駅からバスでも10分とアクセスも抜群。広い駐車場やしっかりしたセンターハウスを備えた、当時の新設スキー場の典型的なスタイルであり、早朝スキーなど若者のニーズにも対応していた。コースはバリエーションに富んでいて、緩斜面からコブ斜面までさまざま。1988年4月に一度滑りに行ったときには、春先のコンディションの良くないときだったせいかコブに辟易した記憶がある。

「ニッポンのゲレンデ2013(実業之日本社)」には、「元祖サンライズスキーで有名なスキー場。今季は金曜夜から日曜夜まで48時間連続営業予定。『ベースキャンプ&スパ』には、仮眠室・入浴施設を完備し深夜着でも利用できるのでサポート体制は十分。ゲレンデは谷を滑る緩斜面と尾根から下る中・急斜面で構成され、変化に富んだコース設定が特徴。(中略)ゲレンデは北東向きで雪質はよく、積雪量も豊富だ」と紹介されている。リフトはクワッド3基、ペア4基を備えている。最大斜度45度、最長滑走可能距離3,500m。

kandatDSC03358.jpg kandatDSC03366.JPG
(左)ゲレンデ入口のリフト乗場から見上げる。(右)遠景から見たゲレンデ全体。

ホームページ上では、「弊社としましては、来シーズンの営業再開に向けて鋭意努力していく所存であります。運営事務所も神立高原スキー場内に設け、来シーズンのリニューアルに向け準備を進めていきます。」とのことなので、来シーズンには復活するものと思われるが、1シーズンにせよ神立が営業しない冬が来るとは誰が予想していただろう。

あらためて現地を訪問してみる。国道17号からスキー場に曲がる箇所の案内板には「今シーズンの営業は行っておりません」の文字が付け加えられていた。ゲレンデ下までのアクセス道はきれいに除雪されていたし、ベースにある建物の前には数台の車がとめられていて内部に灯りもついていた。スキー場維持・リニューアルのための準備がされているのだろう。当然ながらすべての施設はそのまま維持されている。とはいうものの、他のスキー場が賑わいを見せはじめている時期だけに、深閑とした静けさが寂しく感じられた。(現地訪問:2013年12月)

[追記]2015シーズンの再開が決定したもようです。

2013年11月05日

越後アクシオムスキー場(その2)(新潟県魚沼市)

axiDSC_0243.JPG axiDSC_0252.JPG
(左)国道沿いに残っている案内板。(右)リフトが撤去されたゲレンデ。

越後アクシオムについては、その後リフトが撤去されたなどの情報が寄せられていた。その事実関係を調べに訪れてみた。

国道252号沿いには「右折 AXIOM 大駐車場完備」と大きく書かれた案内板がいまも残されたままだ。看板を支えている鉄柱が錆びているのが、廃スキー場だいうことをかすかに示している。日に数本の列車しかない只見線のレールを踏切で越えてゲレンデ下に出る。

ゲレンデ下に立つと以前は残されていた第2ペアリフトの姿はまったくなくなっていた。斜面にはリフトの鉄柱も見あたらない。斜面上部を見上げると、上部にリフト終点の姿が残っていることは認められた。斜面の下部には畑地も開かれていて、近所の方が畑仕事をしている姿も見られた。魚沼の地も収穫の季節を迎えていた。

axiDSC_0253.JPG axiDSC_0254.JPG
(左)ゲレンデ上部に残されているリフト終点の施設。(右)廃墟化が進んでいるレストハウス。

ゲレンデに隣接して立つレストハウスは赤・白・緑の3色に塗られた屋根が印象的。クワッドリフトの新設を予定してこの場所に建てられた理由は、以前コメント欄に情報が寄せられたとおり。ただ、屋根板が曲がり、窓ガラスも割れたりして、廃墟化が進んでいるように見えた。(現地訪問:2013年9月)

こちらもご覧ください → 2009年09月20日 越後アクシオムスキー場

2013年10月22日

入広瀬中峰スキー場(その2)(新潟県魚沼市)

irihiro2DSC_0219.JPG irihiro2DSC_0209.JPG
(左)ゲレンデ下にあったかつては駐車スペースの役割をしていたと思われる場所。 (右)ゲレンデ下部から見上げる。

魚沼市内には、小出・湯之谷薬師・須原・大原・大湯温泉という5つのゲレンデがある。ここ数年存続が危ぶまれているが、なんとか現在も5つとも営業を続けている。そんな魚沼市内の廃スキー場として、以前本ブログで中峰スキー場(入広瀬中峰スキー場)を取り上げた。しかしながら、訪問時には雪に覆われ、はっきりとゲレンデの痕跡を確認することができなかった。9月の休日、ちょうど魚沼の田園地帯も稲刈りの時期に旧入広瀬村を再訪した。

魚沼市中心部の小出あたりからはかなり山間に入った印象となる旧入広瀬村。庁舎(旧村役場)を左手に見て、その先の分岐には「中峰グランド」「みどりの体育館」「テニスコート」を示す案内板が立っている。そこを左折すると道の脇に小広いスペースがある。ちょうどゲレンデ下にあたるこの場所は、駐車スペースになっていたのではないだろうか。そこから民家の間を上ったあたりがゲレンデ最下部だと思われたが、リフト乗場の痕跡などを見出すことはできなかつた。ゲレンデ下部は畑地になっていたが、見上げるとススキに覆われた斜面がゲレンデの跡であることを示していた。

irihiro2DSC_0234.JPG irihiro2DSC_0185.JPG
(左)ゲレンデ上部にはグランドやテニスコートなどスポーツ施設が開発されたが、いまはあまり使われていないようす。(右)ゲレンデ上部から見おろす。

車道をたどってゲレンデ最上部まで上ってみた。最上部にかつてあったと思われる体育館は撤去されていた。一帯は一時期、スポーツ広場として整備されたようで、グランドやテニスコート、トイレやシャワー室もある。ただ、照明施設は撤去されその名残のコンクリート柱だけが何本もそびえ立っていて、最近ではあまり使われていない状況を物語っていた。かつてはスキー、その後は各種スポーツのために使われた場も、いまは閑散として寂しげに見えた。

そこから背の高いススキを掻き分けながら、少しゲレンデをくだってみた。眼下には入広瀬の集落とそれをとりまく田畑、そして遠く越後の山並みを見渡すことができた。中峰スキー場は1971年にリフト運行開始。営業休止年月については正確な資料を見つけていないが、1990年代と思われる。最大斜度25度、最長滑走距離は400m。シングルリフト(270m)1基、その上部にロープトウ(100m)1基が備えられていた。リフトやロープトウなどの施設の痕跡は、ゲレンデ上部でも見出すことはできなかった。(現地訪問:2013年9月)

irihiro2DSC_0198.JPG irihiro2DSC_0239.JPG
(左)側面から見上げたゲレンデ。(右)遠景から見たゲレンデ全体。

こちらもご覧ください → 2010年02月27日 入広瀬中峰スキー場