2011年02月23日

角神スキー場(新潟県阿賀町)

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(左)ホテル本館前から見上げたゲレンデ全体。(右)ゲレンデ左側にあるペアリフトは雪に埋もれている。

ペアリフト1基を備えたホテル角神のプライベートゲレンデ。温泉ホテルがメインでスキー場は付随施設のような感じだった。今シーズンからスキー場の営業を休止している。阿賀野川沿いの景観が素晴らしいところで温泉とスキーの両方が楽しめるところだったはずだが、ホテル宿泊者でスキーをしたいという人は最近ではあまりいないのかもしれない。あるいは、本格的にスキーを楽しみたいという人にはもの足りなかったのかもしれない。
   
「SKI GUIDE'86(山と渓谷社)」によれば「赤崎山麓、角神高原の南斜面に10ヘクタールに最大斜度35°平均斜度20°の上級向きチャレンジコース、最大斜度18°平均斜度8°のなだらかな初心者、ファミリー向きのゲレンデがあり、整地芝張がされているので、積雪10cmでも全面滑走可能となる。休日の前日にはナイタースキーも楽しめる。県立自然公園阿賀野川ラインの景勝の地にあり、温泉施設もある近代和風旅館があるので、一段と充実した休暇を楽しめる」と紹介されている。日曜は無料スクール、子どもスクールあり。初級80%、中級20%。スキー場開設は1969年(昭和44)。

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(左)遠景から見たゲレンデ全体。

磐越道を津川ICで降りて津川の街を通り過ぎ、阿賀野川に沿う国道459号を進む。このあたりは以前「SLばんえつ物語号」に乗りに来たりしているが、そのときには阿賀野川の大きな流れに沿って寂しそうな集落が点在しているという印象しか残らなかった。今日も間断なく雪が降り続いて、風景は沈んで見える。鹿瀬の街を過ぎると阿賀野川が大きく蛇行する箇所にさしかかり、右手に鹿瀬発電所のダムが見えてくる。そのダム湖から西側に一段上がったところにホテル角神がある。

国道からアプローチする道を進めば、右手に車寄せのある立派な本館の建物があり、その左手奥にゲレンデがあったが、当然ながらスキーをしている人の姿はない。初級者向けのなだらかな斜面が1面だけのゲレンデのようだ。ゲレンデ左側にペアリフトがあるが、今シーズン休止をしたばかりなので、少しリフトの整備をし斜面の圧雪をすればすぐに滑走可能と思えた。

リフト乗場の下には「TSUNOGAMI SKI LODGE」と書かれた建物があり、ゲレンデに面してリフト券売場の窓口がある。この建物はいまは宿泊者のための卓球場などになっているようだった。正月休みなのでホテル宿泊者は多い様子で、新潟・福島ナンバーの車が多く見られた。温泉ホテルに宿泊に来た一組の家族連れが、ゲレンデでソリ遊びをしていた。(現地訪問:2011年1月)
ラベル:角神温泉

2010年08月21日

安田町民スキー場(新潟県阿賀野市)

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(左)安田町民スキー場を示す案内板がいまも見られた。(右)小丘陵の北斜面に開かれたゲレンデ。左はセンターハウス。

いまは阿賀野市に合併となった安田町は、安田瓦の産地として知られ、町内にもそれにちなんだ展示物も見られる。町内に良質の粘土を産することから19世紀初頭に瓦の生産が始まったもので、越後の厳しい自然環境に耐えるよう高温で焼成された銀鼠色の瓦だ。旧安田町は新潟市から見て南東方向の立地で、平野を流れる阿賀野川をさかのぼっていくと、山間部に入る直前あたりに位置する。この町の中心部の南東にある小丘陵の北面に、安田町民スキー場は開かれていた。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」によれば、「初級コース2本のファミリーゲレンデ。新潟市街から近く、ナイター営業は21時まで毎日あり。最大斜度20度の広いゲレンデにはワンパク広場があり、家族連れでにぎわう。スクール、レンタルあり」と紹介されている。

