2012年07月14日

鳥越高原大日スキー場(石川県白山市)

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(左)駐車場入口のゲート看板は破損していた。(右)駐車場付近から見上げた第1リフト。

2012シーズンの営業を最後に休止ということになった鳥越高原大日スキー場。何年か前に経営方法をかえたり、稼動リフトをスリム化したりして存続への努力が続けられてきた様子はなんとなく知ってはいたが、ついに営業を休止することとなった。1970年の開設、1980年代のスキーブームの頃は、小松市の大倉岳高原スキー場とロープウェイで接続する構想もあったが、後のブームの衰退により計画は消滅した。2008〜2009シーズンはリニューアルのため休業し2011シーズン再オーブンしたが、2012が最後のシーズンとなりそうである。

同じく営業休止となる瀬女高原が国道沿いの便利な場所にあるのに比べて、こちらはかなり山深いところにある印象だ。国道157号を下吉野あたりで西に折れて、まだ残されている案内標識に従って車を進める。ときにか細くなりスノーシェッドをくぐる谷あいの道をたどる。こんなところにと思う場所にも集落があるが、廃屋も多いのか人の気配はあまり感じられない。

たどり着いたスキー場入口の「とりごえこうげん」と書かれた看板は、半分壊れていた。その先には広い駐車場。左手に第1ペアリフトが残っている。パラで架かる左側のシングルは随分前から動いていなかったようで、錆び付いている。その先には立派なセンターロッジが2棟並び立っている。ロッジの間を通ってゲレンデ下に立つと、左手にリフト券売場の小屋。小屋には「おとな2,000円、こども1,000円」という掲示が残されていて、最後の頃はかなり格安な料金設定であったことが分かった。

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(左)立派なセンターロッジの建物。(右)センターロッジ前から見上げたゲレンデ。第4・第5ペアが残っているのが見える。

リフトは随分上のほうに、最後まで稼働していた第4・第5ペアが残っているのが見える。ゲレンデマップを見たとき、どのようにリフトに乗るのかと思ったが、いったん、左下にある第1リフトに乗って、はじめて第4・第5リフトに乗れるような構成になっていたようだ。その他の第3ペアや右手上部に通じていた第6ペアの痕跡は残されていない。いろいろな活用の方法も考えられているようで、ハイキングコースを示す案内表示も見ることができた。ゲレンデ脇にはさまざまな花が咲いているのを見ることができた。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には、「大倉岳の北斜面に位置し、大日湖を眼下にする標高650mのゲレンデ。ここは村ぐるみで開発したユニークなスキー場ですべてが村の直営。ゲレンデから少し離れた「バードミング鳥越」はアクアランド、プール、レストラン。リラックスルームを備え、日帰りでも宿泊でもOK。標高は低いが良質な雪に恵まれ、白山、日本海の眺望が見事」と記載されている。

最盛期にはペア6基、シングル2基のリフトを備えていた。最大斜度32度、最長滑走距離1400m。最後の頃はファミリー層を中心とした集客を狙っていたと思う。なお、当時は鳥越村であったが、現在は白山市に合併されている。ここも市町村合併により、存続が難しくなったスキー場のひとつといっていいのではないだろうか。(現地訪問:2012年5月)

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(左)少し登ったところからロッジ付近を見おろす。
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2012年06月30日

白山瀬女高原スキー場(石川県白山市)

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(左)国道沿いの道の駅の前から見たゲレンデ。まだ、「瀬女高原スキー場」の案内が残る。(右)広い駐車場とその奥にセンターハウスとゴンドラ乗場。

白山麓にあるスキー場の動向についてはずっと気になっていたのだが、ついにこの瀬女高原と鳥越高原の営業休止というニュースが先シーズンさなかに伝えられた。2012シーズンの営業を最後に休止ということになったという。

