(左)ゲレンデ最下部から見上げる。(右)ゲレンデ最下部のクワッド乗場付近を見おろす。(いずれも2015年3月)
わかぶな高原には2015年3月に一度だけ、訪れたことがある。新潟県内のスキー場を踏破する目的であった。もう少しローカル色の強いゲレンデかと思っていたが、クワッドで上がったところから擂鉢状にコースが広がり、スノーボードの若者が多くて思っていたよりも明るい雰囲気。3月に入り雪質が悪かったのは残念だったけれど、周囲の景観は素晴らしく日本海まで見渡すことができた。
(左)クワッドから降りて第3ペアを見上げる。(右)クワッド上から第1・第2ペア方面を見る。(2015年3月)
そのため、場合によっては短時間で切り上げるつもりだったけれど、結構長居をすることになった。中級者に面白かったのは第1ペア沿いだった。わかぶな高原スキー場は1987年、まさにバブル最盛期に開業。スキー場内の各施設も何となくバブル期創業の雰囲気を感じさせた。昨シーズンは雪不足のため1日も営業できなかった。
スキー場や村のホームページで明言されてはいないが、少なくとも今シーズンの営業は休止となったと思われる。また、状況を見ると来シーズン以降の営業も厳しいようだ。本年8月の新聞報道によれば「新潟県関川村は31日、わかぶな高原スキー場の運営会社に対して、施設からの立ち退きを要請した。同スキー場は赤字経営が続いており、村長は取材に対して『退去期限を延長しても、赤字体質から脱却する具体的な根拠が示されなかった』と説明した」とのことであった(新潟日報)。
(左)アクセス道路にはスキー場の案内板。(右)センターハウス入口には「立入禁止」。(2015年10月)
さらに「村長はスキー場を村が直営する考えはなく『今冬のスキー場営業は極めて難しいだろう』との見方を示した」と掲載されていた。9月村議会では「現在、撤退の準備をしている状況」と報告されている。10月にわかぶな高原の入口まで行ってみたが、「立入禁止」と表示され敷地内に入るのは憚られた。ただ、センターハウス前に何台か車があり、何らかの作業が行われている様子だった。
『オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)』には「国道113号線荒川地域に温泉が数ヶ所存在する。ファミリーにメインゲレンデのわかぶなコース。上級者にはコブのハイテックコース」と紹介されていた。リフトはクワッド1基、ペア3基。下越地方のスキー場は昨シーズンの雪不足で大打撃を被ったところが多い。ここもそのひとつといえるだろう。(現地訪問:2015年3月、2020年10月)
(左)遠目にゲレンデ上部を見上げる。見えているリフトは第3ペアか。(2015年10月)
→ 「わかぶな高原スキー場(その2)」2021年2月5日