2022年06月26日

鹿沢スキー場[その3](群馬県嬬恋村)

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(左)「鹿澤スキー場」の石碑。(右)第1ゲレンデ下。草木が茂っている。

久しぶりに角間山へ登山した。その途中に、鹿沢スキー場の跡地を通るので、現在のようすを知ることができた。以前の本ブログでも触れた通り、30年ほど前にホームゲレンデのようにして使っていたスキー場である。全体に草木が生い茂り、かつてここにスキー場があったことを示すものはほとんどなくなっていた。ただ、自然に帰って行くのなら、それはそれでいいように思えた。

県道74号線脇の駐車スペースに車をとめる。道の西側には「鹿澤スキー場」と書かれた石碑が健在。群馬県出身の当時の首相・福田赳夫の名前がある。少し登るとゲレンデの最下部に出るのだが、リフト乗場やその傍らにあった小屋の痕跡はまったくなくなっている。第1リフトの切り開きやゲレンデの跡も、草木に覆われて、もうわからない。

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(左)第1ゲレンデの痕跡?(右)第1リフト終点があった場所。

ゲレンデやや左に付けられた登山道を登ると第1リフトの終点だった場所に出る。かつては食堂などが入ったロッヂがあったけれど、いまはあずまやが建てられている。右手には角間山の山容が見える。正面の斜面が第3ゲレンデだった場所。第3リフトの切り開きの跡は、はっきり見ることができた。

右手の林道は第2ゲレンデを結ぶ連絡コースになっていたところ。進んだ先は第2ゲレンデの下部のはずだが、そのあたりもスキー場の痕跡はなく、レンゲツツジの花が咲き誇っているだけだった。(現地訪問:2022年6月)

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(左)あずまやから正面に第3ゲレンデ。(右)第2ゲレンデ下部付近。

こちらもご覧ください→「鹿沢スキー場(2009年3月22日)」

2022年05月26日

那須温泉ファミリースキー場(栃木県那須町) 

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(左)ゲレンデ下から第1ペアと茶臼岳を見上げる。(右)路側にある駐車場。

本年1月の新聞報道で、那須温泉ファミリースキー場の営業が休止されることがわかった。「那須町は27日の定例記者会見で、湯本の町営スキー場『那須温泉ファミリースキー場』の営業を3月末で休止すると発表した。老朽化したリフトなどの修繕費が確保できないと判断した。今後は年間を通した誘客施設への転換に向け、跡地の活用法を検討する」とのこと(下野新聞)。

1961年に町営のスキー場として開業。1970~80のピーク時には毎年5万人ほどの利用者がいたが、近年は客足が減少。小雪だった2019年には1日もリフト運行ができなかった。今年3月にはリフト券とソリパークが無料となり、抽選会もある大感謝祭が開催された。

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(左)休暇村。(右)休暇村からゲレンデへの砂利道。駐車場は右側階段下。

私は1994年1月に一度だけ滑りに訪れたことがある。職場の仲間と東京から出かけ、1日目は羽鳥湖で滑って那須国民休暇村で宿泊。2日目は赤面山(白河高原)あたりに行く予定だったが、ひとりが体調を崩してしまい近場で軽く滑って帰ることになった。

休暇村のすぐ目の前にあり、当時は那須岳スキー場という名だったのではないだろうか。そのときはあまり積雪が多くなくて、雪質はあまり楽しめるようなものではなかった。緩斜面中心のリフト2本のコンパクトなファミリースキー場であり、じっくり滑るというよりは仲間で雪遊びするような感じで半日を過ごした。茶臼岳を間近に眺める素晴らしい景観が記憶に残っている。

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(左)ゲレンデ下にあるセンターハウス。(右)第1ペア乗場。

スキー場ガイドには以下のように紹介されていた。「茶臼岳南斜面山麓に開かれた那須温泉ベースのファミリー向きゲレンデ。首都圏から日帰り可能な距離にある」(オールスキー場ガイド2000、立風書房)直近ではペア2基、スノーエスカレータ1基を備えていた。

2017年3月に付近で発生した雪崩事故が記憶に新しい。春山登山講習会に参加していた高校生ら8人が亡くなった。スキー場のすぐ近くで発生したもので、大きな衝撃を受けた。そんな事故も暗い影を落としていたのだろうか。那須連峰を眺める景観だけでも、清々しい気分にさせるゲレンデであったが……。

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(左)ゲレンデ下から第1ペア上部を見る。(右)ソリゲレンデ。

5月にあらためて現地を訪問してみた。那須ICから茶臼岳のロープウェイを目指す。硫黄の匂いが漂ってくる。平日なのに殺生石あたりは。それなりの観光客の姿が見られた。休暇村の建物を左手に見ると、すぐに左側路側に駐車場があり、「那須温泉スキー場・駐車場」の掲示。車をとめて左手の階段を上ると、休暇村とゲレンデをつなぐ砂利道に出る。右手にわずかに歩くとゲレンデ下に出た。

ペアリフト2基はいずれも搬器が付いたままで、いまにも動きそうである。正面には茶臼岳がそそり立っている。左右に振り分けられたゲレンデはいずれも緩斜面だが、全体を見渡せるゲレンデレイアウトはファミリーゲレンデとしては最適だっただろう。茶臼岳に上っていくロープウェイの姿が見えた。小雨混じりの天候が、周囲の新緑をいっそう際立たせていた。(現地訪問:2022年5月)

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(左)第2ペア乗場。
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2022年04月08日

なかさと清津スキー場(新潟県十日町市)

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(左)ゲレンデ下のヴィレッジハウス(2010年1月訪問時)。(右)古くは上越国際のマップにも記載されていた(1989シーズンのパンフレット)。

なかさと清津スキー場のホームページで来シーズンの営業休止が告げられている。「来シーズン(2022-2023)は3年間のコロナ禍による来場者数の減少や設備の状況により、誠に勝手ながら営業を休止いたします。来シーズン以降の営業につきましては今後の状況等を見ながら判断いたします」となっている。2024シーズン以降の動向はわからないものの、予断を許さないのではないだろうか。

なかさと清津は当初、広大な上越国際スキー場の一部として計画されていた。当時の上越国際のゲレンデマップには清津ゲレンデとして掲載され、いずれ当間ゲレンデとつながるのだろうと考えられていた。実際、当間山を挟んでリフトを数本架ければつながりそうである。しかし、バブル崩壊の時期にあたり、その計画は頓挫したものと思われる。

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(左)ゲレンデ内にあったマップ。ペア2基はすでに稼働せず。「上越国際清津ゲレンデ」の表記のままだった。(右)稼働していない「ファミリーロマンス」沿いから信濃川方面を見下ろす。(いずれも2010年1月)

その後、「なかさと清津スキー場」と独立したスキー場を名乗るようになり、現在に至っている。運営は現在まで上越国際と一体でおこなわれているのではないだろうか。最盛期にはクワッド1本の他、ペアリフト2本もありそれなりの規模であったが、後にペアリフトは休止となりクワッドだけの営業となった。

私は2010年1月に滑りに出かけた。国道117号から南東部の山中へと入る。駐車場の目の前にあるヴィレッジハウスという建物は、上越国際のグリーンプラザの縮小版といった趣き。レストランなどが入ったいわゆるセンターハウスである。稼働していたのはクワッド1本だけ。コースは初中級中心だったが、気持ちよく滑ることができた。一部、圧雪されていないコースもあった。

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(左)クワッドリフト乗場(2010年1月)。(右)アクセス道の案内板。前方にスキー場を俯瞰する。(以下、2022年4月)。

当時、すでに曜日を限定しての営業になっていた。土曜日にもかかわらず滑っている人は少なくて、少々寂しかった。しかし、ゲレンデ上部から見おろす信濃川の河岸段丘の眺めはなかなかのもの。「上越国際清津スキー場」という表記も残っているなど、各所に上越国際の名残が感じられるのも面白かった。

「オースキー場完全ガイド2000(立風書房)」には上越国際スキー場の紹介ページに「清津ゲレンデ」として紹介がある。「当間ゲレンデの裏側の穴場的スキー場。'98シーズンに新コースが3本できてリニューアルオープンした。全体的に初中級者向きの緩斜面だが、ハーフパイプやワンメイクにもチャレンジでき、スキーポール専用バーンもできた」。

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(左)以前とデザインが変わったヴィレッジハウス。左手にクワッド乗場。(右)以前から稼働していない「からまつロマンスリフト」。

あらためて現地を訪れてみた。さすがに車道に雪はないが、両側の田畑にはまだ多くの雪が残っていた。正面にゲレンデの姿を見ながらアクセス道を進む。道脇の「なかさと清津スキー場」の案内板も健在。ゲレンデ下に建つ印象的なヴィレッジハウスの外観デザインは少し変更されたようだ。まだ多くの緩んだ雪が残っていて、ヴィレッジハウスの脇からゲレンデを見上げることしかできなかった。

2024シーズン以降の動向は未定のため、建物やリフトなどの施設にはいまのところ変更は見られない。雪を運搬するダンプが走り回っている、と思ったら、スキー場の駐車場脇が雪捨て場になっているためだった。随分暖かくなったが、周囲にはまだまだ多くの雪が残っていた。(現地訪問:2022年4月)

2022年03月16日

猪苗代リゾートスキー場(福島県猪苗代町)

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(左)猪苗代リゾートの案内板。(右)アクセス路手前からスキー場を俯瞰する。

猪苗代リゾートスキー場が2021~2022シーズンにかけ、2期連続して休業中である。猪苗代リゾートホテルも含めて、廃止が濃厚と考えられる。すでにホームページは削除されているが、2020年4月時点では「新型コロナウィルスには全国的に感染防止の為、当社も休館休業となります。(中略)再開に向けてガンバリます!」と掲載されていたのだが。

猪苗代リゾートスキー場は、バブル初期の1985年に京急と猪苗代町の共同出資により設立。その運営会社は2003年に解散し、以後、運営は次々と別会社に引き継がれた。猪苗代湖に向かって滑り込むようなダウンヒルが売り物であった。「湖に向かって滑る」といえば、同じく休業となった京急系の青木湖スキー場(長野県大町市)も連想してしまう。

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(左)除雪されておらず進入できなかった地点。(右)アクセス路分岐付近から、ホテルとゴンドラ、第1ペア。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」には「猪苗代湖を見下ろす磐梯山南西斜面に位置する。1730mの6人乗りゴンドラとスノーボード全面滑走可のスキー場。ゲレンデ下のリゾートホテルも洗練された雰囲気の都会派ホテルで、ラウンジバーも華やかなムードをもつ。温泉を引いたパブリックバスもあり、ナイターはオレンジ色のナトリウム照明で、金・土曜日は21時まで営業」と紹介がある。

「都会派ホテル」「ラウンジバー」など、バブル期を彷彿とさせるワードがいまとなっては郷愁を誘う。ゴンドラとそれに平行する3本のペアリフトを設置。最長滑走距離3,800m、最大斜度40度。上級から初級まで各レベルのコースが用意されていた。ネット上で見かけた、最終営業2020シーズンの訪問記録によると、経営難のためか、ゲレンデ整備や施設内の清掃も行き届いていないと書かれていた。

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(左)別ルートから駐車場下までは入れたが。(右)ホテルやゴンドラ前にも駐車場があったらしい。深雪でそちらには進めず。

猪苗代・磐梯周辺のスキー場の中で、ここだけは営業中に足を運ぶ機会に恵まれなかった。今回、会津方面訪問のついでに訪れた。県道から「猪苗代リゾート」の案内板で北側に曲がり、磐梯山の山麓に向かって上って行く。予想していたが、案内板がある右折箇所から先は除雪されておらず進入不可。それならばと、少し先から回りこむ道は除雪されていて、駐車場下まで進むことができた。

しかし、そこからホテルやゴンドラ乗場までは距離があり、深い雪の中、ツボ足では進めそうもない。諦めて山麓を走る道路まで戻り、遠目にゲレンデの様子を眺めるにとどめた。ゲレンデ内の施設に変化はないようすで、静かに雪の中に埋もれていた。アルツ磐梯・猪苗代など周辺に大規模なスキー場も多い。このまま廃止ということになってしまうのだろうか。(現地訪問:2022年3月)

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(左)山麓の猪苗代町内から遠望。

[追記]
2023年9月27日、同社の破産申請が報じられた(富木島民友ニュース)
「福島県猪苗代町で宿泊施設「グランドサンピア猪苗代」(旧猪苗代リゾートホテル)などを運営する同町の猪苗代リゾートは26日までに東京地裁に破産を申請し、保全管理命令を受けた。負債総額は約2億円。所有施設を利用した事業譲渡の交渉を現在続けており、これから引受先などが選定される見通し。」
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2022年03月09日

ファミリースノーパークばんだい×2(福島県猪苗代町)

まだ、「磐梯国際」を名乗っていた1998年2月に一度だけ、滑りに行ったことがある。福島県内のスキー場踏破のひとつとしてであった。その時の記憶は不鮮明ながら、特徴の少ない緩中斜面中心のゲレンデで強い印象が残っていない。当時から既に少々さびれた雰囲気だったと思う。

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(左)「ばんだい×2」の案内板。(右)ホテル下の駐車場。

その「ばんだい×2」が今シーズンは営業を休止。ホームページでは「2021-2022 新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、今シーズンのスキー場営業は休止いたします」と告げられている。

「オールスキー場完全ガイド2000(立風書房)」では「磐梯国際」として以下のように紹介されている。「磐梯国際観光ホテルをベースにしたリゾートスキー場。磐越道猪苗代磐梯高原ICから10分ほどで、アクセスの便は抜群。整備がいきとどき、ファミリーや初心者向き」。リフトは最盛期にはペア4基、シングル1基。現在はペア2基のみとなっている。

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(左)ホテル脇から一段上のゲレンデへ。(右)リフト乗場。

2002年に運営会社が倒産して、一時的に休止。その間、周辺には大規模ゲレンデが続々とオーブンした。その後、2008年に新たな運営会社があらわれ、「ばんだい×2」としてホテルともども再開。最上部のリフトは廃止され、ペア2本の直列となった。再開後はさらに子ども連れ・ファミリー層を明確なターゲットとし、ファミリー向けの割引などを設定していた。

ひさしぶりに会津を訪れ、「ばんだい×2」を訪問してみた。幹線道路からの分岐には「ばんだい×2」の案内板があり、ホテル下の駐車場まで除雪されていて車で入ることができた。しかし、そこから一段上のゲレンデ下までは深い雪の中、ツボ足で進むしかなかった。

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(左)ゲレンデ下から斜面全体を見上げる。(右)ゲレンデ下にセンターハウス・パトロールなどの建物。

ゲレンデ下からはなだらかで何となくとりとめのない斜面全体を見上げることができた。今シーズンは雪が多かったはずだが、ゲレンデ下から見上げると整備されていない斜面にはところどころブッシュが出ている。周囲に人の姿は見られない。正面に磐梯山方面の雪景色を見ることができた。

それにしても、磐梯山周辺エリアにはある時期(猫魔ができた頃)から、スキー場があまりに多く造られ過ぎたと思う。その前は、他に猪苗代・裏磐梯くらいしかなかったのではないだろうか。「コロナのため」と理由は告げられているが、過去の経緯もあり、他の周辺のスキー場は営業しているので、今後について不安を感じてしまう。(現地訪問:2022年3月)

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(左)上部の第2ペアを見上げる。

<追記 2022年12月>
ホームページ上では、2023シーズンも休止することが告げられている。「2022-2023 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、今シーズンのスキー場営業は休止します。」もう、復活は厳しいか……。
posted by 急行野沢 at 13:09| Comment(0) | 福島県 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする

2022年03月01日

づなっち広場(飯綱高原スキー場・その5)(長野市)