連日21時までのナイター営業とは、いま考えるとすごいと思う。いくら新潟市街から近いといっても、スキー人口が多かった時代を思い起こさせる。いまではあまり考えられないが、仕事が終わった後急いで駆けつけてまで、スキーがしたいという人がたくさんいた年代があった。開設は1985年、営業休止は2000年前後と思われる。

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(左)すぐ近くにある宝珠温泉。(右)宝珠温泉の前から見たゲレンデ斜面。

越後平野の東の縁に沿って進むような国道290号。その国道を安田町中心部からわずかに新発田方面に進めば、田園の中の交差点に「サントピアワールド」の案内板がある。その案内板に従って進むと、「安田町民スキー場 800m」という案内も残っている。右へ進めば小丘陵の南面にある遊園地「サントピアワールド」に至り、左に進めば北面のスキー場に至るという位置関係。

道路から駐車場へのゲートは閉ざされているが、広い駐車場とレストハウス、そしてコンパクトで緩やかな斜面は道路沿いからも見渡すことができる。リフトの施設は綺麗に撤去されているが、ナイター照明の施設は残されたまま。子どもづれで楽しむのには、コンパクトで手頃だっただろうと思われる。隣接して宝珠温泉の日帰り入浴施設もあり、スキーと温泉を楽しむのには便利なところではなかったかと思うのだが、どうだったのだろう。(現地訪問:2010年7月)

2010年07月23日

五頭高原スキー場(新潟県阿賀野市)

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(左)左手の樹林帯が布滝ゲレンデ。左手奥に布滝リフトが見える。(右)「'86 SKI GUIDE」ほかを参考に作図。

越後は雪国といわれる。しかし、県都新潟市は信濃川の河口に位置し、スキー場が立地する山岳までには少々距離があるように思える。そんな新潟市街から最も近いスキー場のひとつであったのが、五頭高原スキー場。越後の平野も東に尽きるあたりに位置する。

「'86 SKI GUIDE(山と渓谷社)」によれば、「五頭山(標高912M)の西斜面から南西斜面に広がる12haにリフト4基が架設され、上中級者向き布滝ゲレンデ、中級者向き五葉ゲレンデ、中初級者向き扇ゲレンデ、初級者向きファミリーゲレンデ、中初級者向き林間コース・高原コースとなって展開し、面的・線的両方を兼ねそなえ、新潟市から一番近い本格的スキー場として人気がある。扇ゲレンデ・五葉ゲレンデからは日本海・越後平野を望め景観も素晴らしい」と紹介されている。スキー場開設は1975年(昭和50)。営業休止年月を記した資料をまだ見つけていないが、1990年代初め頃ではないかと推測される。

新潟市街から国道49号をたどる。阿賀野市の中心となった水原から東に向かう県道に入り、国道290号に出たところが村杉温泉。ちょっとした温泉街が形成され、日帰り温泉施設もある。その温泉街の北側にある安野川に沿う道を東に進めば、「県民の森」などが山麓に整備されている。その先の「普通車1日800円」などと書かれた看板が室内に放置されている小屋は、おそらくスキー場入口で駐車料金を徴収していたものだろう。そこから左右にひな壇状にいくつもの駐車スペースが広がっている。ゲレンデはその先、川を越えたところから上部の斜面にあったようだ。

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(左)ゲレンデ直下のリフト乗場。(右)ゲレンデ下のパトロール・スクール・貸スキーが入った建物。

ゲレンデ最下部には、錆付いたリフト乗場の残骸が2基。布滝ゲレンデのリフトと思われる。椅子ははずされているが、鉄柱に支えられたワイヤーが斜面を駆け上っている。その傍らには「WELCOME」と掲示された貸スキー・スクールとパトロールが入っていたと思われる廃墟。その先で車道を進むことはできなくなっている。数年前から植林が進められているようで、その旨の掲示も立てられている。斜面は再び木々が覆いつくそうとしている。ここは五頭山への登山口にあたるようで、あたりを歩き回っているうちにも何組かの登山者が下山してきたところだった。(現地訪問:2010年7月)
ラベル:五頭高原