中日新聞(2011年12月)によれば、「リフトなどの施設を所有している三セク、白山レイクハイランドが七月に会社解散を決議。特別清算中の今季は債権者の同意を得てSAMが営業するが、新たな支援企業が現れない限り来季の営業は難しい」と報道されている。「瀬女高原がオープンした1991年度は、12万5千人が来場。しかし、個人消費の低迷やスキー人気の低下により近年は入場者5万〜6万人台の年がほとんどになり、赤字に歯止めがかからなくなった。SAMに運営委託し、スキー場施設の賃貸に専念しても改善には至らず、2010年度は2億9千万円の赤字を出した」という。村(旧尾口村・現白山市)や三セクが整備計画を進める一方、スキー客は金沢などから来て日帰りで何も買わず帰るため、集落の商売にはあまり影響がなかったという声もある。

金沢方面から福井県南部に抜ける国道157号。私も何度か通ったことのある道だが、いつも気になっていたのがこの瀬女高原スキー場だった。国道沿いに下部のファミリーコースが見えるのだが、ゴンドラに乗るとずっと奥まで懐の深いゲレンデだと知ったのは、ゲレンデガイドを見てからだった。

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(左)センターハウス前から見たファミリーコースのリフトとゴンドラの鉄柱。(右)センターハウスの中庭から見たゲレンデ。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には、「白山連峰のふところ、国道157号線沿いという便利な場所にあり、ゴンドラリフトと、最長3.4kmのロングコースを主体としたスキー場。ゴンドラを上ったピーク部からは白山、加賀平野、手取ダム湖、日本海の眺望が開ける。チロリアン風のセンターハウス、90畳敷きのくつろぎの大広間、評判のパウダールームなど施設も充実」と案内されている。ゴンドラ1基のほか、クワッド1基・ペア2基の施設があった。最上部からは、ドキドキコース・ワクワクコース・ルンルンコースという名のコースがあり、ゴンドラに沿って3.4kmのパノラマコースがあった。最大斜度は31度。1991年に開設された石川県内では最も新しいスキー場であって、あのトニー・ザイラーが設計したという。

新緑の5月、金沢方面から国道157号を南下する。道沿いには、まだスキー場の案内板が残されている。道の駅・瀬女の先を右折し、瀬女トンネルの手前から左に曲がればセンターハウス前の広い駐車場に導かれる。センターハウスの建物はそのままで、その一角ではピザ屋が営業をしているもよう。最下部のファミリーリフトもゴンドラも搬機をはずされたままで、そのまま残されている。営業時とあまりかわらない佇まいだが、もうスキー場として賑わうことはないのかもしれない。(現地訪問:2012年5月)

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(左)ファミリーコースを少し上がったところからセンターハウスを見下ろす。
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2011年04月16日

白山白峰温泉スキー場(石川県白山市)

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(左)キャニオンゲレンデ下部からゲレンデを見上げる。

金沢市街から国道157号を南下し手取川の上流に入れば、トンネルが連続した末に旧白峰村(現在は白山市に合併)の中心部へと入っていく。以前、白山麓の昔の暮らしぶりについて話を聞く機会があったが、白峰では山の作物にも恵まれ経済的にも豊かであったという話を聞いた。都会的な意味での豊かさとは少し違うものかもしれないが、「山間地は貧しいもの」という認識が、さまざまな時代の中では必ずしも正しくないないことを思い知らされた。

白峰村中心部から手取川を挟んだ東岸の青柳山。その西斜面に開かれていたのが、白峰温泉スキー場。扇状のゲレンデで、下部には入口が二箇所あった。右側のキャニオンゲレンデのクワッド乗場に行ってみる。駐車場があり、レストハウスの脇には椅子をはずしたクワッドの乗場がそのままの状態。除雪車も置かれたまま。ゲレンデの中心部はクワッド1本上ったあたりのようだが、かなり背の高い草が生い茂っているように思えた。左側のヤングバレーのリフト乗場に行ってみると、意外なことにリフト施設が綺麗に整備されている。近くにいた人に話を聞けば、こちら側だけは各種大会や練習競技用に会員制として引き続き使われているとのこと。

「オールスキー場完全ガイド2000」によれば、「白山連峰を背に、標高1,032mの青柳山に展開する雪質のよいスキー場。どちらかというと中上級者以上に向けたコースづくりだが、変化に富んだゲレンデはビギナーからベテランまで充分に満足できる。ガラス張りの明るくおしゃれなセンターハウスやクアハウス等も若者の支持を集めている」と記載されている。リフトは最盛期にはクワッド1基・ペア6基、最大斜度37度=ゲレンデ最上部のジャイアントゲレンデ、最長滑走距離2,500m。周囲には温泉施設も豊富だ。

