2019年09月22日

高平スキー場(その2)(岐阜県郡上市)

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(左)ゲレンデ下のレストハウスは健在。(右)レストハウス前からゲレンデと右手の第2リフト跡を見上げる。

前掲の平家平再訪に合わせて、高平スキー場跡も訪れた。こちらは、以前訪れた時から平家平と違って、植樹などがされて園地風に整備されていたのだが、しかし草木が繁って薮っぽくなり、ゲレンデの痕跡もわかりにくくなっていた。

国道156号から「高平延年の森 この先500m」という看板を見て西側に折れる。しばらくすると道は左右に分かれるが、右の道を選択して進めばレストハウスの前に導かれる。レストハウスの周囲やそこから見上げたゲレンデ跡も、ずいぶん樹影が濃くなったような気がする。斜面は桜の木や草に覆われて、ゲレンデの痕跡は日々薄れているようだ。その一角に、一番右手にあった第2リフト乗場の残骸は残っていて、かすかにスキー場としての名残が感じられた。

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(左)第2リフトからレストハウスを見おろす。(右)もう1基のリフト(第1リフト?)の残骸。

先刻の分岐までもどり、今度は左手へ進む。右手にもう1基リフトの残骸があったはずだが、今回はなかなか見当たらない。すっかり木々に覆われてかすかに頭を出したリフト乗場の残骸をようやく見つけることができた。さらに進むと道すがら「ブラザーの森」という案内板が見られ、自然保護活動が進められていることが告げられている。

遊歩道としても整備されたものか、各所に方向を示す道標も設置されている。ただ、季節のせいもあって、ヤブ気味の遊歩道を歩く気にはちょっとならない。林道のような幅広の道が九十九折で上部へと進んでいるが、その道もやや崩れがちである。やはり時間の経過とともに斜面は自然に帰ろうとしていて、前回見えたような奥美濃の山々の展望は、成長した木々に遮られてかなわなかった。(現地訪問:2019年8月)

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一帯は「ブラザーの森」として自然保護活動の対象となっているようだ。

こちらもご覧ください → 「高平スキー場(その1)」

2019年08月30日

平家平スキー場(その2)(岐阜県郡上市)

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(左)長良川を渡り上っていくとゲレンデ下に至る。(右)倒壊したロッジの建物。

久しぶりに奥美濃を訪れる機会があり、平家平スキー場の跡地を再訪してみた。国道156号沿いの北濃駅前からわずかに北に進むと、東側に渡る細い橋がある。その橋を慎重にわたり、坂道を上がって行くと平家平スキー場の跡地に出る。

前回訪問から9年の歳月が過ぎ去っているものの、その佇まいは大きくは変わっておらず少々安堵する。とはいうものの、ゲレンデ下にあるロッジの建物の崩壊具合は前回よりもずっと激しいものになっている。屋根の妻部分に「ロッジ平家…」とあった建物は、すっかり潰れている。

季節のせいもあろうが草木が斜面全体を覆い、ゲレンデの痕跡を消し去ろうとしているかのように思える。斜面中央にある赤い屋根の建物は、前回訪問時にはなかったような気がするが記憶がはっきりしない。以前は斜面の下に立つとリフト乗場やリフト券売場の小屋も見渡せたのけれど、それらは樹木に覆われ近づくことさえ難しくなっている。

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(左)ロッジ前からゲレンデを見上げる。(右)リフト乗場は樹木に覆われわかりにくくなっている。

スキー場施設をすっかり撤去し斜面に植樹などが行われることもあるが、このようにいつまでも痕跡をとどめている場所もある。その違いは土地所有などや廃止の形態によるのだろうか。不勉強でわからない。廃ゲレンデ訪問者の勝手な気持ちとしては、平家平の痕跡に再び出会えたことは嬉しかった。(現地訪問:2019年8月)

こちらもご覧ください → 「平家平スキー場(その1)」

2018年12月16日

しらおスキー場(岐阜県郡上市)

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(左)しらおスキー場入口の案内板。(右)遠景からのしらおスキー場上部。左に第7ペア上部、右に第1ペアが見える。

本年6月にしらおスキー場のホームページで、スキー場の閉鎖が告知された。「この度、6月30日(土)をもちまして、有限会社六ノ里 しらおスキー場を閉鎖させて頂くことになりました。平成13年のオープン以来、17年月余に渡りまして、多くのお客様にご愛顧頂きました事を心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。(後略)」

閉鎖の理由については触れられていない。スキー人口の全体的な減少もあるだろうが、奥美濃の中では南部に位置し、近年では雪不足によって営業期間が短くなっていたことも影響しているのではないだろうか。最近は平日リフト券2,000円(平日駐車場無料)という廉価設定でアピールしていたようだ。詳しくはわからないが、17年という寿命だとしたらあまりに短命なスキー場といわざるを得ない(コメント欄にお寄せいただいた通り、当初開業は1980年代中頃とのこと)。

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(左)白鳥ICからの道脇の案内。(右)第5リフトと右下にレストハウス。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「白尾山山麓に位置し、大杉ゲレンデと白樺ゲレンデの2つのメインゲレンデがあり、3kmのダウンヒルコースや2kmの林間コースが楽しめる。東海北陸道白鳥ICから車で10分とアクセスはグッと便利。日帰りの利用客が多く、スノーボードは全面開放、BXコースやジャンプ台などを備え、さらに人気が期待される」と紹介されている。

奥美濃では比較的名古屋に近く、知名度はやや低いながらコースバリエーションに富んだゲレンデ。ゲレンデベースからは全体像がつかみにくい奥行きのあるスキー場だった。2つの緩やかなゲレンデとそれらをつなぐ上中級向けのダウンヒルコース、振り子沢コースなどで構成されていて、ペア4基、シングル2基のリフトがあった。ゲレンデ構成は興味深かったが、訪問を果たせないうちに本ブログの対象となってしまった。

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(左)アクセス道は進入禁止。

一部のスキー場がオープンし始めた12月の中旬、しらおスキー場を訪問した。白鳥ICから途中「しらおスキー場 今シーズンは終了しました」という道脇の掲示を見ながら、県道82号を進む。しかし、スキー場へのアクセス道に左折したところにゲートがあり、「無断進入禁止」の表示。自重して周辺の林道などからゲレンデの様子を観察するにとどめる。ゲレンデ下部はスギやヒノキの林に囲まれて、遠くから様子はわからない。

メインの第1ペア、右手の第5ペア、左手奥にあった第7ペアの上部は遠目に確認することができたが、いずれも搬器を外された状態だった。奥行きのあるゲレンデなので、遠景から全体像をつかむことは難しい。ただ、斜面にはうっすらとしか雪がなく、営業していてもオープンはまだ先だっただろう。いつか白尾山への登山道をたどって、上部からゲレンデの様子を見てみたいと思う。(現地訪問:2018年12月)

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(左)第1ペア上部と振り子沢コースの最上部。(右)第7ペア上部。

2016年09月13日

寒水第2スキー場(岐阜県郡上市)

奥美濃の郡上にあった寒水スキー場を本ブログで取り上げたのは5年前のこと。たしか、その時に見た資料には寒水第2スキー場の名前も記載されていたが、あまり細かいことはわからなかった。今年初め頃、本ブログ読者のKさんから、この寒水第2スキー場についてご連絡をいただいた。

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(左)寒水川に沿う県道の脇にある蛇岩の祠。(右)林道で車が乗り入れられるのはここまで、この先は荒れた林道を歩く。

Kさんは、夏から秋にかけてこの寒水でトマトづくりをされている。土地の人から聞いた話では、寒水を南北に貫く県道82号線の脇にある蛇岩の祠から、西側の山中に入ったところに寒水第2スキー場があったということだった。夏場になったら訪れてみようと思っていたが、なかなか機会がなかった。高山方面に所用で出かけた折に足をのばすことができた。

前もって連絡したわけではなかったものの、運よくKさんはトマト畑で仕事をされていた。聞いた話にもとづいて案内していただき、スキー場跡地まで一緒に行ってみることになった。蛇岩の祠から一段西に細い道を上った先で舗装は途切れ、その先、1kmほど未舗装林道に車を乗り入れる。

ただ、1kmほど進んだ先は、林道の路面が荒れていてとても車の乗り入れはできない。熊鈴も付け、山支度をして歩きはじめる。草が茂り倒木などもある道を20分ほど歩くと林道の跡は途切れる。以前はここまで車で上ってきたという。背の高い草に覆われているが、車数台くらい駐車できる平地があるように見えた。右上の斜面がどうやらゲレンデ跡のようだ。

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(左)林道終点は小広い平地になっている。草に覆われているが、以前は数台分の駐車場があったと思われる。(右)ゲレンデだったと思われる斜面を見上げる。昔の牧草地の雰囲気は感じられた。

踏み跡らしきものをたどって右上(西)へと斜面を登る。広葉樹が茂ってはいるが、下草の雰囲気や斜度から見ると、ここが寒水第2スキー場の跡地と思えた。東向きの斜面は、中級者向けには程よい傾斜ではなかっただろうか。昔は牛の牧草地だったということで、冬期にわずかな積雪でも滑ることができたという。リフトやロープトゥもなかったけれど、当時は明宝方面で唯一のスキー場だったので結構にぎわっていたらしい。

Kさんからのその後の情報によれば、寒水村の名家が開発したもので、いまでいう地域活性化を先取りしたものらしい。ただ、時代を先取りしすぎて周囲はついていけないという面もあったようだ。

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(左)少し上ったところから斜面を見おろす。

スキー場があった年代は40年以上昔だろうか。その頃はいまほどマイカーでスキーに出かける人は多くなかったと思う。とすれば、県道沿いのバス停から歩いたのだろうか。その時代には、スキー場まで数キロ歩くなどは当り前だった。そんなことをKさんと話ながら、山を下った。(現地訪問:2016年8月)

2014年11月22日

中津川スキー場(岐阜県中津川市)

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(左)恵那山への黒井沢登山口。(右)恵那山への登山口を過ぎて、スキー場跡地に向かうには橋を渡る。ゲレンデ跡は右手奥。

3年ほど前に、本ブログのコメント欄に以下のような投稿をいただいた。「恵那山岐阜県側の黒井沢というところに昔スキー場があったそうです。愛知県在住の老スキーヤーが恵那山でスキーしたことあると言ってましたので、たぶんそこではないかと。今はオフロードパークになっているようです」

ずっと気になっていたのだけれど、最近になってこのスキー場についての資料を見つけた。「県別シリーズ18 郷土資料事典 岐阜県・観光と旅(人文社、昭和44年5月1日初版、昭和49年8月20日改訂版)」には以下のように記載されていた。「中津川スキー場(初級〜中級向)所在地:市内川上黒井沢、交通:中津川駅からバスで約1時間10分、施設:ロープトー2基・トロイカ2基、宿泊:民宿25収容500人、ロッジ3収容120人、期間:12月下旬〜3月中旬」ロープトー2基・トロイカ2基とあるから、それなりの規模だったと思われる。

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(左)オフロードパーク入口。「許可なく立ち入り禁止」と書かれている。(右)オフロードパーク入口付近から見たゲレンデ斜面。

中津川とスキーのイメージは結びつきにくい。冬に中央西線で長野から名古屋に向かうと、木曽福島・上松あたりではそれなりの積雪であっても、南木曽あたりからは少なくなり、中津川では雪の姿は見えないことが多い。ただ、市街地からは離れた恵那山麓という場所なので、積雪が多かったのかもしれない。

現地を訪れたいと思っていた。現地に通じる林道は長らく通行止めだったが、それも解除されたので10月の秋晴れの休日に出かけてみた。中津川市街から、その名も中津川という川に沿って国道363号を南下する。川上という集落で左折して川を渡る。ここからは約10km、中津川縁にへばりつくような曲がりくねった舗装林道をたどる。北から黒井沢という沢が合流する地点は、恵那山への登山口。10台ほどの登山者の車がとまっている。その先、橋を渡ると右手に黒井沢オフロードパークの入口があらわれる。

オフロードパークの入口には施錠されて、無断立入禁止などと書かれた立札がある。そこから敷地内の様子をうかがうと、スキーに適した斜面が広がっているように見える。スキー場の名残を感じられるようなものは何もない様子だ。現在はオフロードパークなので、それなりのかたちに斜面は変えられているようだが。周囲から斜面を見渡せる場所がないかと探し回ったが、深い樹林に囲まれていてなかなかよい場所が見つからなかった。ふと見上げると、紅葉をまとった恵那山が見下ろしているかのようだった。(現地訪問:2014年10月)

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(左)上部の樹林の合間から見おろした斜面。