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(左)ゲレンデを見上げる。(右)づなっち広場入口。

ひさしぶりに飯綱高原スキー場の跡地がどうなっているか、確かめるために立ち寄ってみた。第1クワッド下の駐車場はきれいに除雪されている。1年前のレポートでも触れた通り、ゲレンデの一部はそり遊び場として使われている。その斜面(第2リフト下あたり)は、「づなっち広場」と名付けられたようで、有志の力により、市の確認もとって整備されているらしい。あいにく平日だったので、人の姿は見られなかったけれど。

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広場は旧第2ペアの下。

第1クワッドや第2ペアも、撤去が進んでいるのではないかと危惧していたが、搬器は外されているもののそのままの姿で少々安堵する。再び稼働することはないのだろうけれど。ハイランドホールのあった第3ペアの下に行ってみるが、そちらはまったく除雪されておらず高い雪の壁で駐車場に入ることもできない。第4ペアの下も同様で、リフトに近づくこともできなかった。(現地訪問:2022年2月)

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(左)第1クワッド下。まだ、リフトは残されている。(右)ハイランドホール前の駐車場は除雪もされず雪に埋もれている。
posted by 急行野沢 at 20:23| Comment(0) | 信越沿線 営業休止のスキー場 | 更新情報をチェックする

2022年01月01日

白川郷平瀬温泉 白弓スキー場(岐阜県白川村)

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(左)ゲレンデを見上げる。(右)リフトからセンターハウスを見る。

動向が気になっていた白弓スキー場。2021年1月に指定管理者の募集が開始され、応募者があれば今後5年間は営業をおこなうとのことだった。しかし、12月28日にホームページで「白川郷平瀬温泉 白弓スキー場は、施設の維持管理上の理由により、昨シーズン(2020-2021シーズン)の営業をもって閉鎖となりました。長年、多くの皆様にご利用いただきまして誠にありがとうございました」と告げられた。やはり残念な結果となってしまった。

いつも本ブログに協力してもらっている岐阜県のKさんから、白弓スキー場についての新聞掲載を教えられたのは4年前の2017年12月。岐阜新聞の記事によれば「岐阜県大野郡白川村は21日、同村木谷の村営白川郷平瀬温泉白弓スキー場を、リフトが耐用年数を迎える2020年をめどに閉鎖する方針を明らかにした。成原茂村長が村議会一般質問で方針を示した。」とのこと。

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(左)センターハウス内。(右)リフト券は自販機で購入。

「同スキー場は1969年に開場し、企業に委託運営している。ピークの94年度は1万6千人が訪れたが、近年はスキー人口の減少や設備の更新の遅れから利用客が減少し、2016年度は1715人、1180万円の赤字だった。15年4月から、近隣住民らでつくる白弓スキー場検討委員会で存続について検討してきた。」村長は「リフトの耐用年数も考慮し、閉鎖の方向で進めていきたい」と述べていた。

いつ閉鎖になるかわからないと思い、2018年3月に遠路、滑りに出かけた。予想より(といったら失礼だが)立派なスキー場で驚いた。きれいなセンターハウスにレストラン・レンタル・スクールなども完備。ゲレンデ下にいくつか広い駐車場がある。リフト券は自動販売機で購入。1本だけのペアリフトもそれなりの距離(790m)があり、ゲレンデもしっかり整備されて気持ちよく滑ることができた。

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(左)ゲレンデ上部から。(右)リフト降場付近。

リフト中間駅から下は緩斜面だが、上部は上級向きでけっこう滑りごたえもある。この規模ながら、さまざまなレベルのスキーヤーに対応できそうだ。ただ、土曜日にも関わらず滑っているのは、ポール練習の少年たちを含めても10人ほどと寂しかった。白川郷のついでにスキー体験という感じの中国人女性が2人。スノーボーダーがひとりもいなかったのも珍しかった。

大雪への警戒も呼び掛けられる中、当面、あらためて現地を訪れることは難しそうなので、今回は2018年訪問時の写真で振り返ることにしたい。あらためて機会を見つけて、現在の現地の様子をレポートしたいと思う。

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(左)アクセス道からセンターハウスとゲレンデを見る。(右)ゲレンデマップ。

スキー場ガイドには以下のように紹介されている。「世界文化遺産登録で世界中にアピールした白川郷の平瀬温泉がベース。センターハウス『白真弓』(170席)オープン。『カモシカ落とし』なる38度のカベがあり、白樺ゲレンデはポールセットも可能。(オールスキー場完全ガイド2000:立風書房)」当時のリフトはペア1基、シングル1基で、現在の中間駅あたりまでのペアリフトとその上にシングルリフトがあったようである(コメント欄に情報をお寄せいただきました。詳細はコメント欄をご覧ください)。

アクセスとしては東海北陸道・白川郷ICから車で20分、荘川ICからは30分。中京・北陸方面からのスキー客が主体となろうが、その手前に数多くの大規模スキー場があることを考えるとアクセスが悪すぎる。しかも、ペアリフト1本の規模である。白川郷の知名度はあるにせよ、集客は難しかったのだろうと思う。(現地訪問:2018年3月)
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2021年12月24日

戸狩温泉スキー場オリオンゲレンデ(飯山市)

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(左)アクセス道には「オリオン」の文字。(右)ゲレンデ下の休止の案内。

戸狩温泉スキー場のホームページで、今シーズンのオリオンゲレンデの休業が告げられている。「今シーズン、オリオン第1ペアリフト並びにオリオンクワッドリフトの運行は休止とさせていただきます。尚、オリオンゲレンデは雪上を自由に使える貸し切りエリア『スノーバカンス村』としてオープン致します。」

戸狩はペガサスとオリオンという2つのゲレンデが沢を挟んで両翼のように広がり、その奥にすり鉢状のとん平ゲレンデがあるという構成。オリオンゲレンデが休業ということは片翼がなくなったような感じではないだろうか。やはり戸狩のメインはペガサス側であり、現状では過剰になりすぎた広さを整理する意味もあるのだろうか(→休止の事情については、コメント欄に情報をいただきました)。戸狩スキー場としての開設は1956年。

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(左)オリオン第1ペア。(右)オリオンクワッド。

戸狩温泉スキー場は私が小学1年のときに、はじめて訪れたまともなスキー場(当時は戸狩スキー場)。従って、私にとっては思い出深いスキー場である。父親に連れられて飯山線に乗り、戸狩駅からは2kmの道のりを歩いたことを憶えている。マイカーでスキーに行くことなどは稀な時代であった。当時は現在のペガサスゲレンデにシングルリフトが1~2本かかっていた程度だったと思う。その頃は民宿が多く、「民宿の戸狩」などと呼ばれていた。屈曲リフトも名物であり、いろいろと話題もあった老舗スキー場といっていいと思う。

その後、バブル期を経てゲレンデの規模は拡張された。近年はスノーボーダーが多く年齢層も若いという印象が強く、オールドファンには足を運びにくい雰囲気に感じられた。最近は雪ちゃりスノーライドなど新たな取り組みも行っている。集客のためにはそうした方向性になるのだろうとは思う。

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(左)オリオンゲレンデ・スキーセンター周辺。(右)遠景から左・ペガサス、右・オリオン。

12月中旬、ゲレンデオープンの少し前に現地を訪れてみた。アクセス道にはオリオンゲレンデの文字は残るものの、オリオンゲレンデ入口には「オリオンゲレンデ及び食堂、レンタルショップは休止中」と案内が出ていて親切。

オリオンゲレンデの下部まで行ってみると、傍らには圧雪車もスタンバイしている。施設自体に変わりはなく、貸し切りの受け入れはできる準備がされているのだろうと思う。現在のゲレンデ面積は過剰な気もするし、このままオリオンゲレンデがどうなるのか、予断を許さないと思う。(現地訪問:2021年12月)

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(左)営業を続けるペガサスゲレンデ。

<追記 2022年12月>
オリオンゲレンデは2023シーズンも、『スノーバカンス村』として運営されるもよう。一般ゲレンデとして復活する可能性はないと思われる。

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2021年12月12日

五日町スキー場(新潟県南魚沼市)

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(左)ゲレンデ下から見上げる。(右)並列で架かるセントラルリフト。

五日町スキー場のホームページで本年9月に「2021-2022冬期シーズン休業のお知らせ」が告げられた。「突然ではございますが、この度、新型コロナウィルス感染拡大の影響により2022年の冬期シーズンの営業を休業いたすこととなりました。(後略)」感染しにくいとされてきた子どもたちへの感染が強く心配されるとも触れられている。

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(左)セントラルリフト乗場とゲレンデ下の建物群。(右)セントラルリフト中間から見おろす。

五日町スキー場には、1998年3月に一度だけ訪れたことがある。実質リフト3本の
スキー場だけれど、緩急の勾配があるコースがあって、それなりの滑りごたえがあったと思う。地元の少年たちが練習に励んでいたことが記憶に残っている。

スキー場ガイドには「国道17号線沿いにあり、越後三山の雄大な山並みが一望できる。平均11度から32度のカベまで多彩に楽しめる」と紹介されていた(「日本のスキー場・東日本編'91・山と溪谷社)。最長滑走距離は2,300m。上越新幹線浦佐駅からバス10分。

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(左)ゴルフ練習場。(右)GREEN HOUSE脇から高原ゲレンデを見上げる。

11月下旬に現地を訪問してみる。国道17号から少し西に入った場所には、民宿街を示す看板も見られた。ゲレンデ下部にはセンターハウスやパトロール、レンタル、食堂などの建物がある。かつては賑わったであろうロッジも見られる。ペアとシングルがペアで架かる斜面は幅広の緩斜面である。

「グリーンシーズンを11月28日まで延長」という趣旨の看板を脇に見て、ゲレンデの中の車道を上って行くと、セントラルリフトの終点、高原リフトの乗場のある平坦地に出る。傍らには「五日町ゴルフ練習場入口」と看板があり、グリーンシーズンとはこれのことかと納得する。

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(左)高原リフト乗場。(右)高原ゲレンデ右奥には山頂リフト。

GREEN HOUSEと書かれたレストハウスの脇から見上げる高原ゲレンデは、ほどよい中斜面。その上には、遠目に山頂リフトも見える。こう見ると意外に奥深いゲレンデに感じられる。振り向くと越後三山が秋の晴天に輝いていた。休業理由がコロナだけであれば、収束すれば復活しそうだが、どうなのだろうか。(現地訪問:2021年11月)

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(左)セントラルリフト上の平坦地から越後三山を望む。

<追記 2022年12月>
2023シーズンも営業休止と思われる。

2021年11月24日

石打花岡スキー場(新潟県南魚沼市)

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(左)リフト下からゲレンデを見る。(右)リフト乗場。

「にいがた観光ナビ」のホームページで、石打花岡スキー場の2022シーズン営業休止が告げられている。「石打花岡スキー場 2021-2022シーズンは、新型コロナウイルスの影響にて営業は休止させていただきます」とある。昨シーズンに続いての営業休止とのことで少々心配になる。コロナが収束したら、再開の可能性はあるのだろうか。

ペアリフト1本の両側に緩斜面が広がっている。最長滑走距離は800m。最大斜度は20度なので、ファミリー層や年少者が中心のスキー場。スキー場ガイドには「リフトの左右に初級コースと中級コースをもつファミリーゲレンデ」と紹介されている(オールスキー場完全ガイド2000:立風書房)。

石打丸山・上越国際・舞子高原など大規模なスキー場に囲まれた小さなスキー場だが、子ども連れにはこうしたゲレンデの方が安心だと思う。子ども連れが多いということで、コロナには慎重な対応をしているのかもしれない。当然ながら今回、現地を訪れてみてもゲレンデ周辺に特に変化は見られない。

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(左)駐車場からスキー場全体を見る。(右)ゲレンデ最下部を見おろす。

2013年1月に周辺のスキー場で滑った帰り、国道353号沿いにあるので立ち寄って数本滑ってみた。ポール練習の少年たちやソリ遊びの子ども連れで、結構賑わっていて驚いた。チケットもIC方式になっていたし、食堂も2軒開いていた。小規模ながら固定客が多い地元密着のスキー場だと感じた。こうしたスキー場が消滅しないことを願いたい。(現地訪問:2021年11月)

<追記 2022年12月>
2023シーズンも営業休止と思われる。