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(左)遠景からゲレンデ上部を見上げる。(右)現在も大会や競技用に会員制として使われているヤングバレー側のゲレンデ。

1971年12月の開設。石川県内唯一の全日本スキー連盟公認・大回転コースがあり、各種のスキー大会が開催されてきた名門スキー場だった。2008シーズンを最後に一般スキー場としては営業休止となっている。ヤングバレーゲレンデの下で話を聞いた小父さんは「一般向けのスキー場としては、もうとても成り立たない」と話していた。辛うじて競技用として公認コースが維持されているのが救いということになろうか。(現地訪問:2010年8月)
ラベル:白峰温泉
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2010年07月09日

白山中宮温泉スキー場(石川県白山市)

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(左)ファミリーペアリフトの下からゲレンデ全体を見上げる。(右)レストハウス前にある案内図。

金沢市街から国道157号を走り、白山の山麓に向かう。以前は石川郡の吉野谷村・尾口村・白峰村などがこの国道に沿っていたが、現在は白山市に合併となっている。道筋に「白山麓スキー場群」とひとまとめにしたような案内表記があるのは、それほど多くのスキー場が林立しているということか、あるいは最近はスキー場の改廃が激しいということか。尾添川の深い谷に沿う国道360号に入れば、スノーシェッドが連続する。国道360号から新中宮温泉に左折する荒谷の分岐には「中宮温泉スキー場」の表記があるが、その上に「CLOSED」と貼られている。道標に従って進めば、広い駐車場に導かれる。駐車場の向こうには、新中宮温泉センターの建物も見える。温泉も隣接し金沢市街からも適度な距離だったと思うが、現在のスキー人口に対してはこの近辺にはスキー場が多すぎたということなのだろうか。

「オールスキー場ガイド2000(立風書房)」には、「山頂からは雄大な白山の全貌が眺められる。ゲレンデも整備の行き届いたコンディションを誇るスキー場。祝前日と土曜日に行われるオールナイト営業がファンをひきつける要因のひとつ。スノーボード全日滑走可能なのもボーダーに人気がある。ファミリーには託児所『キンダーランド』がある」と紹介されている。最大斜度37度(ダイナミックコース)、最長滑走距離3,000m。8基のリフトを備えた大規模といっていいスキー場だった。

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(左)ゲレンデ中腹から最下部を見下ろす。(右)第3ペアリフト乗場から上部を見上げる。

広い駐車場の奥に何軒ものロッジ・レストランなどの建物があるが、それほど荒れ果てた感じはしない。ゲレンデを見上げれば右手には何軒かの食堂や民家が建っている。念のためにゲレンデ傍にいた小父さんに声を掛ければ、「何年か前にスキー場は営業をやめた」という返事がかえってきた。リフトは椅子をはずされた状態でそのまま残っている。圧雪車も車庫に置かれたまま。目の前に見上げるのが、斜度37度のダイナミックコースなのだろう。右手最下部のリフト沿いのファミリーコースやその上のロマンスコースは初級コースのようだが、全体には中上級が楽しいゲレンデ構成に思える。林道をたどってゲレンデ上部(第3リフト乗場付近)から見おろせば、草木が生い茂りはじめてはいるが、かなりの高度が感じられる本格的なコースに見える。遠く白山が霞んで見えた。

経営が困難となり2008シーズンより休業している。最後の頃はスノーボーダーが多いゲレンデで、食堂やリフト券(1日券2,500円)が安いことも評判だったらしい。1985シーズンに開設。バブル期におおいに人気を集めたであろうことは、オールナイト営業をしていたということからもわかる。しかしそんな繁栄ぶりは、いまではとても信じられない。施設は多少手を加えれば再稼動が可能と思えるが、その可能性はきわめて低いのだろう。斜面には一部重機が入って作業をしていた。(現地訪問:2010年6月)
posted by 急行野沢 at 01:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 石川県 営業休止のスキー場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする